今はテスラにとって追い風
今年5月の車種別輸入車登録台数で、『テスラ・モデルY』がミニを抜いてトップになるというニュースがあった。
【画像】『テスラ・モデルY』が日本でも輸入車ベストセラーモデルに!3列6人乗り『モデルY L』を詳しく 全57枚
テスラは登録台数を公表していないが、ミニはもちろんフォルクスワーゲン・ゴルフやBMW 3シリーズといった、輸入車の定番車種を上回ったことになる。
ホルムズ海峡封鎖で、石油価格が不安定になったことも大きいが、経済産業省の『クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金』で、今年1月からテスラ各車の補助金が大幅アップになったこと、4月に3列シート6人乗りの『モデルY L』が追加されたこと、6月末までスーパーチャージャーと呼ばれる急速充電施設の利用を3年間無料とするキャンペーンがあったことも効いているだろう。
このうちCEV補助金については、日米優遇、中韓冷遇の色が濃いことが、あちこちで指摘されている。経済産業省のホームページを見ると、『日米関税協議の合意も踏まえて』今年1月に見直しを行ったという記述があるので、米国追従の色が濃い現政権の意向が反映されたのかもしれない。
それを含めて今は、テスラにとって追い風であることは間違いない。そのタイミングに合わせてモデルY Lを発売するのは、スペースXの新規上場で世界初の『兆万長者』になったイーロン・マスク氏の会社らしい。
ではクルマの出来はどうなのか。気になった僕は、新たに追加されたモデルY Lをテスラジャパンからお借りすることにした。
モデルYより長くなったぶん、自然なプロポーションに
モデルY Lの外寸は全長はモデルYより170mm長い4970mm、全高は45mm高い1670mmで、ホイールベースも150mm伸びて3040mmになった。全幅は1920mmのまま。日本車で言えばマツダCX-80に近いボリュームだ。
スタイリングは相変わらずシンプル&クリーン。3列シートでありながら、ルーフはきれいな弧を描いていて、モデルYより長くなったぶん、自然なプロポーションになったような気がする。
ディテールで目についたのは、モデルYにも2025年のマイナーチェンジで採用された、拡散反射技術を用いたボディパネルテールライト。間接照明っぽい光り方で、テスラらしい先進性をさりげなく入れた技に感心してしまった。
キーはカード型で、車両に近づくと自動的にロックが解除されるが、同じ機能をスマートフォンの専用アプリに入れることも可能。アプリでスーパーチャージャーの充電状況などを見ることもできるので、結局カードキーは一度も使わなかった。
インパネは最新のモデルYと同じで、ドライバーの前にメーターはなく、シフトレバーを含めてセンターディスプレイに統合されている。
ドアを開けた時点でスイッチはオンになっていて、シートベルトを閉めブレーキペダルを踏むと自動的にDレンジに入り、発進OKとなる。バックで車庫入れするような状況で同じ動作をすると、カメラで周囲をチェックしているようで、Rレンジに入る。
手動でセレクトするときは、センターディスプレイ右端のクルマの表示を上下にスワイプすればいい。縦列駐車でDとRを交互に選ぶときなど、扱いやすかった。
以前のテスラより性格が丸くなった
前席の座り心地は固すぎず、サポート感もあり快適。2列目は最後方までスライドさせると、身長170cmの僕なら足が組める。2列目中央の通路からアクセスする3列目は、つま先は2列目の下に入るし、頭上はリアウインドウに触れず、想像以上に広かった。
トランクは他のテスラと同じように前後にある。リアはゲート脇のスイッチで、2/3列目ともに背もたれが電動で前に倒れるので、長物の収納が楽そうだった。
走りの面でまず感じたのは、以前のテスラより性格が丸くなったこと。加減速に唐突感はなく、電子制御ダンパーのおかげもあって乗り心地はしっとり。試乗後に広報スタッフに聞くと、ファミリー向けというクルマの位置づけもあるとのことだった。
速さについては、100km/hまで5秒フラットなので、まったく不満なし。デュアルモーターのAWDなので、ハンドリングは安定しているが、こちらも反応の鋭さはない。
ステアリング右のスイッチで操作する先進運転支援機能は、試乗車はオプションの『エンハンスト・オートパイロット』にアップグレードされており、高速道路での前車追従、車線維持のほか、車線変更もアシストする。こちらも一連の動作に違和感はなかった。
それ以外の多くの操作は、タッチ操作あるいは音声入力で行う。筆者は原稿の執筆にも音声入力を活用しているぐらいなので、後者を多用した。慣れれば手をステアリングから離すスイッチより安全ではないだろうか。
使いやすさへの配慮も印象的
航続距離はWLTCモードで788kmと、国内で売られるテスラではもっとも長い。しかも試乗中に電池残量が半分ぐらいになったので、スーパーチャージャーで充電をすると、20分で80%に回復した。この程度の待ち時間なら我慢できる。
充電器側の操作が一切ないなど、使いやすさへの配慮も印象的。ナビで関西地方を目的地設定すると、途中で充電すべきスーパーチャージャーの案内も出てくる。EVにまつわるストレスを、可能な限り減らしていこうという意志が伝わってきた。
他車ではなかなか充電が進まないスマホの非接触充電が、あっという間に80%になったのも驚きだった。15Wが一般的な出力が最大50Wもあるうえに、エアコンで冷却していることが大きいようだ。
749万円という価格は、最初に書いたCEV補助金を使えば622万円になり、自治体の補助金の例として東京都のそれを含めると、562万円まで下がる。モデルY全体で言えば、東京都でのスタート価格は361.7万円だ。
ただ仮に東京都民でなくても、先進的なモノが好きな人なら買ってしまうのではないだろうか。老舗ブランドとはクルマづくりのスタートラインからして違っていて、テスラでなければ得られない世界がしっかりある。
EVながら輸入車ベストセラーになったというニュースは、乗ると納得なのである。
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みんなのコメント
これで削除されるような内容のコメントをしていると学習してくれればいいけど、また反発するのかな?
と言うより買えないからと言って妬むのは止めろ。
時代は動いてる。