日本人では吉原大二郎選手が11番手出走
初開催から106年目、ついに100回目の記念大会をパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。アメリカコロラド州にあるパイクスピークという標高4301mの山を舞台に、誰がこの山を一番速く駆けあがることができるかを競うヒルクライムイベントである。スタート地点の標高が2862m、そしてゴールまでの約20kmのコースで1439mの標高差を駆けあがることとなる。
第100回の記念すべき「パイクスピーク」に大井貴之選手が参戦! 日産リーフe+改の気になる中身とは
コースには156個のコーナーがあり、なかにはつづら折りのようなレイアウトもあって、マシンはもちろんドライバーにとっても過酷な状況下でのレースとなる。ちなみにコースは全面舗装されており、スリックタイヤを装着してアタックする車両もいる。
この世界で2番目に歴史のある伝統のレース予選は、練習走行で分けられた3ブロックの内、一番長い距離を走るロアセクションでのベストタイムで決定される。エントラントはクラスによって3つのグループに分けられており、各練習日の走行セクションを順に回る形となる。6月21日(火)は「タイムアタック1」と「ポルシェ・パイクスピーク・トロフィ」。22日(水)は「アンリミテッド」と「エキシビジョン」、23日(木)が「オープンホイール」と「パイクスピーク・オープン」という順番で各クラスが予選を行った。
気合の入ったドライバーたちが本気アタック
100回記念大会ということもあってか、この予選セッションでは気合が入ったのか多くの車両が攻めた結果、コースアウトやトラブルが散見できた。それでも天候に恵まれたこともあり、練習走行&予選の3日間滞りなく行われ、出走順が発表されている。この出走順は、レース当日のアタックの開始順を指す。基本的にはタイムの良い順となるが、まず「エキシビジョン」クラスと「ポルシェ・パイクスピーク・トロフィ」の2クラスがタイムの遅い順に出走し、その後、全参加者から予選タイムの速い順にランオーダーが組まれている。
今回もっとも速かったのは、ロビン・シュート選手(#49 2018年式Wolf TSC-FS/Unlimited/3分24秒519)となった。コース短縮となった昨年の大会の覇者で、2019年にも総合優勝を果たしている選手だ。2番手にコーディ・ワショルツ選手(#18 2013年式Ford Open/Open Wheel/3分47秒825)、3番手にリース・ミレン選手(#67 2016年式E-Motion Porsche GT3R TT/Pikes Peak Open/3分48秒079)とベテランアタッカーが並ぶ。
日本人ドライバーも果敢に攻める!
日本から参戦しているチーム「SAMURAI SPEED」の#234日産リーフe+改を走らせる大井貴之選手(アンリミテッドクラス/5分05秒511)は、若干トラブルの出ている車両と格闘しながらも「最高にチャレンジングで、最高に気持ち良いコースです。本番の日曜日は天気が崩れる予報が出ていますが、精一杯このチャレンジを楽しもうと思います」と、きっちりと予選を走り決勝への切符を手に入れている。ただし、出走順は、66番手とかなり待たされることとなる。
エキシビジョンクラスに参戦しているアメリカ在住日本人ドライバー吉原大二郎選手は4分12秒874という、全体で20番手のタイムを記録。しかし、先に出走するクラスということで、全14台が参加しているエキシビジョンクラス4番手のタイムのため、出走順は11番目に。「今年はカラーリングが大きく変わりましたが、それ以外はほぼ昨年のままです。トラブルが出ないことを願っています」という。
ちなみに注目のロッド・ミレン選手(#1 1998年式トヨタ・タコマ/4分28秒737)は49番目に出走。ケン・ブロック選手はマシンの不調により、今大回の出走は見合わせとなったようだ。
レーススケジュールはこの後、6月24日(金)に任意の練習走行日が設定されており、夕方からは近郊のコロラドスプリングスのダウンタウンで恒例のファンフェスタが開催される。そして100回記念大会のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝は、6月26日(日)午前7時半スタートとなり、全71台が走行をする。
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