フェアレディZ(Z35)を探る試乗
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】妄想ドライブに供したクルマ2台+新型フェアレディZ【比べる】 全115枚
text:Sho Tamura(田村 翔)
2020年11月上旬、日産グローバル本社(神奈川県横浜市西区)の地下駐車場。
「GT-R」「キックスeパワー」「ルークス」など、日産フルラインナップの中から、今回の試乗では「フェアレディZニスモ」(税込651万9700円)と、「スカイライン400R」(562万5400円)の2モデルをチョイスした。
試乗の目的はズバリ、次期フェアレディZ(Z35)の姿を体感的に想像することだ。
併せて、事業のV字回復を目論む日産における、日産ヘリテージの象徴である2モデルから、日産ハイパフォーマンス車の実力を再確認することだ。
先の記事(本稿の前編)で示した通り、日産がオフィシャル・ソーシャルメディアで動画「#フェアレディZプロトタイプに社長の内田が乗ってみた!」(英語:Nissan Z Proto CEO’s test drive)を公開した。
その中で、Z35開発を統括するチーフプロダクトスペシャリスト・田村宏志氏の言葉から、Z35のキーファクターは、V6ツインターボとプラットフォーム(車体)の2点であることが、改めてわかった。
そこで、現行Z(Z34)と、Z35搭載のV6ツインターボとして採用される可能性が高いVR30DDTT型(3リッターV6)の400ps級チューンドエンジンを搭載するスカイライン400Rを乗り比べることにした。
早速、走り出してみよう。
400R、スカイラインのイメージ刷新
まず、スカイライン400Rに乗る。
400Rという名前を意識し、さぞかし凄い走りをイメージする人が多いと思うが……。
走り出して感じるのは、エンジンの存在感よりも、車内の「静かさ」であり、思い通りに動いてくれる「自在感」だ。その上で、エンジンの「メカ感」をしっかりと味わえる。
みなとみらい地区から山手方向へと市街地を流しながら、ワクワクするような気持ちになった。
なにせ「狙い通りのところに、グッと進める」感じなのだ。
クルマ全体が、かっしり、きっちりしている。動き全体に、きつさがない。
筆者(桃田健史)は2000年代初頭、日本で不評だったV35スカイラインがインフィニティG35として北米上陸し、その後V36、現行のV37への流れをアメリカ現地で日産関係者らと意見交換しながら見守ってきた。
インフィニティとして、GやMがQへと統一される経緯も十分に承知している。
そうした中で、FR(後輪駆動車)用の車体であるFMプラットフォームの進化についてもその都度、日米各所で体感してきた。
2010年代入り、ジャーマン3(ダイムラー、BMW、VWグループ)はもとより、トヨタも次世代プラットフォームへの大転換が進む中、正直なところ、日産FMプラットフォームが時代遅れになっていくようにも感じていた……。
400R試乗 Z35の方向性みえた?
400Rでは、電子制御ショックアブソーバーのインテリジェントダイナミックサスペンションの効果が大きい。また、大径ディスクの4輪対抗ピストンブレーキがかっしりとした効きも心地良い。
その上で、最高出力405ps/最大トルク48.4kg-mのV6ツインターボが活きる。
3000-5000rpmのアクセルレスポンスの良さと、トルキーさが、実に使いやすい。
それでも、市街地や高速道路でパワーやトルクに振舞わされるようなイメージはまったくない、落ち着いた大人のハイエンドカーである。
また、当たり前のことだが、400RとGT-Rは、2WDと4WD、またエンジンの違いだけではなく、まったく別の方向性のクルマであることを改めて感じた。
その上で「Z35の乗り味は、これ(400R)に近いのかもしれない」とも思った。
ただし、今回はZ35の本質を感じ取れるようなハードなドライビングを400Rに求めてはいない。
仮に、400Rでサーキットランをさせると、あくまでも推測だが根本的な剛性不足がチラチラと顔を出すのではないだろうか。
これが、田村氏がZ35プロトの走行動画で指摘した「お客さまが期待しているZらしいデザインを維持しながら、ツインターボエンジンを搭載するのは、簡単ではありません。ストロング・ボディコンストラクション(強い車体剛性)も必要です」という言葉につながるのだと思う。
Z34ニスモ乗り換え 単純な話ではない
一方で、Z34ニスモは、純粋なZを感じる1台だ。
当然、乗り味は400Rより硬めだが、専用サスペンションとヤマハ製パフォーマンスダンパーやストラットタワーバーのより、現行プラットフォームの中での「動きの深み」を感じる。
時計の針を少し戻すと、Z34の原型であるZ33の登場時点、開発統括者は、開発のイメージとして「アウトバーンでのポルシェの走り」を引き合いに出した上で、Zの主力市場であるアメリカ人好みのハンドリングに対する調整について語ってくれた。
そうしたZ33が目指したグランドツアラーとして方向性が20年近い熟成を経て、Z34ニスモで集約されているように感じる。
その上で、今回の試乗で感じたように、Z35はZ34に400RのV6ツインターボを単純に載せた状態、そんな2モデルを足して2で割るような話にはならない。
では、Z35はどういったクルマなのか?
1つだけ確かなことは、外観のデザインテイストで強調されているS30という、Zとしての原点回帰は、例えエンジンパワーが圧倒的に違っても、Z35の走りのイメージへと反映されるべきだという点だ。
次は視点を変えて、Z34や400Rを含むスカイラインユーザーはZ35に対してどんなイメ―ジを抱いているのかを、各種データを基に考えてみよう。(後編へ続く)
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みんなのコメント
それでいてMTがちゃんとあるのが素晴らしいと思う。