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遊びを積んで出かけよう!『オプカンGOO』に見る、OGUshowのクルマづくり

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遊びを積んで出かけよう!『オプカンGOO』に見る、OGUshowのクルマづくり

クルマは、ただの移動手段なのか。それとも、人生を“愉しむ”時間を広げる道具なのか。

その問いに、30年以上前から自分たちのやり方で答え続けてきたのがOGUshowだ。人もペットも荷物も載せて走るクルマが、必要な時にはベッドを備えた居住空間になる。顧客のクルマとニーズに合わせたカスタムメイド内装を手がける彼らに、話を聞いた。

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◆すべては「バイクを積んで寝たい」から始まった
クルマの中で眠る、という発想。今ではめずらしくないが、それが当たり前ではなかった時代に、その必要性から考え始めた人がいた。

OGUshow(以下オグショー)の原点は、モトクロスライダーだった創業者の実体験にある。レース参戦のため全国を移動する中で、課題だったのは「どうやって体を休めるか」。当時、キャンピングカーはあってもバイクは積めず、商用バンは荷物を詰めても、人が眠れる環境ではなかった。そのどちらでもない場所を、自分でつくるしかなかった。

「空っぽのキャラバンにバイクを積んで、どうやったら自分の体をちゃんと休ませられるか」

そんな試行錯誤の中で生まれたのが、片側にバイク、片側にベッドというシンプルなレイアウトだった。最初から商品として考えられていたわけではない。あくまで自分のための工夫に、周囲の仲間が反応した。「それいいね」「自分のも作ってほしい」──そうした声が少しずつ広がっていったという。

ごく個人的な課題に向き合った結果が、今のオグショーの出発点になっている。

◆必要な人のために広がっていった世界
最初は、バイクを積むためのクルマだった。けれどその構造は、ウィンドサーフィン、自転車、アウトドア、犬との遠征など、別の用途にも応用できた。大きな道具を運び、その場で過ごす。そんなスタイルを持つ人たちが、自然と集まってきたという。

面白いのは、その広がり方だ。ターゲットを戦略的に広げたというより、目の前のユーザーの使い方や希望に応えていった結果、市場が広がっていった。何を積み、どこへ行き、どう過ごしたいのか。オグショーを訪れる人たちは、すでに自分なりの遊び方を持っている。だから、開発の起点もいつもユーザー側にある。「ここが不便」「こうできたらいいな」という声が、そのまま次の製品につながっていく。

生まれてきたのは、誰にでも合う汎用品ではなく、“必要な人には確実に刺さる”プロダクトだ。ニッチな市場といえば簡単だろう。けれどその実態は、自分の時間の使い方に対して、明確な意思を持った人たちがたどり着く場所、という表現に近いように思う。

◆カングーに落とし込まれた“ちょうどいい余白”
そうした積み重ねの先にあるひとつの答えが、今回のカングー用ベッドキットだ。構造としてはシンプルで、フロアパネルの上にフレームを組み、その上にマットを載せる。セカンドシートを倒すことで、全長約1850mm、幅は最大で約1300mmと、大人が横になれるスペースを十分に確保できる。

ただ、実際に話を聞いてみると、重要なのはスペックそのものではなかった。寸法はミリ単位で調整され、ベッド展開時だけでなく、収納時や乗車時の使い勝手まで含めて、何度も検証が繰り返される。「パズルみたいな感覚」という言葉が、印象に残った。

マットの分割方法ひとつをとっても、見た目、収納性、シートの可動域との兼ね合いなど、条件はいくつもある。「このままだとシートが下がらない」「収納すると収まりきらない」といった細かな問題をひとつずつ潰しながら、形にしていくのだ。

マットをスライドすればセカンドシートを活かした乗車にも対応でき、マットを外せば荷室としての機能も残る。つまりこれは、寝るためだけの装備というよりも、使い方に応じて形を変えるための土台に近い。カングーの広さや使い勝手を、どう余白として活かすか。そのバランスが、このプロダクトにそのまま表れている。

◆寝るためだけでなく、“過ごすため”の空間をつくる
「寝て快適かっていうよりも、空間をどう作るかなんですよね」そう語るのは、上林健(かみばやし・けん)社長だ。ベッドキットというと寝心地に意識が向きがちだが、オグショーが見ているのは、その先にある時間の使い方だ。

今回のカングーでも、あえてベッド下にはコンテナボックスが収まる高さが残されている。キャンプ道具やギアをそのまま積み込めるようにするためだ。この“ちょうどいい塩梅”を探ることこそが、開発の本質なのだろう。

その考え方はカングーに限ったものではない。イベント会場で初披露されたジムニー ノマド用ベッドキットのように、さらに限られた空間を持つ車種でも、「荷物と居住性をどう両立させるか」というテーマは同じだ。さらには、耐光性や耐熱性を考慮して、コーデュラという高機能素材を使ってオリジナル生地で仕上げるというこだわりも見せている。

車種ごとに条件は違っても、ユーザーが何を積み、どこへ行き、どんな時間を過ごすのか、を起点に空間を組み立てていく姿勢は変わらない。スタッフの実体験がベースになる場合も多い。

「結局、クルマの中でどう過ごすかですから」上林社長の言葉通り、このベッドキットは単なる装備でない。それは移動と滞在のあいだにある時間を支えるための、ひとつの空間なのだと思う。

◆その時間を支える“足元”という存在
クルマの中で過ごす時間が長くなればなるほど、移動そのものの質も重要になってくる。

特に印象的だったのは、犬とともに遠征するユーザーの話だ。競技に参加するために長距離を移動し、各地で車中泊をする。そうした使い方では、単に“運べる”だけでは不十分で、移動中の快適性が問われる。

「ワンちゃんが酔ってしまったり、体調を崩したりしないように、乗り心地はかなり気にされる方が多いんです」

どれだけ車内の空間を整えても、そこへ向かう時間が快適でなければ意味がない。そう考えると、TOYO TIRES(トーヨータイヤ)の存在も自然と見えてくる。アウトドア思考のユーザーから支持を集める「OPEN COUNTRY」シリーズは、見た目だけでなく、さまざまな路面環境への対応力や安定した走行性能によって、“どこへでも行ける安心感”を支えている。

実際、オプカングーにも装着されている「OPEN COUNTRY H/T II」は、遊びのフィールドを広げるための重要な要素のひとつだ。ベッドキットとタイヤは、役割こそ違うが、どちらもクルマの使い方を広げるためにある。

クルマは、移動のための道具。そう捉えられてきた存在だ。けれど、その中で過ごす時間に目を向けた時、そこにはもうひとつの使い方が見えてくる。クルマの中に、少しの余白をつくり、そこに自分の時間を持ち込むこと。それだけで、移動は少し違った意味を持ちはじめる。

オグショーがやっているのは、特別なことではないのかもしれない。ただ、“必要だったもの”から始まって、“必要とされるもの”をつくり続けてきただけだ。

「家族で一緒に遊ぶこと。そこで仲間ができて、世界が広がっていくこと。そして、これまで知らなかった価値観が自分の中に芽生えていくこと。クルマを通して、そんな体験をする人が増えてほしい」

スタッフの言葉から伝わってきたのは、自らの体験に基づいた実感だった。カングーという1台に落とし込まれたこのベッドキットは、そんな“もうひとつのクルマの使い方”への入り口として、そこにある。

文:レスポンス 上之園真以
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