世界ラリー選手権(WRC)に参戦しているシトロエンは、冠スポンサーであるアブダビとの契約を更新することができず、来季は規模を縮小する可能性が高まった。これにより、セバスチャン・ローブのWRCフル参戦復帰は絶望的となっている。
先週末に行われたF1アブダビGPで、シトロエンWRCのチーム代表ピエール・ブダールと、アブダビの関係者が会合を行なった。しかしパートナーシップ契約延長の共通合意に至ることができず。アブダビはすでに、2020年にはWRCに帰ってくるつもりであると表明してはいるものの、2019年のシトロエンへの支援を休止することになった。
■絶対王者復活! セバスチャン・ローブ、5年半ぶりWRC優勝。通算79勝目
シトロエンは、11月27日(火)からポルトガルでテストを実施していたが、そのテスト途中からアブダビのロゴが車体から消されている。
セバスチャン・オジェのシトロエン加入に伴いレッドブルがスポンサーとなる可能性はあるものの、今季は部分的に3台目のマシンを運用していたシトロエンがアブダビの資金が失ったことで、来季はオジェとエサペッカ・ラッピ(トヨタから移籍)の2台体制となるとの見方が強い。
つまりマニュファクチャラーズチャンピオンシップにおいて、3台体制のトヨタやヒュンダイ、M-スポーツに対抗するのはますます難しくなってくる。
さらには今季シトロエンからスポット参戦し、カタルニアで5年半ぶりの優勝を飾ったローブがWRCにフル参戦復帰する道も絶たれることになるだろう。
ローブは、来年1月のダカール・ラリーにプジョー3008DKRで参戦するが、それ以外に来季の契約はないようだ。
「現時点で私は何も(契約を)持っておらず、どんなカテゴリーのどんなチームとも話し合いをすることができる」と、彼はmotorsport.comに語った。
今季シトロエンでWRCを戦っていたマッズ・オストベルグとクレイグ・ブリーンも、路頭に迷うことになる。オストベルグは、アブダビの資金がなくなったことにより、2019年のシートを失ったことを認めた。
当初はスポット参戦だったオストベルグだが、クリス・ミークがチームから放出されたため、セカンドドライバーに昇格。計8戦に起用された。しかしミークはトヨタのシートを獲得し、2019年はWRCフル参戦。対してオストベルグはシートを失うという皮肉な結果となってしまった。
オストベルグは自身のフェイスブックページに、次のように投稿した。
「みなさんご存知のように、シトロエン・レーシングは来年のチャンピオンシップに2台だけで挑むことを決めた。3台目のマシンがなくなり、僕がWRCに参戦するための最後の選択肢は消えてしまった」
「今は本当に残念だし、がっかりしている。チームをホームのように感じていたし、チームとして前進できていたことに満足していたんだ」
「2018シーズン、シトロエンで僕によくしてくれた人々に感謝する。当初は1戦だけの予定でスタートしたけど、最終的には8戦も戦った。今は再びシートベルトを締めて戦えるようになるための時間。以前も経験があるけど、また同じことをするだけだ!」
「僕には様々な可能性があるけど、もちろん僕の心はWRCに向いている」
まだヒュンダイとM-スポーツはドライバーラインアップを確定させていない状態であり、ブリーンはその候補に残っているようだ。
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