末期に訪れたバブル景気で沸いた1980年代の日本では、自動車メーカーから多数の魅力的なモデルが登場したが、そんな思い出のクルマたちは現在いくらで取り引きされているのか? 今回は、価格の高騰が著しい80年代モデルをピックアップしてみた。
文:長谷川 敦/写真:トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、CarWp.com
80年代の象徴、デートカーの現在価格
●日産 シルビア(S13型)/現在価格約165~650万円
初代モデルが1965年にデビューした日産 シルビアの5代目(S13型)モデルが発売されたのは、バブル景気の萌芽期ともいえる1988年。
先代のイメージを残しつつも、一気に先進的なスタイルに生まれ変わった5代目シルビアは、メーカーが狙った以上の反響を市場に巻き起こした。
当時のスポーツカーでは定番だったFR(フロントエンジン・リヤドライブ)レイアウトを採用し、さらに女性ウケも良いデザインのS13型初期モデルの販売価格は約150~200万円と、若者層でもがんばれば購入可能な範囲に収まっていた。
バブルの好景気も後押しとなり、S13型はトータルで販売台数30万台に達する大ヒットモデルになった。
後継機のS14型がさまざまな理由により販売不振になったことも、S13型の成功を印象深いものとしている。
そして現在の販売価格だが、某中古車取引サイトでは、なんと極上程度の個体には650万円を超える価格がついていて、最低価格も165万円と全体的に高い。
これが変わらぬS13型人気を示していて、当時の思い出をもう一度、という人にとっては少々ハードルの高いものとなっている。
●ホンダ プレリュード(AB/BA1型)/現在価格不明~応相談
2025年に24年ぶりの復活を遂げて話題になったホンダのFFスペシャルティカーがプレリュード。
そのプレリュードでも人気が高かったのが1982年に発売された2代目のAB(後にBA1)型であり、このクルマが元祖デートカーとも呼ばれている。
なおデートカーと呼ばれる理由には、女性ウケの良いデザイン、程良い高級感、主なデートカー需要を支える若者にも購入できる価格帯、などがあるが、2代目プレリュードには運転席側にも助手席用リクライニングノブが装備されていたこともそのひとつになっていた。
2代目プレリュードの販売期間は1982~1987年でバブル景気には先行していたものの、人気車種になったのは事実で、約16万台を売り上げている。
そんな2代目プレリュードだが、現在の中古車市場にはほとんど流通しておらず、もし見つかったとしてもかなりの高額になるといわれている。
2代目プレリュードの新車時の販売価格は約136万円であったことを考えると、良個体の中古価格がこれを大きく上回るのはほぼ間違いない。
ロータリーサウンドの再体験に必要な投資は?
●マツダ サバンナRX-7(FC3S型)/現在価格約220~770万円
ロータリーエンジンを搭載する2+2スポーツカーの金字塔がマツダのRX-7シリーズ。
1978~2003年にかけて3代のモデルが製造・販売されているが、RX-7人気を不動のものとしたのが1985年のリリースの2代目FC3S型だ。
先代からはボディフォルムが変化し、エンジンもパワーアップした2代目モデルの販売価格は約200~300万円で、当時としても気軽に買えるという価格ではなかったが、決して手の届かない額ではなく、実際に総販売台数は27万台を超えるヒット車になった。
なお、この2代目までは1971年に始まるサバンナの名称を引き継いでいたが、1991年の3代目モデルではRX-7の単独名に変更されている。
2代目RX-7の中古車流通台数もそこまで多くはないものの、前出の2代目プレリュードほど希少ではなく、中古車情報サイトでも数10台が掲載されている。
だが問題はその価格で、特に近年は高騰が激しく、700万円を超える個体もあるほど。
さすがに販売開始から40年以上が経過した現在では良程度の個体を探すのが難しくなっていて、それも価格高騰の理由となっている。
価格高騰の殿堂入り?
●トヨタ カローラレビン&スプリンタートレノ(AE86型)/現在価格約200~1000万円
新車販売時は気軽に購入可能なスポーティモデルだったにもかかわらず、その後の人気再燃によって信じられないほどの価格上昇を見せているのが「ハチロク」ことトヨタのAE86型カローラレビン&スプリンタートレノだ。
トヨタのカローラ&スプリンターがFF化した1983年に、同シリーズのスポーティバージョンであるカローラレビンとスプリンタートレノは従来同様のFR方式を採用したAE86型にリニューアルされた。
既存エンジンの搭載と比較的簡易なサスペンションを装備したAE86型は、当時はそこまで注目されるクルマではなかったが、一部のマニアはチューンナップしやすいエンジン&サスペンションや軽量な車体を評価し、競技車両のベースにするケースも多かった。
また、軽量でサスペンションもシンプルなことから、AE86型を乗りこなすには相応のテクニックが要求され、ドライバーを鍛えるクルマともいわれていた。
そんな一部にのみ評価されていたAE86型の人気が燃え上がったきっかけが、1995年に連載がスタートしたコミック「頭文字D(イニシャルディー)」で主役モデルになったこと。
あくまで劇中の話ではあるが、主人公のドライブするAE86型スプリンタートレノが、峠バトルにおいて並みいる強豪を打ち破った描写で再注目され、これに伴って中古車人気も急上昇した。
また、頭文字D以前は同じAE86型でもカローラレビンに後れを取っていたスプリンタートレノの人気がレビンを上回るという逆転現象も起こった。
頭文字Dの連載開始から30年以上が経過した現在でもAE86人気は健在だが、時間の経過とともに程度の良い中古車両の台数は減少している。
そうした理由から価格高騰は続き、極上レベルの個体には1000万円を超える価格がつくこともあるという。
AE86型の新車販売価格が約130~160万円だった当時の人は、果たしてこの未来を想像することができただろうか?
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みんなのコメント
当時、お小遣いでRX-7のすべてと言う雑誌を購入し毎日読んでいました。いまだに雑誌は大事に持っています。
大学を卒業した時にはFDになってしまいFCの新車は購入出来ませんでしたが、中古車で最初のマイカーとしてFCを購入しました。
夢が現実になった感動は今でも忘れられないです。