10年以上フルモデルチェンジしていないのには理由があった
2007年デビューのトヨタ・ランドクルーザー(200系)、2008年に現行型にフルモデルチェンジした日産フェアレディZ(Z34系)といったご長寿モデルが、フルモデルチェンジを発表している。近年、クルマのモデルサイクルは長くなっているが、それでも10年選手となると、ごくごく一部だ。
そこで、ランドクルーザーやフェアレディZといったロングセラーモデルのフルモデルチェンジを機に、10年以上フルモデルチェンジをしていない10年選手カーを4台ピックアップして紹介しよう。いずれもフレッシュさはないかもしれないが、商品としての魅力は一線級で、あえて選ぶ価値ありのモデルたちだ。
1)三菱デリカD:5
ロングセラーで独自のポジションを築いているといえば、いの一番に思い浮かぶのが三菱デリカD:5だろう。そのデビューは2007年。先代モデルにあたるデリカスペースギアはエンジン縦置きのビルトインフレーム構造のクロスカントリー的なメカニズムだったのに対し、デリカD:5は当時の三菱主力モデルに共通のFFプラットフォームを採用した。とはいえ、デリカD:5ではモノコックボディを剛性アップするリブボーンフレーム(肋骨のような構造)を採用するなど工夫がなされていた。
モデルライフが長くなるなかで、ディーゼルエンジンの追加設定(2012年)やフロントマスクの大胆な変更(2019年)など商品性を高めながら、クロスカントリーとミニバンのクロスオーバーという唯一無二のキャラクターを確固たるものとしてきた。
それゆえ、たとえデビューから14年が経とうと、魅力は色褪せることないのだ。
2)日産エルグランド
FRからFFにプラットフォームを大変換したミニバンといえば、2010年に現行の3代目モデルにフルモデルチェンジした日産エルグランドも同様だ。
パワートレインは3.5リッターV6と2.5リッター直4という2種類のガソリンエンジンで、どちらもトランスミッションはCVTと組み合わせれている。
ご存知のように、LLクラスのミニバンではトヨタ・アルファード/ヴェルファイアが圧倒的な支持を集めている。その理由には、威風堂々としたスタイリングもあるだろう。その点において、エルグランドはスポーティ路線であるためトレンドから外れている部分もあり、それが販売実績の低迷につながっているのだろう。
販売が好調とはいえないからフルモデルチェンジをするインセンティブもわかず、手直ししながらロングセラーとなっている。そしてこのままフルモデルチェンジせずに消滅するとの噂もちらほら。
とはいえ、エルグランドの低重心プラットフォームや、アルミ製アームを持つサスペンションなどハンドリングへのこだわりは、あえてエルグランドを選ぶファクターのひとつだ。e-POWER(ハイブリッド)も、プロパイロットも用意されていないという現状は、エルグランド・ファンにとっては歯がゆく感じるかもしれないが……。
いつモデルチェンジしてもおかしくない10年選手カー
3)トヨタ・ランドクルーザープラド
さて、冒頭でランドクルーザーがフルモデルチェンジを発表したことを記したが、ランドクルーザーのもうひとつのラインが「ランドクルーザープラド」だ。その現行型である150系のデビューは2009年だから、こちらも立派な10年選手だ。
用意されているエンジンは、2.7リッターガソリンエンジンと2.8リッタークリーンディーゼルの2種類。ディーゼルの燃費は11.2km/L、ガソリンは8.3km/Lと2020年代の燃費性能としては厳しい数値だが、ランドクルーザー・ブランドに求められる走破性については「マルチテレインセレクト」や「KDSS(スタビライザーを調整する機能)」を備えることで十分なレベルを満たしているのも、ご存じの通りだ。
そんなプラドには6月に商品改良を受けると同時に70周年記念の特別仕様車が登場している。
そしてカタログモデルの価格帯は、366万6000円~554万3000円と2020年代の本格SUVとしてはリーズナブル。さらにいうと、プラドのリセールバリュー(≒中古車価格)というのは、非常に高いレベルで推移している。
兄貴分であるランドクルーザーのフルモデルチェンジが発表され、価格帯がさらに上がっていくことが予想されるからこそ、あえて選ぶ価値があるモデルがランドクルーザープラドなのだ。そろそろこちらもフルモデルチェンジとの噂があるから、現行モデルを買うなら今!
4)ダイハツ・アトレーワゴン
ここまで見てきたモデルは、いずれも3列シート車だったりするが、最後に国産乗用車でもっとも長寿なモデルを紹介しよう。それがダイハツ・アトレーワゴンだ。メカニズム的にいえば軽商用車ハイゼットカーゴの乗用仕様といえるFRレイアウトのモデルだ。ターボエンジン専用となっているのもアトレーワゴンの特徴だ。
そんな現行アトレーのデビューは2005年のこと。2007年にエンジンを一新、2015年には4速ATを電子制御化、2017年には現在のフロントマスクへフェイスリフトをするなど確実にバージョンアップしてきている。さらに「スマートアシストIII」と呼ばれるステレオカメラを用いた先進安全機能も標準装備するなど安全性能も十分に高い。
そんなアトレーワゴンの価格帯は、157万3000円~182万500円。価格が上昇傾向にあるスーパーハイトワゴンと比べると、意外にリーズナブルと感じるのではないだろうか。アトレーワゴンの燃費性能は2WDで14.2km/Lとけっして良好とはいえないが、リヤ駆動とターボエンジンの組み合わせは、いまや貴重なパッケージともいえる。
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みんなのコメント
競合するライバルがモデルチェンジしていたらついていけなくなる
ついていけなくなった例がエルグランド、こいつは買う価値は無い
そもそも現行エルグランドは北米のミニバンである
クエストと兄弟になったのが、
こうなってしまった運命の始まりである。
そしてクエストは数年前に発売が終了していて、
日本軽視の今の日産が国内市場のために
テコ入れするはずも無く、この時点で戦意喪失は
決まったようなもの。
本来ならハイブリッドを持つオデッセイよりも先に
身を引くべきなのに、こうやって無理矢理
メディアに持ち上げさせるから結果として
マーチと同じく日産の負の象徴なクルマとして
公開処軽されたラインナップになっている。