近年のモータースポーツでは、雨天などで視界が悪くなる状況を避けるべく、対策を行なう必要があるという声が挙がっている。しかしレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、視界の悪化を完全に避けるためには、雨の中レースをするのをやめるしかないと語る。
7月初め、スパ・フランコルシャンで行なわれたフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権のレースで、ディラーノ・ファン・ト・ホフが死亡するという事故が発生した。この時サーキットはウエットコンディションであり、それによって視界が悪かったことが事故に繋がったと言われている。
■スパ死亡事故にハミルトンも安全性向上を要求「FIAは間違いなく一歩を踏み出す必要がある」
この事故を受け、ベルギーGPに向けて安全性の問題が大きな話題になっており、FIAとしてはレースを行なうことができると判断するコンディションについて、特別な注意を払う必要があると指摘する人もいる。
しかしフェルスタッペンは、雨が降れば視界が悪くなるのは当然のことであり、常に完璧なコンディションを追い求めるのは、不可能な目標であると指摘する。
「視界は悪いよ。これまでもずっと、視界は悪かったんだ」
現代のF1マシンにおける視認性について、フェルスタッペンはそう語った。
「だから現時点で、僕らにできることはあまりないと思う」
フェルスタッペンは、F1のレースディレクターを務めるニールス・ウィティヒが、コンディションについては正しい判断を下すと信頼している。
「僕らはブリーフィングにかなりの時間を費やしてきたし、彼としても、F1でかなりの数のレースをこなしている」
フェルスタッペンはウィティヒについてそう語った。
「彼はセーフティカーの意見も聞いているだろうけど、安全な状況かどうかは彼にも分かるはずだ。それでも、いずれにしたって視界は悪くなる」
「でもそれを受け入れないと、もう雨でレースすることなんてできないよ」
フェルスタッペンは、現在のF1ではマシンもタイヤも以前より多くの水飛沫を上げるため、視界はさらに悪くなっていると説明する。
「タイヤは大きくなった。それに伴い排水量も増えたから、状況は悪くなった」
フェルスタッペンはそう言う。
「それにマシンも大きいから、水飛沫が上がる量は増えているんだ」
「2016年よりもひどい状況だ。でも、2016年だって十分に酷かったんだよ。ブラジルでのレースを覚えている。ピットストップを終えて後方に下がった時には、フェルナンド(アロンソ/当時マクラーレン)がスピンしてコースアウトするところが見えなかったんだ」
「ストレートでは全開で走っていた。でも、僕には何も見えなかった。それまでの周回から、どこに行けばいいのかが分かっていただけなんだ。もし別のマシンが止まっていたら、完全に突っ込むしかなかっただろうね」
■相次ぐ事故……しかしスパの安全性に問題はない?
なお視認性の問題と同様に、スパ・フランコルシャンのコース自体の安全性についても、疑問の声が挙がっている。前述のファン・ト・ホフだけでなく、2019年にはFIA F2のレースでアントワーヌ・ユベールも事故により命を落としている。オー・ルージュからラディオンの複合コーナーは、クラッシュしたマシンがウォールに跳ね返され、コース上に戻ってきてしまう場合があるため、あまりにも危険だという声が数多く挙がっているのだ。
しかしフェルスタッペンは、他のコースの方が危険であり、スパ・フランコルシャンは特に危険ではないと考えている。
「もっと改善できる部分は当然あると思う。でも、僕らはモナコでもレースをしているけど、ここよりもはるかに危険だと思うよ」
そうフェルスタッペンは語る。
「十分に安全だと確かめられているから、僕らはそこでレースをするんだ。でも残念ながら事故は起きるモノだ。そして正直に言って、起きた事故を振り返ると、それが起きた状況は実に残念なモノだった」
「安全性を高めるためにできることや変更できることは、あまりないと思う。だってクラッシュした時に、コース上に戻されてしまうサーキットは他にもあるんだ。そして見通しが悪いところもあるので、また同じことが起きてしまう可能性がある」
「それがスパで2回、しかも比較的近い時期に起きてしまったことは、ある意味少し不運だったのだと思う」
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