夜間のロービームや高速道路の居座り追い越し車線など、普段から何気なく行っている運転が、実は交通違反として取り締まりの対象になることがある。「いつもこうしているから大丈夫」と思っていても、道路交通法のルールとは異なるケースは少なくない。今回はドライバーが勘違いしやすい「意外な交通違反」を2つ取り上げ、違反となる理由と正しいルールを解説する。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、写真AC
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ロービームは合法? ハイビームは違反?
「夜はロービームで走るのが当たり前」と思っているドライバーは多い。しかし、道路交通法の考え方は少し異なる。
実は夜間走行では、ハイビーム(走行用前照灯)が基本である。ロービーム(すれ違い用前照灯)は、その名のとおり対向車とすれ違う場合や前走車の直後を走行する場合など、相手を幻惑しないために切り替える灯火なのである。
つまり、「ロービームで走っていること」が違反なのではなく、本来ハイビームを使うべき状況なのに漫然とロービームのまま走行し、安全確認が十分にできていない場合は、安全運転義務違反などに問われる可能性がある。
ハイビームはロービームよりも遠くまで照射できるため、歩行者や自転車を早く発見しやすい。警察庁も夜間の歩行者事故防止のため、街灯が少ない道路では積極的なハイビームの活用を呼び掛けている。
一方で、対向車や前走車がいるにもかかわらずハイビームのまま走行するのも当然NGである。相手の視界を妨げる危険があるため、このような状況では速やかにロービームへ切り替えなければならない。
警察庁はハイビームの積極活用を推奨しているが、一方で対向車や先行車がいる状況ではロービームへ切り替える必要がある。
交通教則では、ロービームの照射距離は約40m、ハイビームは約100m。夜間にハイビームを使用することで、歩行者や自転車をより早く発見できる効果があるとしている。
一方で、対向車や先行車がいるにもかかわらずハイビームのまま走行した場合、「減光等義務違反」となる可能性がある。
過去に警視庁へ確認した際には、「東京都内の市街地では夜間でも明るく、ハイビームは対向車の妨げになる場合があるため、状況に応じた使用が重要」との回答だった。
いずれにしても、対向車や先行車、歩行者、自転車にまぶしさを与えないよう配慮しながら運転することが重要だ。
重要なのは「ハイかローか」ではなく、周囲の状況に応じて適切に切り替えることである。最近はオートハイビーム搭載車も増えているが、万能ではない。歩行者や自転車を認識できない場合もあるため、必要に応じてドライバー自身が切り替える意識を持つことが大切である。
対向車はもちろんだが、歩行者目線でもハイビームは眩しくて迷惑。ハイビームが基本、対向車が来たらロービームに切り替えるという……。法律上、ハイビームは「走行用前照灯」、ロービームは「すれ違い用前照灯」と位置付けられている点についても、なんとももどかしいというか……。
蛇足になるが、オートライトが義務化されたため、駐停車中もエンジンをかけっぱなしにして無遠慮にライトを照らし続けるクルマが最近多い。これもやめてほしいと思うのだが……。
■減光等義務違反:違反点数1点、反則金6000円(普通車)
高速道路で追い越し車線を走り続ける
続いては、後続車が追い越し車線に居座り続けるクルマにピタッとついている状況を見かけることも多くなってきた。
しかし、これはれっきとした交通違反である。
高速道路では左側の走行車線を走ることが原則であり、追い越し車線は前方車両を追い越すための一時的な車線である。追い越しが終わったら速やかに走行車線へ戻らなければならない。
追い越し車線を漫然と走り続けると、「車両通行帯違反」として取り締まりを受ける可能性がある。普通車の場合は違反点数1点、反則金6000円となる。
しかし金額の問題だけでなく、後続車の渋滞・ストレス・事故誘発につながる重大なリスク。警察庁によれば、2023年の通行帯違反による検挙は約3万件。高速道路での秩序を守るうえで見逃せない違反だ。
では具体的に追い越し車線をどれくらいの時間走り続けると違反になるのか、ということについては、警察の取り締まりでは、その目安を2km程度としているようだ。すなわち、高速道路を100km/hで走行している場合は、時間にして1分12秒追い越し車線を走り続けると取り締まりの対象となることになる。
繰り返しになるが、法定速度で走っていると言い張っても、無駄。追い越し車線を走り続けること自体が、違反なのである。
重要なのは、追い越しの目的が終わっているにもかかわらず、そのまま追い越し車線を走り続けているかどうかである。走行車線が十分空いているにもかかわらず戻らない場合は、取り締まりの対象となる可能性が高くなる。
また、追い越し車線を占有すると、後続車の通行を妨げるだけでなく、あおり運転など不要なトラブルを誘発する原因にもなりかねない。
高速道路では「追い越したら戻る」という基本ルールを徹底するだけで、安全性も交通の流れも大きく改善する。ベテランドライバーほど「昔からこう走っている」という思い込みを捨て、一度ルールを見直してみることが、安全運転への第一歩である。
では、居座り続けるクルマの後続車はどうしたらいいか? 後続車が進路を譲ってほしいときに昔使っているのを見かけたパッシングや右ウインカーだが、いまではほとんど見かけることはなくなった。
警察庁は「短時間・軽度な点滅は意思表示として有効」としているが、連続的・執拗な点滅や車間詰めはあおり運転防止法(妨害運転罪)の対象になり得る。
2020年に施行された改正道路交通法(いわゆるあおり運転防止法)では、著しい接近や不必要なパッシング・クラクションなど10類型の妨害運転が新たに規定された。居座りドライバーに対する過剰な抗議は、逆に自分が処罰対象になる危険がある。
国交省の啓発資料でも「追い越し後は速やかに左車線へ戻り、後続車が接近したら譲ること」と明記されており、意思表示をする側も安全な距離と方法を守る必要があるので注意が必要だ。
■通行帯区分違反:違反点数1点、反則金6000円(普通車)
もし、追い越し車線を居座り続ける、そんな心当たりのあるドライバーの方がいたら、ぜひ以下の提言を読んでほしい。
・「右に出たら、必ず戻る」を口癖に
追い越しが完了したら3回呼吸以内にウインカー→ミラー→目視で左へ。
・ACC使用時は“戻る”も自分の仕事
追従はシステム、レーン選択はあなた。
・合流や大型車が続く区間こそ“戻る練習”
左が混んでいても、戻る→少し走る→再度右で追い越すの繰り返しが交通全体の円滑性を高める。
・速度計だけでなく“後方”を定期に見る
ミラーは10~15秒に1回が目安。
以上、いかがだっただろうか? 今後、追い越し車線を低速で走り続けるドライバーがいなくなることを期待してやみません。
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みんなのコメント
ハイビームにしたから、事故が防げる訳では無い。
ハイビームで見えてるつもりになって、飛ばしたら何の意味もない。
見えないなら見えないなりの速度で走行する事が、事故を未然に防ぐのである。
しかもこういった輩は、自転車を車両だと思っていないし、歩行者に対してもハイビームを延々照射し続ける。
法律がどうかなんて関係ない。
見えないなら、減速しろ。
迷惑をかけるな、ただそれだけだ。
夜の前照灯は上向きが基本とか、スピードを落とせば安全かつエコドライブといった呼びかけを鵜呑みにするドライバーの意識のなさが、それらのような問題を生む。