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NASCARトラックシリーズに『ダッジ・ラム』が復帰へ「ヘミが帰ってきた。その先はカップだ!」

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NASCARトラックシリーズに『ダッジ・ラム』が復帰へ「ヘミが帰ってきた。その先はカップだ!」

 現地6月7日の土曜夜にNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第13戦『DQSソリューションズ・アンド・スタッフィング250』がミシガン・インターナショナル・スピードウェイで開催されたのにあわせ、明けた現地日曜にはステランティス傘下のラム(ダッジ)がシリーズへの復帰を発表。同時に新型『ラム1500コンセプト』を公開し、改めて2026年以降の活動再開をアナウンスした。

 乗用車部門のダッジと切り離され、現在はグループ傘下で独自のトラック部門として歩みを進めるラムだが、改めて2012年に17年間の活動を経てシリーズから撤退し、そこから13年間の休止期間を経てNASCARに復帰することになる。

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「その10数年以上もの間、カスタマーやディーラーネットワークからNASCAR復帰について問い合わせがあり続けていたんだ」と語るのは、現在ラム・ブランドのCEOを務めるティム・クニスキス。

「もちろんNASCAR復帰への意欲はつねに抱いていたが、最後の10分の1を実現できる計画はなく、我々のDNAに合致するプランは皆無だった。だが今、我々は他社との差別化を図り、アメリカのモータースポーツに新たな関心と興奮をもたらす確固たる計画を持っているんだ」

 双方のブランドが今後18カ月かけて発表する「25の製品発表のうちのひとつ」とされた今回のアナウンスだが、クニスキスCEOはラムがこれほど長期間に渡ってNASCARから遠ざかっていたのは、投資回収が困難だったためだと認める。しかし伝統の“HEMI(ヘミ)”復活に伴い、レース界への復帰は「理にかなっている」とも強調した。

「我々がこれを実行する理由は、NASCARファンの2000万人を無視できないからだ」と続けたクニスキスCEO。「我々がもっとも心配しているのは、NASCARレースの駐車場にいる人々だ。この2000万人のうち50%はピックアップトラックを運転している。その50%のうち20%は、すでにラムを購入している。つまり2000万人から1000万人、そしてそのうち20%を今後さらに増加させるには、やり方を変えなければならない。そうしない限りROI(Return On Investment/投下資本利益率)は生まれないんだ」

 今後の目標はその2000万人を8000万人に、さらには1億人へと増やすことが目標だと語るCEOは「その計画も持っていて、その実現方法も分かっているし、そこに到達する道筋も見えている」と強気な言葉を残し「我々のやり方は楽しいから、きっと皆に気に入ってもらえると思う」と発言した。

 発表同日に公開されたティーザー映像では同社のデザインチームによって設計され、量産モデルとのリンクを感じさせつつグリルの中央には大きなラムのロゴが配置された『ラム1500コンセプト』のステアリングを握り、自らレースカーをドライブしながら「これはオレたちのものだ。我々は間違えた。そして、それを修正している。聞こえるか? これがオレたちのヘミだ。『我々は帰ってきた』と言っているんだ」と語りかける。

 チームラインアップやドライバーなど、2026年の計画については後日発表される予定だが、CEOは残りのレーストラックでの活動継続を含め、同社にはまだまだ多くの発表の場があると断言し、映像の続きでは「我々はアメリカのモータースポーツに帰ってきた。ヘミは帰ってきた。そして、我々はどこにも行かない」と宣言した。

 そのNASCARには現在フォード、シボレー、そしてトヨタの3メーカーが参戦しているが、少なくともトラックシリーズにおいて当面はラムが4番目のメーカーとなる。同CEOはトラック発表会でメディアに対し「まずはトラックで、そしてその後はカップ・シリーズに参戦するつもりだ」と、将来的な最高峰シリーズ復帰の可能性にも言及した。

「どうやって(トラックシリーズに)出場するかは、最高峰への道筋を築けるかどうかに大きく影響するだろう。意思はある、トラックもある。でも実際にデートする相手をまだ探している状況だ。でも一発屋でトラック・シリーズに進出してカップ・シリーズには進出しない、というようなことは考えていない。それは我々の計画ではないからね」

 まだグループ傘下のどのブランドが適任かを決定する段階ではないものの、かつてのダッジが最後にカップシリーズに参戦したのは2012年で、ロジャー・ペンスキーの組織力とブラッド・ケセロウスキーの活躍でチャンピオンシップを獲得。長いブランクを経てNASCARとメーカーの双方が合意した後、車体の承認申請など本格復帰には複数のステップを踏む必要がある。そのためNASCARとすべての手続きを終え、レースに出場できるまでには少なくとも18カ月程度は掛かる見込みだ。

「ラムがNASCARクラフツマン・トラック・シリーズに復帰することは、このスポーツにとって大きな節目であり、NASCARが優良ブランドパートナーにとって強力なプラットフォームであり続けていることの証だ」と歓迎の意を示すのは、NASCARのエグゼクティブ・ヴァイスプレジデント兼チーフ・レーシング・デベロップメント・オフィサーであるジョン・プロブスト。

「ラムをこのスポーツにふたたび迎えられることを大変うれしく思う。そのアイデンティティは高性能、耐久性、そして革新性であり、これらはNASCAR……とくにクラフツマン・トラック・シリーズを体現するものだからね」と続けたプロブスト。

 北米市場では多くの要望があった5.7リッターV8“HEMI”エンジンの復活もアナウンスされ、同エンジンは2026年型『ラム1500』に搭載され、早くも注文受付が開始される。プロブストも、この流れに即して復帰したトラック・シリーズでのキャッチアップを確約する。

「もちろんNASCARでも、活動休止以前に使用していたブロック、ヘッド、マニフォールドといったコアコンポーネントは、すべて今でも有効だ。ただ既存のエンジンメーカーは毎年エンジンを開発しているので、そこにギャップが生じる。そのエンジン開発は必要だが、基本的な構成要素から始め、そこから追い上げていくことは可能なはずだよ」

[オートスポーツweb 2025年06月09日]

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