8月2日(日)、富士スピードウェイでスーパーGT第4戦の決勝レース(66周)が行なわれた。優勝したのはGT500クラスが100号車STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)、GT300クラスが52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)だった。
第3戦セパンの開催延期(本年開催中止)に伴い、ゴールデンウィークの第2戦富士から3ヵ月近いインターバルが空いたスーパーGT。第4戦の決勝レースはスタート前から気まぐれな天候が波乱を予感させた。
■富士でスーパーGTマシンが宙を舞うアクシデント。NISMO、インパルのドライバーが状況を説明
決勝日は気温30℃を超える夏本番の暑さで、朝から青空が顔を出しているものの時折雨雲が通過して局地的に天気雨を降らせた。決勝スタート進行に向けて路面は乾いていたのだが、サーキット上空の厚い雲からまたも強い雨が降り、グリッド上は瞬く間にウエットに。ただスタート時刻が迫ると雨が止んで日が差してきたため、各車は10分前を切った段階で急いでスリックタイヤに交換した。その結果GT500は全車スリック、GT300は数台を除いてスリックでスタートを迎えた。
なお、レースはセーフティカー先導でのスタート。66周のレースの5周目からレーシングスピードでの戦いが始まった。
■GT500クラス
GT500はホンダのHRCプレリュードGTが予選上位を占めた。ポールポジションは8号車ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GTで、2番手が100号車STANLEY、3番手が17号車Astemo HRC PRELUDE-GT。トヨタ最上位は38号車KeePer CERUMO GR Supraの4番手、日産最上位は23号車MOTUL Niterra Zの8番手だ。開幕2連勝を飾った36号車au TOM’S GR Supraはウエイト50kg+燃料流量ダウンという厳しいサクセスウエイトが響き、11番グリッドに沈んだ。
普段のようにホームストレート上で2列縦隊になってのローリングスタートとは違い、先頭車両が加速したタイミングで一気にレーシングスピードになるセーフティカーリスタートとなったが、ホームストレートで大事故が発生。23号車MOTUL Niterra Zと接触した64号車Modulo HRC PRELUDE-GTが、スピン状態で後ろを向いたことでマシンが宙に浮き、地面に叩きつけられてしまった。
このアクシデントで赤旗中断。Moduloをドライブしていたイゴール・オオムラ・フラガはレスキューによって救出され救急車に乗せられたが、意識ははっきりとしていることが報告されている。
なおこの接触にはModulo、MOTULに加えて12号車TRS IMPUL with SDG Zも絡んでおり、ベルトラン・バゲットがドライブしていた12号車には接触による90秒のペナルティストップという重い裁定が下った。バゲットは、件の接触があったSCリスタート時にイン側からModulo、MOTULを一気に抜きにかかっていたが、このSCリスタート時の追い越し行為でもドライブスルーペナルティを科された。
14時15分に再びセーフティカー先導の下でレースが再開し、10周目からレーシングスピードでの戦いとなった。ここで8号車ARTAの大津弘樹を狙いすましていたのが100号車STANLEYの山本尚貴。1コーナーの飛び込みで大津を交わし、トップに立った。
ホンダ勢が1-2-3で走行する中、追い上げてきたのが38号車KeePer CERUMOの小林利徠斗と、37号車Deloitte TOM’S GR Supraの笹原右京。それぞれ17号車Astemoの野村勇斗を交わし、Deloitteが3番手、KeePer CERUMOが4番手に上がった。
22周終了時点でピットウインドウがオープンとなり、各車が続々と動き始めた。Deloitteはやや遅めの29周にピットインすることでオーバーカットに成功し、STANLEYと8号車ARTAの間、2番手に浮上した。
そして今季からGT500に導入された“サクセス給油リストリクター”をつけられた初めてのチームとなるau TOM’Sがピットイン。給油時間は遅くなっているはずだが、それを感じさせない29秒という静止時間で山下健太から坪井翔へのドライバー交代も済ませ、事実上の5番手争いに加わってみせた。
全車のルーティンストップが終わり、STANLEY、Deloitte、8号車ARTA、Astemo、KeePer CERUMOというトップ5に。このオーダーは長らく変動しながったが、レース終盤にはau TOM'Sの坪井がハンデを感じさせない走りでKeePer CERUMOの大湯都史樹をオーバーテイクし、ついに5番手まで上がってきた。
そしてさらに動きが。8号車ARTAの太田が残り8周でDeloitteのジュリアーノ・アレジを抜いて2番手浮上。残り7周という時点では、au TOM'S坪井が4番手まで上がってきた。
さらに最終盤にはSTANLEY牧野が8号車ARTAの太田、Deloitteアレジにじわじわ接近される展開に。しかし太田を0.6秒差、アレジを1.4秒差で退け、トップチェッカーを受けた。ホンダ陣営にとってはプレリュード投入3戦目での初優勝だった。
レース後に牧野は、先日のスーパーフォーミュラで苦戦したことなどもあり、インタビューで涙を見せた。
■GT300クラス
GT300はフェラーリ296 GT3 EVOが予選で猛威をふるった。ポールポジションは今回から篠原拓朗のチームメイトに川端伸太朗を迎えた45号車PONOS FERRARI 296 EVOで、3番手に6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI、4番手に7号車CARGUY Ferrari 296 GT3が続いた。
GT500クラスの大クラッシュで赤旗中断になった後、再度セーフティカー(SC)ランからレーススタート。このSC中にウエットタイヤを履いていた61号車SUBARU BRZ R&D SPORTはスリックタイヤに交換した。また、まだ路面にウエットパッチが残っているため、3番手のUNI-ROBOフェラーリの片山義章がハーフスピンを喫する場面もあった。
トップを走るPONOSは快調にリードする中、2番手以下は激戦に。32号車ENEOS X PRIME AMG GT3の鈴木斗輝哉が7番手から2番手、52号車Green Braveの野中誠太が6番手から3番手に上がってきた。
PONOSは31周でピットインし、篠原から3年ぶりのスーパーGT実戦となる川端にドライバーチェンジした。その後もピットイン組のトップを維持していたが、その10周後にピットストップしたGreen Braveがフロントの2輪のみを交換する作戦を敢行。ピット作業を短縮してトップでコース復帰することに成功した。
Green Brave吉田の背後にはPONOS川端が迫る。しかしGT300チャンピオン経験者である吉田は正確なドライビングで川端のアタックをいなしていった。
吉田はセーフティリードを築いてトップチェッカー。Green Braveが今季初優勝、そして吉田は被災した地元熊本に捧げる勝利となった。2位は32号車ENEOS、3位は7号車CARGUYだった。
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