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ただの飾りじゃない? ボンネットにエアダクトがある車5選

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ただの飾りじゃない? ボンネットにエアダクトがある車5選

■ボンネットにエアダクトを装備したクルマを振り返る

 一般的にハイパワーなエンジンを搭載したモデルは、見た目も速そうなデザインを採用しています。

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 たとえば、スポーツカーならば空気抵抗が少なそうなウェッジシェイプになっていたり、高性能セダンではエアロパーツが装着されるなど、外観からも高性能さがうかがえるでしょう。

 また、高性能なグレードで、とくにターボエンジンを搭載している場合、ボンネットにエアダクトが設置され、見た目の迫力とともに機能的にも活用しています。

 こうしたダクトはもともとレーシングカーで実施され、後に市販車でも採用されるようになりました。

 そこで、迫力を醸すようにボンネットにエアダクトがあるクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●スバル「インプレッサWRX STI」

 1989年にスバル初代「レガシィ」が発売されると、高性能なグレードには2リッター水平対向4気筒DOHCターボエンジン「EJ20型」が搭載されました。

 この初代レガシィではエンジンの上部にインタークーラーが装着されていたことから、ボンネットに導風用の小ぶりなエアダクトが設置されています。

 その後、EJ20型ターボはスバルを代表する高性能エンジンとして、ほかのモデルにも搭載されるようになり、その代表的なクルマが「インプレッサWRX」です。

 なかでも、第2世代の「インプレッサWRX STI」には、大型のエアダクトが採用されており、一見するとかなりの空気抵抗になりそうなほどです。

 このエアダクトから入った空気はインタークーラーへと導かれますが、さらにインタークーラーの効果を高めるため「インタークーラー・ウォータースプレー」が装着されています。

 インタークーラーはターボチャージャーで圧縮した空気の温度を下げることで、空気密度を高める効果があり、インタークーラー・ウォータースプレーは文字どおり水をインタークーラーに噴射して、さらに温度を下げるというものです。

 そのため多少の空気抵抗は犠牲にしても、インプレッサWRX STIではより大型のエアダクトが装着されたということです。

●ホンダ「シビック タイプR」

 現行モデルのホンダ「シビック タイプR」は2017年に登場した5代目にあたります。そのひとつ前の4代目から2リッター直列4気筒DOHC VTECターボエンジンが搭載されました。

 この5代目シビック タイプRでは、ボンネット後部にエアダクトが設置されていますが、前出のインプレッサWRX STIとは機能が異なります。

 というのも、シビック タイプRのインタークーラーはフロントバンパー内に収められており、走行風が直接当たるようになっているためです。

 では、シビック タイプRのエアダクトはなぜ必要なのかというと、ボンネット内の熱気を排出するためです。

 フロントまわりから導入された空気はラジエーターやインタークーラーで暖められており、エンジンルーム内はエンジン本体の発熱やターボチャージャー、エキゾーストマニホールドなどの熱源もあるため、さらにボンネット内の温度が上昇してしまいます。

 そうなるとエンジン本体の冷却だけでなく、補機類やブレーキフルードなどにも熱による影響が起きかねないため、エアダクトからフレッシュな空気を積極的に導入することで、熱気をフロアに沿って排出するという機能を実現しているのです。

 なお、シビック タイプでは同時にフロントバンパー下部からも空気を流し、より効果的に熱気の排出をおこなっています。

●ダイハツ「ブーンX4」

 かつて、ダイハツはラリーやダートトライアルなどのモータースポーツ参加を、積極的に参加・サポートしていました。

 そのための競技車両として「ミラX4」や「ストーリアX4」を開発し、2006年には最後のモータースポーツベース車となる「ブーンX4」を発売。

 ブーンX4は、トヨタと共同開発したベーシックなコンパクトカーである初代ブーンをベースに、クラストップの最高出力133馬力を誇る936ccの直列4気筒DOHCターボを搭載。駆動方式はフルタイム4WDを採用していました。

 このブーンX4はさほど派手なエアロパーツは装着されていませんが、ひと際目立つのがボンネットのエアダクトです。

 このエアダクトはやはりインタークーラーへの導風が最大の目的ですが、何よりも平凡なコンパクトカーを見た目にも戦闘的なマシンへと変貌させる重要なアイテムとなっています。

 かつては日産「マーチR」でもエアダクトが装備されていますが、ブーンX4はかなり大型で、より迫力ある印象です。

■「セリカ」のエアダクトはかなりユニーク?

●日産「スカイラインGT-R」

 1989年に誕生した日産「R32型 スカイラインGT-R」は、レースに勝つことを目的に開発された生粋のスポーツモデルです。

 実際に1990年シーズンから市販車をベースとした「グループA」カテゴリーで戦うツーリングカーレースに参戦すると、無敵を誇りました。

 そして、1995年にはR33型、1999年にはR34型が登場。このスカイラインGT-Rとしては最終モデルとなったR34型では、2000年に「VスペックII」を追加ラインナップし、量産モデルでは国内初のカーボン製ボンネットが採用されました。

 このボンネットには通称「NACAダクト」が装着されています。

 NACAとはアメリカ航空諮問委員会:National Advisory Committee for Aeronauticsという組織の略で、NASAの前身にあたり、第二次世界大戦以前から航空機の研究をおこなっていて、とくに翼の断面形状の研究などが有名です。

 このNACAが開発したダクトがNACAダクトと呼ばれ、航空機で盛んに使われてきました。

 NACAダクトは「お好み焼きのヘラ」のような形の穴で、ボディ表面の突起をつくることなく導風が可能なことから、空気抵抗を最小限に留めるというメリットがあります。

 R34型の場合はターボチャージャー(ツインターボ)の近くに設置されており、導風することで過度の温度上昇を抑制する効果がありました。

 なお、リアミッドシップのスーパーカーではボディサイドに大型のNACAダクトを設置し、ラジエーターやオイルクーラー、インタークーラーへの導風に使われました。

●トヨタ「セリカ GT-FOUR RC」

 1970年に誕生したトヨタ初代「セリカ」は、スペシャリティカーを手軽な価格で買えるようにした記念すべきモデルといえます。

 その後代を重ね、1985年に登場した4代目ではシリーズ初の高性能な4WDマシン「GT-FOUR」をラインナップしました。

 1986年に追加設定されたGT-FOURは、最高出力185馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボエンジンと、センターデフ式フルタイム4WDシステムを搭載し、ラリーでも活躍。

 そして、さらに戦闘力をアップさせるために、5代目ではホモロゲーションモデルとして「GT-FOUR RC」が限定販売されました。

 このGT-FOUR RCのボンネットにはふたつのエアダクトが装着され、ひとつはフロントバンパーから導風した空気を上方に排出する目的で、もうひとつの丸い小さなエアダクトは、タイミングベルト周辺にフレッシュエアを導入するものでした。

 タイミングベルトはカムシャフトを駆動するための重要なパーツですが、カバーが装着されていても外気に触れる構造です。そのため周辺の温度の影響を受けるため、GT-FOUR RCでは積極的に冷却をおこなうことから、エアダクトが採用されました。

 当然ながら公道では必要ないのですが、ラリーで戦う上では冷却が必要だったということでしょう。なかなかユニークな発想でした。

※ ※ ※

 本来、ボンネットはツルッとしているものですが、エアダクトがあるだけで一気に高性能車であることをアピールできます。

 公道走行のレベルではあまり効果が期待できないものもありますが、視覚的にも重要なアイテムだということでしょう。

 エアロパーツも同様ですが、やはり見た目にも速そうな印象を与えるには、必要なパーツといえます。

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