■「一番安いロードスター」で全然イイかも!
マツダは2024年1月中旬に、新型「ロードスター」「ロードスターRF」(改良モデル)を発売しました。
法規改正に伴い安全装備が強化されましたが、従来から設定されてきた安価なベーシックモデルも残されています。
【画像】超カッコイイ! 豪華オシャ内装の新型「ロードスター」を画像で見る(46枚)
ロードスターは1989年に登場(NA型・当初は「ユーノスロードスター」)しました。「人馬一体」をコンセプトとし、軽量かつオープンエアーをFR(後輪駆動)で楽しめる小型2ドアスポーツカーです。
以来30年以上にわたってラインナップを続けており、通算販売台数は120万台以上を記録するなどマツダを代表するモデルとして人気を博してきました。
現行モデル(ND型)は4代目で2015年5月に発売。基本コンセプトは維持しつつも、マツダ最新デザイン「魂動(こどう)」デザインを採用したほか、2016年11月には電動格納ハードトップモデル「ロードスターRF」(以下RF)も設定されています。
これまで幾度かの年次改良が実施されてきましたが、2023年10月には4代目としては最大のマイナーチェンジが実施され、初めてエクステリアデザインが変更されました。
前後ライトはフルLEDになり、ポジションランプが追加された新デザインのヘッドライトを装備しました。インテリアにおいてもメーターデザインの変更だけでなく、上級グレードではセンターコンソールにソフトパットを加えるなど、上質感も高められています。
さらに、新モデルでは「マツダレーダークルーズコントロール(MRCC)」と「スマートブレーキサポート(後退時検知機能SBS-RC)」を採用。先進運転支援機能を高めるとともに、新型車に衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務付けられる法改正に対応しました。
走行性能では、一部グレードのMT車にアシンメトリックLSDを装備し、旋回性能と安定性の向上を実現。さらにエンジン制御を国内のハイオクに対応させたセッティングを施すことで、出力向上(ロードスターのみ)およびレスポンス向上が図られています。
加えて、電動パワステシステムも自然なフィーリングへと改良が施されました。
そのほか、横滑り防止装置DSCにサーキット向けのモード「DSC-TRACK」をMT車に設定。極力ドライバーの操作を重視し、危険なスピン挙動時のみ介入するようにセッティングしています。
マルチメディアシステム「マツダコネクト」も刷新され、8.8インチの大画面を採用。コネクテッドサービスも強化しています。
改良型のロードスターおよびRFの価格(消費税込)は、ロードスターが289万8500円から367万9500円、RFが379万6100円から430万8700円です。
このラインナップ中もっとも安いモデルがロードスターの「S」グレードで、6速MTのみの設定となっています。
このSグレードでは、MRCCや標識認識システムといった先進装備やシートヒーター、フルオートエアコンなどの快適装備、スマートキーが装備されず、オプション設定も存在しません。
走行性能面でも、今回の改良で初めて設定されたアシンメトリックLSDやリアスタビライザー、タワーバー、トンネルブレースバーといったものが省略されています。
とはいえ、今回の改良で初採用されたSBSやマツダコネクトといったものは装備されており、必要にして十分な装備を持っていると言えそうです。
なお、改良前は競技向けグレード「NR-A」や、装備を充実させた「S Special Package」(MT車)、軽量化を図ったスポーティグレード「990S」の3タイプが300万円を切るグレードとして設定されており、安価なモデルの選択肢は豊富でした。
改良では990Sが廃止されたうえ、ほかのグレードが値上がりしたため、Sが唯一の300万円切りとなりました。
また、従来の990S(車両重量990kg)に代わり、新型ロードスターではSがシリーズ最軽量(1010kg)のグレードとなる点も注目されます。
※ ※ ※
多くの新型車では価格の上昇だけでなく、ボディサイズのアップに加え、MTが廃止されている傾向にあり、従来MTが用意されていたモデルでも改良によって設定が消滅するといったことが多くあります。
その一方、新型ロードスターSではほかのスポーツモデルと比較して低価格でかつ、MTでオープンスポーツを楽しめるという貴重な選択肢になっています。
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みんなのコメント
マツダはただの安価モデルにしているのではなく、あくまでNAのフィーリングを味わえるグレードにしています。
でも990Sが無くなったのは残念ですね。
仕方ないけどね。