沖縄で最初に購入したクルマ
いきなり個人的な話になるが、筆者は現在、神奈川県横浜市と沖縄県国頭郡恩納村との間で、いわゆる2拠点生活を送っている。その沖縄に居を構えた時に最初に購入したクルマが、スズキが当時発表して間もなかった第4世代の『ジムニー』だった。
【画像】スーパーカー超王も実際に購入!『スズキ・ジムニー・ノマド』を詳しく 全73枚
軽自動車規格のコンパクトなサイズ、機能性、あるいは機動性の高さを最大のセールスポイントとするジムニーは、沖縄でのカーライフにはまさに最適な1台だと思えたからだ。
ジムニーの魅力は世界的にも広く評価されている。その一例ともいえるのが、筆者も選考委員を務めるワールド・カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、2019年の『ワールド・アーバン・カー・オブ・ザ・イヤー』を受賞したこと。この賞を日本車が獲得したのは初であり、良い物は必ず世界に認められることが実証された瞬間でもあった。
しかし『ジムニー』、そして同時に発表された、1.5Lの直列4気筒DOHC16バルブエンジンを搭載するとともに、ダイナミックなオーバーフェンダーを採用し、より精悍な外観が与えられた『ジムニー・シエラ』の先には、さらなる魅力的なストーリーが待っていた。
それが今回ようやく試乗することができたジムニー・シエラの5ドアバージョン、『ジムニー・ノマド』の誕生である。
ジムニー・ノマド購入を決断
そのスタイルを見て、ジムニーやジムニー・シエラを大きく超える魅力を確信した筆者は、2025年1月30日にジムニー・ノマドが発表されると(発売は同年4月3日とされていた)、それを購入することを決断。
ちなみにこの時の受注は2月3日に一時停止されることになるのだが、これはわずか5日間で、月間販売計画台数の40倍以上にあたる約5万台もの受注があったことが理由だった。
そこでスズキは、マルチ・スズキ・インディアでの月間生産台数を、当初計画の1200台から約3300台へと増産することを決定。そして今年1月30日から受注を再開するとともに一部仕様を変更し、7月1日から発売することを発表する。
紆余曲折があったものの、筆者のジムニー・ノマドは最終的に仕様変更後の『2型』、その4速ATモデルになった。ボディカラーはこの2型で追加設定された、新色の『グラナイトグレーメタリック』を選んでみた。
シエラよりも高級感や落ち着きを感じる
今回、静岡県富士宮市の朝霧高原を中心に行われたジムニー・ノマド(2型)の試乗会では、4速ATモデルで富士ヶ峰オフロードコースをドライブしつつ、5速MTモデルはオンロードでドライブすることができた。
前者には林間コース、急な上り坂、すり鉢、ブレーキLSD体験、モーグルなどのセクションがあり、オフロードで走りを十分に確認できるものだ。
まずは、自分も購入した4速ATモデルで、オフロードコースの走りを楽しむ。
参考までにノマドのボディサイズは、全長3890mm、全幅1645mm、全高1725mm、ホイールベース2590mmとなるが、これは3ドアのシエラに対して全長、ホイールベースともに340mm長い数字となる。
ボディ全体を見た第一印象は、やはりシエラのそれよりも高級感や落ち着きを感じさせるもの。ホイールベースのみが延長され、前後のオーバーハング量は変わらないから、オフロード走行を積極的に楽しみたいユーザーには気になる3アングルも、アプローチアングルとデパーチャーアングルは、それぞれ36°、47°とシエラに共通。
ランプブレークアングルのみ、シエラの27°から23°に狭まっているが、それでもその走破性には大きな期待が持てる。210mmの最低地上高も必要にして十分だ。
極めて美しい機能美を成立
筆者がメインの執筆対象としているスーパースポーツの世界では、よく『デザインは機能に従う』という言葉がコンセプトとして用いられることが多いが、このボクシーなジムニー・ノマドのデザインも、まさにその象徴的な例といえるのではないか。
コクピットからの四方の見切りの良さはもちろん、リアシートへの乗降動作を徹底的に検証し、センターピラー位置を前寄りに設定するなど細かい部分にも機能へのこだわりを見せた結果、それは極めて美しい機能美を成立させるに至った。
ちなみにフロントドアは3段階、リアドアは2段階で開閉が可能で、最大のオープン角度は前後ともに70°、その時に必要な幅はフロントが970mm、リアは725mmに抑えられている。
5ドアボディのノマドにとって最大の特徴は、やはりリアシートでの快適性だろう。シエラに対してヒップポイントは50mm後方に移動し、その結果さらに余裕のあるレッグスペースが確保されることになった。
リアシートに2名が乗車しても十分な空間
さらにリアホイールハウスがシート後方に設定されているため、リアシートに2名が乗車しても左右方向にも十分な空間が得られている。シートクッションは、フロントと同様に厚みのあるもので、長距離のドライブでも疲れは最小限に抑えられるだろう。
フロントシートは10mmピッチで前後240mmのスライドが可能。しかも運転席、助手席ともにその座面にはシートヒーターまでもが装備されている。
ラゲッジルームは、リアシートを使用した状態でも211Lの容量が確保されており、これはシエラの59Lと比較すればいかに大きなスペースであるかが理解できる。さらにリアシートを前方に倒せば、それは332Lにまで拡大できる。
唯一残念なのはリアシートが完全にフラットに収納されないことと、シートバックとラゲッジルームフロアの間にはかなり大きな段差が残ること。スズキでは後者の不満を解消するためにアクセサリーで実用的なラゲッジボックスを用意しているが、それならばこれを標準装備としてもらいたいと考えるユーザーも多いだろう。
*愛を持って『スズキ・ジムニー・ノマド』を語ろう(後編)に続きます。
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