現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > リアに2ストロークエンジンを搭載!ニッポンの軽自動車が求めた性能とは

ここから本文です

リアに2ストロークエンジンを搭載!ニッポンの軽自動車が求めた性能とは

掲載 更新 13
リアに2ストロークエンジンを搭載!ニッポンの軽自動車が求めた性能とは

エンジンの大変革を経た軽自動車

 税金、保険、ランニングコストと維持費が安く、車体サイズもコンパクトであることから、軽自動車は日本独自の車両規格として多くの人に重宝がられ、親しまれてきた。現代の主流は、660ccのエンジンを使い、スペース効率に優れたFF方式でまとめられている。だが、その歴史を振り返ると、まったく異なる形態をたどってきたことが分かる。軽自動車の進化の流れには敬服するばかりだ。

軽自動車の進化とライバル列伝「5メーカーがしのぎを削りあった名5番勝負」

黎明期から三つ巴のスズキ、スバル、ホンダ

 軽自動車の発端は、1955年に登場したスズキ・スズライトだった。

 だが、当時の国民車構想に沿ったかたちで要求性能を満たしたのは、富士重工(現スバル)が1958年に作り上げたスバル360だ。求めやすい価格設定とした上で、大人4人が乗れる車内空間、乗員を快適に移動させることができる十分な動力性能と、要求性能の敷居は高かったが、航空機メーカーが母体となる富士重工だけあって、合理設計による高性能、軽量化の技術には幾多の工夫があった。

後部にエンジンを搭載して高い居住性を確保

 そのひとつが、決められたボディサイズを可能な限り有効に使うためのスペースユーティリティ術だった。エンジン/トランスミッションのパワートレーン系を可能な限りコンパクトにレイアウトすることで、その分を乗員の居住空間に振り分けよう。こんな思想が生み出した駆動方式がリアエンジン/リアドライブ(RR)方式だ。ちなみにスズライトはフロントアクスル前にエンジンを積むフロントエンジン/フロントドライブ(FF)方式だった。

 エンジンは、4サイクルより軽量コンパクトで、出力性能でも有利な空冷2サイクル方式を選択。車体も、1グラムでも軽く強く作らなければならない航空機メーカーらしい発想、手法で、たとえば2つの構造部位で3つの機能を受け持つ合理設計で作られていた。こういうところが富士重工の真骨頂だったと言えるだろう。

 パワートレーン系をコンパクトにまとめるという点では、フロントエンジン/フロントドライブ(FF)方式も同じではないか、という見方もある。だが、駆動輪と操舵輪が同じタイヤとなるFF方式の場合、エンジン出力を正確に伝える等速ジョイントが必要で、当時はまだこの技術が未成熟だったのだ。結果的に残る選択肢はRR方式というわけである。

スズキ・フロンテとホンダN360のパワー戦争

 一方、2サイクルエンジン+FF方式で軽自動車の先鞭をつけたスズキは、1967年にRR方式+2サイクル3気筒エンジンによる2代目フロンテを発表。

 4サイクル直列6気筒並みのスムーズさを持つといわれたエンジンは、出力特性の面でも圧倒的に有利で、1968年には3キャブレター方式による36psのフロンテSSを追加した。

 4サイクルエンジン+FF方式ながら、お家芸の高出力性能を売り物に成功したホンダN360と性能競争を繰り広げることになったのである。

 構成部品点数が少なく、軽量コンパクトかつ高出力性を身上とする2サイクルエンジンだったが、1970年代に入り排出ガス公害が問題視されるようになると次第に勢いを失っていった。

 安定した燃焼管理が難しかった空冷方式は水冷方式に改められ、駆動方式もFF方式の技術が進化。軽自動車における2サイクルエンジンとRR方式の組み合わせは、1970年代中盤を迎える頃には、4サイクルエンジン+FF方式に取って代わられることになった。

こんな記事も読まれています

納車1~2か月後の悲劇! テスラEV「サイバートラック」のボディに、突如「オレンジ色の斑点」が現れ始めたワケ
納車1~2か月後の悲劇! テスラEV「サイバートラック」のボディに、突如「オレンジ色の斑点」が現れ始めたワケ
Merkmal
トヨタ新型「FJクルーザー」!? 復活待望の「ラダーフレームSUV」! 丸目&タフデザインは継続な「次期型モデル」予想CGがスゴイ
トヨタ新型「FJクルーザー」!? 復活待望の「ラダーフレームSUV」! 丸目&タフデザインは継続な「次期型モデル」予想CGがスゴイ
くるまのニュース
トラックリミット違反でラップタイム抹消……なしよ! ノリスのスプリント予選ポールラップが復活した理由
トラックリミット違反でラップタイム抹消……なしよ! ノリスのスプリント予選ポールラップが復活した理由
motorsport.com 日本版
ブリッツの「テレビナビジャンパー」にトヨタ/ダイハツ、ホンダのディーラーオプションナビの適合が追加
ブリッツの「テレビナビジャンパー」にトヨタ/ダイハツ、ホンダのディーラーオプションナビの適合が追加
レスポンス
F1第5戦木曜会見:「勝つための要素が揃ってきている」アストンマーティンと“最後の契約”を結んだアロンソ。決断に満足
F1第5戦木曜会見:「勝つための要素が揃ってきている」アストンマーティンと“最後の契約”を結んだアロンソ。決断に満足
AUTOSPORT web
GWに行きたい遊べる「道の駅」ランキング、3位香川・小豆島オリーブ公園、2位愛媛・虹の森公園まつの、1位は?
GWに行きたい遊べる「道の駅」ランキング、3位香川・小豆島オリーブ公園、2位愛媛・虹の森公園まつの、1位は?
@DIME
ヤマハ「XSR900GP」 往年のGPマシンを彷彿とさせるヘリテージモデルを5月20日に発売
ヤマハ「XSR900GP」 往年のGPマシンを彷彿とさせるヘリテージモデルを5月20日に発売
バイクのニュース
F1中国GPの”ペイント”路面処理、FIAは把握もチームやピレリに知らされず「現地入りして驚いた」
F1中国GPの”ペイント”路面処理、FIAは把握もチームやピレリに知らされず「現地入りして驚いた」
motorsport.com 日本版
車に付いた「花粉」汚れ そのまま“放置”は絶対NG!? きれいなボディに悪影響与えることも… 早めに手入れしたい理由とは
車に付いた「花粉」汚れ そのまま“放置”は絶対NG!? きれいなボディに悪影響与えることも… 早めに手入れしたい理由とは
くるまのニュース
【2024年スーパー耐久をイチから学ぶ】プロとアマチュアの共闘。自動車メーカーも集う日本最大の参加型モータースポーツ
【2024年スーパー耐久をイチから学ぶ】プロとアマチュアの共闘。自動車メーカーも集う日本最大の参加型モータースポーツ
AUTOSPORT web
F1参戦を目指すアンドレッティ、今後数週間のうちにドメニカリCEOや経営陣らとの“重要な”ミーティングを実施へ
F1参戦を目指すアンドレッティ、今後数週間のうちにドメニカリCEOや経営陣らとの“重要な”ミーティングを実施へ
AUTOSPORT web
「どこへでも行き どこででも眠れる」!?  トヨタ新型「ランドクルーザー250」に専用の車中泊ベッドキットが早くも登場!
「どこへでも行き どこででも眠れる」!? トヨタ新型「ランドクルーザー250」に専用の車中泊ベッドキットが早くも登場!
VAGUE
ヘルメットのシールドの曇りは、中性洗剤で解消できる!
ヘルメットのシールドの曇りは、中性洗剤で解消できる!
バイクのニュース
ボルボが超本気出してきた!! 最小クロスオーバー「ボルボEX30」に期待しかない!!
ボルボが超本気出してきた!! 最小クロスオーバー「ボルボEX30」に期待しかない!!
ベストカーWeb
メジャーリーガーは1200人なのにF1はたった20人! 「なるだけ」でも「超狭き門」の世界だった
メジャーリーガーは1200人なのにF1はたった20人! 「なるだけ」でも「超狭き門」の世界だった
WEB CARTOP
日産、北京モーターショー2024にNEVコンセプトカーを複数出展
日産、北京モーターショー2024にNEVコンセプトカーを複数出展
日刊自動車新聞
5速MTあり! スズキが新型「軽トラック」初公開! “商用モデル”超えた斬新カラー「デニムブルー」も採用! 軽トラ「新型キャリイ」発表
5速MTあり! スズキが新型「軽トラック」初公開! “商用モデル”超えた斬新カラー「デニムブルー」も採用! 軽トラ「新型キャリイ」発表
くるまのニュース
レッドブルF1のエイドリアン・ニューウェイにフェラーリとアストンマーティンが高額オファーか
レッドブルF1のエイドリアン・ニューウェイにフェラーリとアストンマーティンが高額オファーか
AUTOSPORT web

みんなのコメント

13件
  • たまにコンビニとかで
    2ストの軽自動車を見掛けるけど、
    さすがに本人に面と向かって言えないので
    この場を借りて「イイね」
  • ニッポンの軽自動車が求めた性能とは、やはり当時の小型、普通乗用車並みに走れることだったと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村