ケンドリック・ラマーのシャネル新アンバサダー就任は何を意味するのか？

シャネルの新アンバサダーに就任したケンドリック・ラマーは、ファッション界にまた新たな足跡を残した。これは、シャネルがついにメンズウェアに挑戦するというサインなのだろうか？

「俺はベストドレッサーで、常に前進している」。ケンドリック・ラマーが自身の楽曲「The Hillbillies」の中でそう宣言したのは、カール・ラガーフェルドをテーマにした2023年のメットガラで、頭からつま先までシャネルに身を包んで登場した約1カ月後のことだった。

今週、ラマーはシャネルの公式アンバサダーとなり、同メゾンのアイウェアキャンペーンに登場することとなった。

火曜日に公開された新しいキャンペーンで、ラマーは同じくブランドアンバサダーを務めるルピタ・ニョンゴ、マーガレット・クアリー、小松菜奈とともに、ダブルCのサングラスでポーズをとっている。

「シャネルにはタイムレスなレガシーがあり、それはいつだって私が支持したいと思うものです」と、ラマーはステートメントで語っている。「ブランドは男性のための服を作っていないので、アイウェアしかないとわかっていました」

とはいえ「男性のための服を作っていない」という事実は、ラマーをはじめとした男性セレブたちがシャネルを着るのを妨げる理由にはならなかった。2023年のメットガラ出席の後、ラマーと彼のクリエイティブ・パートナーであるデイヴ・フリーは、メゾンの2024年春夏オートクチュールショーのためにきらびやかなセットピースをデザインし、ティーザー動画を制作した。

クアリーがオープニングを飾ったショーの間、ラマーはチェック柄ツイードのジップアップを着て、最前列でナオミ・キャンベルの隣に座っていた。ボッテガ・ヴェネタのメンズウェアでも好評を博したマチュー・ブレイジーがシャネルのクリエイティブ・ディレクターに就任したことで、同メゾンがメンズウェア市場についに参入することになるのだろうか？

ラマーとシャネル双方のターニングポイントになるか？

ラマーのアンバサダー就任を報じた『Business of Fashion』の記事で、エディターのロバート・ウィリアムズは、この提携は自身の躍進を後押ししてきた喧嘩っ早い態度から、ラマーが脱却を図っていることを意味するのかもしれないと指摘した。

「世界で最も慎重な判断でリスクを回避してきたブランドのひとつであるシャネルとの提携は、ラマーが新たな章を開き、争いの絶えなかった1年を過去のものにしようとしていることを示すものかもしれない」と、ウィリアムズは書いている。

ここ数カ月、ケンドリック・ラマーはテイラー・マクニールをスタイリストに起用している。シャネルのメンズフレグランス「ブルー ドゥ シャネル」の顔であるティモシー・シャラメも、マクニールのクライアントのひとりだ。

今年2月、ラマーはスーパーボウルでのパフォーマンスを前に、シャラメと対談動画を撮影した。『Page Six』によると、ラマーがハーフタイムショーで印象的に着用したセリーヌのフレアジーンズは、当初マクニールがシャラメのために用意したものだったという。

それ以前にも、ラマーはシャネルのアイウェアを手がけたことのあるファレル・ウィリアムスと幅広く仕事をしている。ウィリアムスはラマーのグラミー賞受賞曲「Alright」や、アルバム『Good Kid, M.A.A.D City』『Mr. Morale & the Big Steppers』からの曲もプロデュースしている。

From GQ.COM

By Eileen Cartter
Translated and Adapted by Yuzuru Todayama