今シーズン、大きく躍進しているアルファロメオ。バルテリ・ボッタスは予選Q3に安定して進出しており、わずか6戦ですでに昨シーズン(13ポイント)の3倍となる39ポイントを獲得している。
しかしチームは次戦モナコGPに向けて、最大のサプライズを起こすチャンスがあると感じている。今季マシン『C42』のパフォーマンスに対する理解が深まるにつれ、低速コーナーがアルファロメオの強みの中核であることが分かってきたからだ。
■「今日は“僕の日”かも!」ボッタス、一時3番手浮上で夢見るもハミルトンに敗れる
ボッタスは、「来週のモナコGPは、僕たちのクルマにぴったりだと思う」と語った。
「モナコは低速コーナーが中心だし、僕らのクルマは低速コーナーがすごくいいんだ」
スペインGPの舞台であるカタルニア・サーキットの走行データを見ると、ボッタスの主張は間違っていないようだ。一般論として、カタルニアのセクター3は中低速コーナーが連続するため、そのマシンがモナコでどのようなパフォーマンスを発揮できるかを示す指標になると言われている。
予選時の各車のセクター3最速タイムは、以下のようになっている。
フェラーリ 27.336s
レッドブル 27.411s
アルファロメオ 27.443s
ハース 27.561s
メルセデス 27.698s
マクラーレン 27.768s
アルピーヌ 27.896s
アルファタウリ 27.984s
アストンマーチン 28.197s
ウイリアムズ 28.586s
このデータだけでも、アルファロメオにとっては励みになるデータだが、さらに細かくGPSデータを見てみると、実はいくつかのミニセクターでアルファロメオが最速だったのだ。
シャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ボッタスの予選ラップを比較すると、ターン12への進入、シケインの出口、最終コーナーでボッタスが最も速かったことがGPSで確認できるのである。
低速域でのトラクションが良好なことから、ボッタスはモナコGPでアルファロメオが上位2~3チームに食い込めると考えているようだ。
データからは楽観的な兆候が見られたものの、アルファロメオはあまり浮かれてはいない。トップチームが強力であることに疑いの余地はなく、衝撃的な勝利を収める可能性はほとんどないとしている。
アルファロメオのトラックサイドエンジニアリング責任者であるセビ・プホラールは、モナコで”マジック”を期待してはいない。
「パフォーマンスという点では、マジックは期待できない。我々は低速に強いが、トップチームも低速に強い。我々が彼らよりずっと良いというわけではなく、彼らに近いんだ」
「おそらく中団との差はもっと開くだろうし、もう少しマージンがあるだろう。でもフェラーリ、レッドブル、メルセデスのセクター3でのパフォーマンスを見ると、彼らも良いんだ」
「スペインでは4番手を争っていたのに、最終的に6位に終わった。それ以上の結果を目指さない理由はない」
「もちろん、我々はトライする。もし誰かがミスをしたら、そのチャンスを活かそうと思う。だが我々の最優先事項は、2台とも速く走れるようにすることだ」
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