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【誉れ高き血統】デリカD:5の唯我独尊。遊びの達人が選ぶ、ミニバンの広い室内とクロカン4WDのタフさの融合車

掲載 更新 12
【誉れ高き血統】デリカD:5の唯我独尊。遊びの達人が選ぶ、ミニバンの広い室内とクロカン4WDのタフさの融合車

デリカは1968年誕生。4WDは1982年に追加

 荷物を運ぶクルマ(=デリバリーカー)を意味する“デリカ”というネーミングは、いまでは三菱のミニバン・シリーズの総称となっている。中心モデルとなるD:5の呼称は、当初は5代目のデリカという意味で名付けられた。のちに“5”はミニバン・シリーズにおけるラージサイズ・カテゴリーを示す意味合いも付与されている。
 参考までに他に“デリカ”と付く車種は、D:2(スズキ・ソリオのOEM車)と、D:3(日産NV200のOEM車、2019年に終了)。最新モデルとして、Kカー規格の人気者、デリカミニがある。

「令和時代のドライビングカー」行動派ユーザーがデリカD:5をファーストカーに選ぶ理由

 デリカD:5は、ミニバンとクロカン4WDの両面を兼ね備えた、世界的にも稀有なキャラクターの持ち主だ。その“オールラウンダー”ぶりが支持され、根強い人気を誇っている。デリカの車名が初めて使われたのは、1968年発売の小型キャブオーバートラック、翌年にはワンボックス型のライトバンとワゴン(コーチ)が登場した。

 1979年にフルチェンジし、ワゴン系はデリカスターワゴンとなり、1982年のマイナーチェンジで他社に先駆けて4WDを追加したことが、ひとつの転機となった。4WDはフォルテという小型ピックアップのシャシーにデリカのボディを組み合わせていた。大径タイヤを履き最低地上高を高くしたルックスは、他にはない斬新な雰囲気を発散。これが現在のD:5につながる源流といえる。

 1982年といえば、初代パジェロが登場して予想をはるかに超える成功を収め、RVブームに火をつけた時期である。一方で三菱が乗用車においても4WDとターボのフルライン化を進めていた時期とも重なる。そんな中で、乗用タイプのワンボックス車を4WD化し、視覚的にもそれを強調するという独創性を早くも提示したわけだ。もちろん、その4WDメカにはパジェロの技術が投入されていた。

 1986年に3代目に移行。従来のイメージを継承しつつも角ばったスタイルからやや丸みを帯びた容姿となり、内容的にも現代的に進化した。1994年にスペースギアが登場してからも、1999年まで現役を務めた。

 4代目スペースギアは、2代目パジェロをベースとする日本初のフロントエンジン・ハイルーフミニバンだった。パジェロ譲りの4WDシステムによる優れた悪路走破性が強みで、スーパーセレクト4WDを搭載していた。重心高が高く、舗装路での走りはやや心もとない印象があったが、ミニバンとクロカン4WDの融合を、これほどストレートに実現した例は世界的にも稀有だった。スペースギアのモデルライフは約13年にわたった。

D:5は、唯一無二の4WDミニバンとして実に魅力的

 2007年、満を持してD:5が登場する。D:5は、アウトランダーなどと共通のエンジン横置き前輪駆動ベースの新規プラットフォームを採用。一気にモダンに変身した。新開発の4WDシステムの実力は高く、全高が低くなっても最低地上高は増し、持ち前の優れた悪路走破性をしっかり受け継いでいた。三菱のルーツでもある航空機のノウハウを活かしたリブボーンフレームの採用も効いて高いボディ剛性を実現。自動車アセスメントの衝突安全性能試験総合評価では最高の6スターを獲得したことも特筆できる。

 D:5の魅力は、伝統のオフロード性能をキープしながら、舗装路におけるドライバビリティが、素晴らしく洗練されていた点だった。ミニバンならではの広い室内空間、道を選ばない走破性、そしてスマートなオンロード性能がバランスし、唯一無二の存在になった。

 D:5の価値は、2019年の大改良でさらに揺るぎないものになった。三菱車で初となる尿素SCRシステムの採用をはじめ多くの構成部品を変更した2.3リッターディーゼルと、新開発8速ATとの組み合わせで、格段にスムーズな走りに変化したことに、まず驚いた。車体剛性の向上をはじめ足回りやステアリングなどの改良が効いて、フットワーク、そして快適性と操縦性が大幅に向上した。もともと他社のミニバンと比べても3列目の乗り心地はいいと感じていたが、居住性も各部が改良されたことで一段と際立った。
 悪路走破性能もさすがだった。システムの進化により従来以上に路面を確実に捉え、安心感を高めていた。

 個性的なフロントマスクこそ物議を醸かもしたが、それも一瞬。デリカの新たな記号として、好意的に受け取られるようになるまであまり時間を要しなかった。現行型は、質感とプレステージ性にこだわったインテリアの雰囲気もあり、これまでの武骨さはなりをひそめ、洗練という価値を身につけた。キルティング柄のシートは見た目も座り心地も上々だ。先進安全運転支援系も一気にアップデートされたのもポイントだった。

 持ち前の独自性をそのままに、進化と洗練を重ねてきたデリカ
 D:5は、登場から時間が経過しているにもかかわらず、販売台数は増加傾向にある。ミニバンはいくつもあるが、デリカD:5の骨太な世界観はブレることはない。

【ルーツ物語】全身タフ! パジェロ譲りの強靭なメカニズムが自慢だった

 初代デリカのデビューは1968年7月。まずトラックが登場し、翌年にボディ左側にスライドドアを設けた1BOXタイプのコーチ(9名乗り乗用ワゴン)とライトバン&ルートバン(商用車)を発売した。車名のデリカ(Delica)とは、荷物の運搬を意味するデリバリー(Delivery)とクルマを意味するカー(Car)を組み合わせた造語。現在に続く4WDモデルは2代目の1バリエーションとして1982年10月に誕生。4WD仕様はラダータイプのサブフレームを組み込み、パジェロ譲りの本格的なトランスファーギアを持つパートタイム4輪駆動システムを搭載していた。フレーム付きシャシーで車高は高くなり、オフロード性能は十分なレベルに到達していた。エンジンは1795cc(100ps)のガソリンを採用し、トランスミッションはフロアタイプの5速。3列シート仕様で、2列&3列目シートの対座アレンジが可能。ワイルドなスタイリングも人気を博した。

三菱デリカD:5 主要諸元

グレード=P(7名乗り)
価格=8SAT 447万5900円
全長×全幅×全高=4800×1795×1875mm
ホイールベース=2850mm
トレッド=フロント:1540/リア:1535mm
最低地上高=185mm
車重=1970kg
エンジン=2267cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=107kW(145ps)/3500rpm
最大トルク=380Nm(38.7kgm)/2000rpm
WLTCモード燃費=12.6km/リッター(燃料タンク容量64リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路:10.1/12.6/14.1)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=225/55R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=7名
最小回転半径=5.6m

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みんなのコメント

12件
  • だった だった と過去形で語られてるのに違和感ですね
    デリカ D5は今でも一線級の良い車です
  • フルモデルチェンジしたら買おうと思ってます。が、トヨタも似たようなの出して来そうだし!
    待ちきれなくて他車も考えてしまいそうです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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