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アプリでタクシーを呼んだら全然カローラがこない! 「カローラの楽園」だったタイのタクシーが中国BEV勢に浸食されていた

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アプリでタクシーを呼んだら全然カローラがこない! 「カローラの楽園」だったタイのタクシーが中国BEV勢に浸食されていた

 この記事をまとめると

■バンコクではカローラアルティスがタクシーの主流車種だったが昨今では変化が見られる

「タクシー」vs「ライドシェア」でなぜか対立構造になる日本!! 海外は見事に共存しているぞ!

■最近はMGやAIONといった中国系BEVタクシーの普及が急激に進行中

■燃料費やサポートの手厚さが車両の選択を左右している

 バンコクのタクシー事情がいま変わりつつある

 筆者はトヨタ・カローラを30年以上乗り継いでおり、「カローラ愛」が強い、セダンしか認めない原理主義者だ。そんな筆者は、タイの首都バンコクを訪れるのが大好きである。なぜかといえば、街を走るタクシーがカローラアルティス(日本でいうカローラセダン)ばかりだったからである。

 あえて「だった」としたのは、カローラのタクシーが街にあふれる「カローラの楽園」のような状況がいま変わろうとしているからだ。

 2024年春にバンコクを訪れたとき、ライドシェアアプリでマッチングを試みると、ライドシェア車両が少ないのかタクシーとマッチングされることが多くなり、そのためカローラアルティスばかりで移動していた。ところが2025年春にバンコクを訪れると、ライドシェア車両とよくマッチングするようになったこともあり、カローラアルティスとはほとんどマッチングしなかった。

 滞在中にマッチングした車両を挙げると、スズキ・シアズ(セダン)、トヨタ・ヤリス・エイティブ(セダン)、トヨタ・カローラアルティス、MG 5、ホンダ・シティ(セダン)、MG EP(ステーションワゴン)が2台、BYDシールといった顔ぶれであった。

 バンコクを訪れると、クルマを定点観測するポイントがいくつかある。今回もそこで定点観測すると、タクシー車両も様変わりを見せていた。バンコク市政府はタクシー車両の新車への入れ替えに際してBEVしか認めないという情報もあるし、化石燃料費の高騰が続き、負担軽減のためドライバーもBEVへの乗り換えに積極的との報道も目にしている。とにかく、中国系BEV2車種がタクシー車両として、カローラ・アルティスに取って代わるような勢いで普及していたのだ。

 1車種目は、上海汽車系MGブランドのEP。中国本土では上海汽車系の栄威(ロエベ)ブランドのEi5として2017年の広州モーターショーでデビューしているので、デビュー後8年が経過したベテランモデルとなる。

 タイでは、MG EPとしては2020年に正式発売されている。ステーションワゴンタイプとしてMG ESもラインアップされているが、ESが一般向けで、EPがフリート販売向けとしてラインアップされていると筆者は認識している。たまたま、直近で中国・上海でロエベEi5のタクシーに乗る機会があったのだが、タイ仕様のEPのほうが後席座面に厚みがあるなど、よりタクシー仕様を意識した内容になっているように感じた。

 もう1車種が、GAC(広州汽車)系AIONブランドのセダンタイプBEVとなるアイオンES。こちらはタイではフリート販売専用車という触れ込みで市場投入されており、タクシー車両としての普及を狙っているのは明らかだ。ICE(内燃機関)車となるカローラアルティスの廉価仕様ともいい勝負となる価格設定となっており、ボディサイズもカローラアルティスに近い。

 BEVでは当たり前のフルデジタル計器盤は採用せず(MG EPも同じ)、カローラアルティスではリヤサスペンションがダブルウイッシュボーンなのに対し、ESはトーションビームとなるなどコスト重視といった面も目立ち、乗った感じではカローラアルティスのほうがはるかに快適に感じた。

 中国系メーカー台頭の背景にあるタイ特有の事情

 2024年まではEVに乗ること自体に物珍しさが残っていただけに、現在スマホでマッチングを試みると、とくにMG EPに当たることが珍しくなくなってきたことには、今回見た普及ぶりにただ驚くばかりであった。その背景には、前述したように燃料費節約などドライバーからのニーズの高まりもあるが、中国系メーカーの普及促進もかなり積極的となっている点もあるだろう。

 タクシーや自家用車をもたないライドシェアドライバーは、車両を借りて営業運行を行なっている。燃料代も、もちろん自己負担だ。タイのタクシーでは、ポピュラーなNGV(天然ガス)タクシーでの天然ガス代に対して、BEVでの電気代負担は半分程度になることがドライバーにとっても大きいようだ。

 また、一般的な小売りでは設定されない60万kmまでの駆動用電池の保証や、車両レンタル代の一部負担なども中国系メーカーは行っているようである。

 BEVに限らず、MG 5のようなICE車でもライドシェア車両ではここのところ中国系メーカーの新車が目立ってきているので、タクシーやライドシェアではBEVに限らずさまざまなサポートを行っているのも普及の背景にあるのは間違いない。「次にバンコクを訪れたときは……」と考えると、カローラフリークの筆者にとってはあまりうれしくない光景がさらに増えていくんだろうなぁ、という思いが脳裏をよぎってしまう。

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みんなのコメント

8件
  • abb********
    日本は別にEV出遅れじゃないし。
    世界初の量産EVリーフ作ったの日本だってば。
    商機的にもアホらしいしメインでやらないだけ。
    インフラ整ってる都市部しか使えない、冬場はまともに使えない。長く使えない。
  • NAS********
    又ばカートップの変なおっさんの記事
    東南アジアで日本車が売れてない、駆逐されてる、EVがー
    と言いたいらしい
    エビデンスは本人の見た感じだけとか
    記事にする必要全く無し
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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