現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則395】クライスラー グランドボイジャーには国産ミニバンにはない新しい世界観があった

ここから本文です

【ヒットの法則395】クライスラー グランドボイジャーには国産ミニバンにはない新しい世界観があった

掲載 更新
【ヒットの法則395】クライスラー グランドボイジャーには国産ミニバンにはない新しい世界観があった

2007年秋、フランクフルトモーターショーでグランドボイジャーがフルモデルチェンジしてデビューした。両側スライドドアの3列シートというパッケージを持つ「元祖ミニバン」はどのような評価を受けたのか。今回はスペイン・バルセロナで行なわれたグランドボイジャーの国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年2月号より)

快適性を高めることに大きなエネルギーが注がれた
クライスラーが新型グランドボイジャーの発表の場としてフランクフルトショーを選んだのは、アメリカ本国でミニバンの需要が冷え込んできた一方で、ヨーロッパ市場が以前にも増して重要となりつつあるからだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

これまでもグランドボイジャーは彼の地においてアメリカ車としては十分メジャーな存在だったが、最近ではマーケットの拡大を受けて、このカテゴリーにも地元のライバルが進出してきている。元祖ミニバンはここをデビューの舞台に選ぶことで、挑戦を受けて立つことを宣言した、というところだろうか。

そんな新型グランドボイジャー、スタイリングはこれまでの曲線基調からスッキリとした面と線で構成されたクリーンな印象のものへと変貌を遂げている。

スペイン・バルセロナで行なわれたプレス向け試乗会におけるプレゼンテーションでは、高めのウエストラインと天地に薄いサイドウインドウの比率などの点で、300Cとのモチーフの共通性が謳われていたが、それを言うにはディテールを含め、ちょっとアッサリし過ぎという気もしないではない。

しかし、そのスタイリングは単に見た目の方向性を変えるためのものではないようだ。強調されていたのはルーフの幅を実に150mmも拡大したということ。全長5143×全幅1954×全高1750mmというサイズは、実は全幅に関しては現行型よりも小さいのだが、こうしてルーフの幅を広げ、サイド面を立ち気味としたボディとすることで、室内空間の余裕を大幅に向上させているのである。

空力性能の改善も新しいフォルムのキーとなる要素だ。これは走行性能や燃費はもちろん、風切り音の低減にも繋がる。そのほかボディ剛性の向上によるNVH性能の改善、遮音の徹底なども実施。さらにリーフリジッドだったリアサスペンションも、ついにコイルスプリング仕様のツイストビーム式へと改められている。そんな具合でこの新型グランドボイジャー、快適性を高めることに大きなエネルギーが注がれているわけだ。

Stow'n GoとSwivel'n Go、2つのシートシステムを設定
実際、その効果はしっかり感じることができた。室内はいかにも広々。柔らかな座面のシートはサイズも更に大きくなっているようで、とても寛げる。

2列目はシート自体の剛性不足か、ややブルブルとした感触を伝えるものの、やはり快適そのものだ。さらに3列目も、2列目のスライドを最後方にさえしなければ、ゆったりという言葉を使えるほどの空間が確保される。横方向の余裕はここでも顕著で、3人掛けも苦にならなそう。サイドウインドウ上端あたりのトリムが張り出し気味なのは気になるが、カーテンエアバッグ付きと考えれば、まあ納得である。

ちなみにシートに関しては、先代途中から採用された2/3列目シートをすべて床下に収めフラットで広大な荷室を生み出す「Stow'n Go」に加え、2列目を回転させ3列目と対座できる「Swivel'n Go」も設定。日本には両方が入ってくるようだ。

乗り心地はアメリカのミニバンらしく至極穏やかなもの。しかし骨格はカッチリしていて、それが大きな安心感に繋がってもいる。ピシッとしているが大らか。そんな味付けだ。時おりの大入力の受け止め方にはまだ安っぽさもあるが、まあ敢えてあげつらうほどではないだろう。

直進時の手応えこそ甘めだが、ステアリングも十分に正確。速度域を問わずリラックスして走ることできる。

排気量を3.3Lから3.8Lに拡大し、6速ATと組み合わされたV型6気筒OHVユニットも、そうした走りによくマッチしている。さほどパワフルとは感じられないが、低回転域から程良く出ているトルクを6速ATがうまく引き出してくれるのだ。ATの多段化によって100km/h時のエンジン回転数はわずか1650rpm程と低く、それも静粛性の向上に一役買っている。

乗っても乗せられてもゆったり寛げるグランドボイジャー特有の個性はそのままに、ハードウエアの完成度をキッチリ高めてきた新型は、日本にも数多い歴代モデルの愛用者にとって買い替える理由が十分あるのはもちろん、国産ミニバンの頂点に行き着いてしまって、次の選択肢に悩んでいるユーザーのハートにも響く内容を備えていると断言できる。

外観同様、クリーンで明るい印象のトリムや間接照明まで用いた空間演出、電動折り畳み式の3列目シートにパワースライド式のスライドドアやリアゲート等々、装備の面でもヒケを取る部分は皆無だ。

2008年は王者トヨタ アルファードのフルモデルチェンジも控えているが、新しい世界を体験したいと思うなら、新型グランドボイジャーは一考の価値がある。日本導入は春から夏頃になる予定である。(文:島下泰久/Motor Magazine 2008年2月号より)



クライスラー グランドボイジャー リミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:5143×1954×1750mm
●ホイールベース:3078mm
●車両重量:2025kg(EU)
●エンジン:V6OHV
●排気量:3778cc
●最高出力:193ps/5200rpm
●最大トルク:305Nm/4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速AT
※欧州仕様

[ アルバム : クライスラー グランドボイジャー はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Motor Magazine編集部
【キャンペーン】お得に給油!第1・3金土日はガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

「世界で戦いたい気持ちが強くなった」佐藤こころと松井沙麗がF1アカデミールーキーテストで感じた手応えと課題
「世界で戦いたい気持ちが強くなった」佐藤こころと松井沙麗がF1アカデミールーキーテストで感じた手応えと課題
AUTOSPORT web
デビュー21年後にまさかの「豪華化」! 異例の改造を経た近鉄の“桜色特急”の上級座席に乗った
デビュー21年後にまさかの「豪華化」! 異例の改造を経た近鉄の“桜色特急”の上級座席に乗った
乗りものニュース
8600回転まで回るNAのV8を搭載。約4000通りから選べるシボレー コルベット Z06
8600回転まで回るNAのV8を搭載。約4000通りから選べるシボレー コルベット Z06
Auto Messe Web
だから「低速重視でゴテゴテ」なほどイイ 知られざる「農業用バイク」の系譜 じつはメガヒット車種のルーツ!?
だから「低速重視でゴテゴテ」なほどイイ 知られざる「農業用バイク」の系譜 じつはメガヒット車種のルーツ!?
乗りものニュース
ホワイトレターのオプカンとレトロホイールで彩る。チャラン・ポ・ランタンもものグランカングー
ホワイトレターのオプカンとレトロホイールで彩る。チャラン・ポ・ランタンもものグランカングー
Auto Messe Web
人身事故ワースト1の浜松市に「モビリティ」で解決策を、損保ジャパンとスズキが「やらまいか」連携
人身事故ワースト1の浜松市に「モビリティ」で解決策を、損保ジャパンとスズキが「やらまいか」連携
レスポンス
スバルBRZがSUPER GT第6戦SUGOで待望の表彰台! 新エンジンとセットアップ改善が実を結んだ
スバルBRZがSUPER GT第6戦SUGOで待望の表彰台! 新エンジンとセットアップ改善が実を結んだ
WEB CARTOP
アルパインスターズ、秋冬シーズン向けライディングギア2製品を発表…防水・透湿・プロテクションが三位一体
アルパインスターズ、秋冬シーズン向けライディングギア2製品を発表…防水・透湿・プロテクションが三位一体
レスポンス
メルセデスのウルフ代表、連勝レッドブル&フェルスタッペン賞賛「脱帽するしかない」自チームはアップデートで悩みも|F1シンガポールGP
メルセデスのウルフ代表、連勝レッドブル&フェルスタッペン賞賛「脱帽するしかない」自チームはアップデートで悩みも|F1シンガポールGP
motorsport.com 日本版
フェラーリ「VSCでルイスをピットに呼んだが入らず。ミスで表彰台を失った」ハミルトンは「すべて僕の責任」とチームに謝罪
フェラーリ「VSCでルイスをピットに呼んだが入らず。ミスで表彰台を失った」ハミルトンは「すべて僕の責任」とチームに謝罪
AUTOSPORT web
TEAM IMPUL、ザック・オサリバンのスーパーフォーミュラ最終ラウンド欠場を発表。代役はトヨタ育成の鈴木斗輝哉
TEAM IMPUL、ザック・オサリバンのスーパーフォーミュラ最終ラウンド欠場を発表。代役はトヨタ育成の鈴木斗輝哉
motorsport.com 日本版
【MotoGP】ベッツェッキ、インドネシアGP勝利も満足できず「勝利よりも敗北に近い」
【MotoGP】ベッツェッキ、インドネシアGP勝利も満足できず「勝利よりも敗北に近い」
motorsport.com 日本版
広島-鳥取を直結する「ナナメ横断バイパス」どこまでできた? 芸備線と伯備線をショートカット! 最長トンネル貫通もなお課題
広島-鳥取を直結する「ナナメ横断バイパス」どこまでできた? 芸備線と伯備線をショートカット! 最長トンネル貫通もなお課題
乗りものニュース
次期型「ヴェゼル」に新世代ハイブリッド採用へ! ホンダが新システム「Honda Hybrid」を発表 先行公開されたセダン&アキュラSUVとは?
次期型「ヴェゼル」に新世代ハイブリッド採用へ! ホンダが新システム「Honda Hybrid」を発表 先行公開されたセダン&アキュラSUVとは?
VAGUE
TEAM IMPUL、SF第11戦・第12戦鈴鹿で鈴木斗輝哉を起用。オサリバンは富士がSFラストレースに
TEAM IMPUL、SF第11戦・第12戦鈴鹿で鈴木斗輝哉を起用。オサリバンは富士がSFラストレースに
AUTOSPORT web
366台のタイプRが鈴鹿サーキットに集結!『ホンダ・オール・タイプRワールド・ミーティング2026 in鈴鹿』開催【会場写真200枚】
366台のタイプRが鈴鹿サーキットに集結!『ホンダ・オール・タイプRワールド・ミーティング2026 in鈴鹿』開催【会場写真200枚】
AUTOCAR JAPAN
3位アントネッリ、次戦アメリカGPでの戴冠の可能性が浮上し「え、ほんとに!?」
3位アントネッリ、次戦アメリカGPでの戴冠の可能性が浮上し「え、ほんとに!?」
motorsport.com 日本版
新型トヨタ『セリカ』、2.0ターボ+4WDで復活か…全貌に近づく
新型トヨタ『セリカ』、2.0ターボ+4WDで復活か…全貌に近づく
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

395 . 9万円 ~ 503 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

129 . 8万円 ~ 129 . 8万円

中古車を検索
クライスラー グランドボイジャーの買取価格・査定相場を調べる

全国のクライスラー グランドボイジャー中古車一覧 (1件)

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

395 . 9万円 ~ 503 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

129 . 8万円 ~ 129 . 8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村