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新生KYOJO CUP開幕。フォーミュラカーでの初戦は下野璃央が2位に大差をつける完勝

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新生KYOJO CUP開幕。フォーミュラカーでの初戦は下野璃央が2位に大差をつける完勝

 2025年KYOJO CUPの第1戦が5月10~11日に富士スピードウェイで開催され、参戦4年目となる下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)が自身初勝利を含む2連勝を挙げ、開幕初戦を完勝した。

 2017年に誕生した 女性限定レースシリーズのKYOJO CUPは今年で9年目を迎え、 ハイブリッドシステム搭載の新型フォーミュラ車両『KC-MG01』の導入や、スプリント、ファイナルの2レース制にフォーマットの刷新を行うなど大幅にパワーアップ。

気合と根性は誰にも負けない大阪娘。熱い闘志で目指すはスーパーGT【KYOJOインタビューVol.4/下野璃央】

 シーズンオフの合同テストを経て迎えた開幕戦には、昨年“夫婦王者獲得”の偉業を成し遂げた斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KC-MG01)を筆頭に、タイトルを争った翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01)やFIA-F4経験者の下野など、これまでKYOJO CUPで熱戦を繰り広げたドライバー達に加え外国人選手も参戦し、総勢20名が日本初の女性限定フォーミュラカーレースに挑んだ。


■0.02秒差でPPを獲得した下野がスプリントで圧勝

 10日の9時55分から行われた公式予選は、昨夜から降り続く雨の影響でウエットコンディションとなり、全車レインタイヤを装着して走行を開始した。

 その予選は、計3回のKYOJO CUPプレシーズンテストで好成績を残し、今季もFIA-F4に参戦するフォーミュラ経験豊富な下野が前半をリード。セッション折り返しではバートン・ハナ(BigBoss W TOM'S KYOJO KC-MG01)がトップを奪うも、最終アタックでベストタイムを更新した下野がスプリントレースのポールポジションを獲得した。バートンはわずか0.02秒及ばず2番手、翁長がトップと0.532秒差で3番手につけた。

 10周のスプリントレースは予選後の14時30分から曇り空のもと迎える。ドライとウエット路面が混在するダンプコンディションのためスタートは当初のスタンディングスタートからセーフティカー(SC)先導になったものの、4周目から競争女子たちのガチンコバトルが幕を開けた。

 そのスタートではSC退去後の13コーナーから好ダッシュをみせた下野がバートンとの差を広げた状態でホームストレートへ。下野に引き離された2番手バートンはターン1のTGRコーナーで3番手の翁長にブレーキング勝負を挑まれ、アウトからバートンをかわした翁長が2番手に浮上する。

 ペースの上がらないバートンは、続いて平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)、佐藤こころ(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)にもオーバーテイクを許し、2番手スタートから5番手まで後退してしまう。

 レース終盤には、佐々木藍咲(LHG KDDP KC-MG01)と9番手を争っていた斎藤が、混戦状態の前方集団を回避するためスピンアウト、ディフェンディングチャンピオンが19番手までポジションを下げる事態に。

 さらに織戸茉彩(TGM Grand Prix KC-MG01)と細川由衣花(富士山静岡レーシング KC-MG01)が接触し、白石いつも(AIWIN Re-Kobe KC-MG01)が単独スピンを喫するなどアクシデントが多発。しかし先頭集団は順調に周回を重ね、トップ3の顔ぶれは変わることなく下野、翁長、平川の順で開幕初戦スプリントはチェッカーフラッグが振られた。

 2位の翁長に9.6秒の大差をつけてKYOJO CUP初優勝を飾った下野は、「グリッドでは緊張していましたが、スタートがうまくいって序盤から後続を引き離せたので、心に余裕を持って走ることができました」と時折笑顔を見せながらスプリントレースを振り返る。

「本番は明日なので優勝という感覚はないですが、決勝もトップスタートなので安心感はあります。明日も後ろを引き離せるように頑張ります」


■ファイナルも制した下野が2連勝。開幕戦を完勝で飾る

 翌11日の日曜日、12時45分から行われた12周のファイナルレースは昨日の悪天候から一変して青空が広がるなか、フォーメーションラップを経てローリングスタートが切られた。

 ファイナルレースのスターティンググリッドはスプリントの結果がそのまま適用されるため、レースはポールポジションからスタートした下野がリードを広げていく。

 その後方では平川と佐藤による3番手争いが繰り広げられ、4周目のTGRコーナーで佐藤がアウトから平川に襲い掛かる。ここではなんとかポジションを守った平川だったが、佐藤の猛攻は止まらず5周目、6周目も同じくTGRコーナーでバトルを仕掛け、続くコカ・コーラコーナーでインを取った佐藤が3番手に浮上する。

 順位を落とした平川の背後には永井歩夢(NBAありそ鮨しKYOJOフォーミュラ KC-MG01)が迫る。レース序盤に3番手を争い、勢いに乗る永井は平川をパスして一時4番手に浮上するも、10周目のTGRコーナーで痛恨のコースアウトを喫し、平川が4番手争いを制した。

 コースアウトした永井はスタートからポジションを6つあげた斎藤にも先行を許し、11周目のダンロップコーナーで斎藤が7番手に浮上。また、斎藤の昨シーズンの僚友であり、タイヤ交換によるグリッド降格で18番手からスタートした白石いつも(AIWIN Re-Kobe KC-MG01)も積極的にバトルを挑んでいき、10番手までポジションを上げる快進撃をみせた。

 一方、トップの下野はハイペースの独走を続けてチェッカーを受け、スプリントに続いてファイナルでも優勝を果たした。下野はファステストラップも記録し、女性限定フォーミュラカーレースの開幕大会を完勝で締めくくった。9.1秒差の2位には翁長、3位には佐藤が続いている。

 ファイナル終了後には記者会見の場が設けられ、取材陣の質問に時折言葉を詰まらせ、2位の翁長にフォローされる一幕をみせた下野は「参戦4年目のKYOJO CUPでやっと初優勝ができ、フォーミュラ初年度の開幕戦という記念すべきレースで結果を残せたことは素直に嬉しいです」と、ようやく手にした初優勝の喜びを語った。

「まずはスタートをきっちり決めることを意識し、スタートで前に出られなかったらフルプッシュするつもりで走っていました。次戦までは期間が開くので、できるだけ練習やシミュレーターなどの準備をして挑みたいです」

 次戦となる2025年KYOJO CUP第2戦は、7月19~20日に全日本スーパーフォーミュラ選手権の併催大会として富士スピードウェイで開催される予定だ。

https://www.youtube.com/watch?v=pdfuD93LlZ8

[オートスポーツweb 2025年05月14日]

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