現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 80年代“レプリカブーム”をけん引した伝説の2ストマシン! ホンダ「NSR250R」ってどんなバイクだった?

ここから本文です

80年代“レプリカブーム”をけん引した伝説の2ストマシン! ホンダ「NSR250R」ってどんなバイクだった?

掲載 52
80年代“レプリカブーム”をけん引した伝説の2ストマシン! ホンダ「NSR250R」ってどんなバイクだった?

二輪黄金期を象徴するNSR250Rの真価

 1980年代は各社が高性能モデルを競い合った時代でした。

【画像】80年代「2スト伝説」の幕開け! ホンダ「NSR250R」の歴史を画像で見る(20枚)

そんな中1986年に発表されたホンダ「NSR250R」は、GP250のノウハウを市販車へ投入した意欲作と評されます。

 乾燥重量125kg、45馬力のスペックは同時代でも群を抜き、その革新性は今なお語り継がれる理由となりました。

 1980年代の二輪市場では、ヤマハ「RZ250」、ホンダ「VT250F」、カワサキ「GPZ900R」など高性能なモデルが展開されました。この時代は二輪業界にとって革新が加速した黄金期であったとも言えます。

 ホンダ「NSR250R」はそのような各社の高性能競争の中、1986年10月に発売されたモデルです。

 新設計の水冷2サイクル90度V型2気筒MC16Eエンジンは一次振動を理論上ゼロとし、一軸クランクで摩擦抵抗を低減させています。

 その結果エンジンをフレームにダイレクトに固定して搭載できるため優れた操縦性を実現しています。

 吸気面ではクランクケースリードバルブ方式を採用して吸気効率を高め、排気側にはエンジン回転数に応じて開閉を制御するRCバルブを装備します。

 この機構により中低速域から高速域まで力強い出力特性を発揮する点が特徴です。

 車体ではスリムなエンジン幅を活かしエンジン自体をフレームの一部として設計しました。

 ホンダ独自の「目の字」断面構造を持つアルミダイヤモンドフレームは高剛性かつ軽量で、低シート高750mmを確保しています。

 フルフェアリングと大型リアカウルが一体となったエアロフォルムは空気抵抗を抑え、高速域でも優れた安定性をもたらしています。

 ボディサイズは全長2035mm×全幅705mm×全高1105mmで、ホイールベース1360mmとすることでコンパクトにまとめています。

 足回りは前100/80-17、後130/70-18の偏平タイヤを履きS字断面アルミホイールとアルミ製スイングアームを採用しています。

 前輪にフローティング式ダブルディスク、後輪にシングルディスクのトリプルディスクブレーキを装備し制動力を高めました。

 フロントサスペンションはテレスコピック式円筒空気バネ併用フォーク、後懸架はプロリンク式スイングアームで路面追従性を向上させレーサーレプリカとしての走行性能を確保しています。

当時55万9000円と手ごろな値段だった

 パワーユニットは、エンジン後方へ平行配置されたキャブレターと20度前傾した配置により低重心化を実現し、排気効率を最大化するRCバルブと相まって高いトルク特性を発揮する点が魅力でした。

 最高出力45PS/9500rpm最大トルク3.6kgm/8500rpmという性能は、当時の250ccクラスで他を寄せ付けない数値となります。

 機能面では摩擦抵抗を低減し耐摩耗性に優れたNSシリンダーとフラッシュサーフェイスピストンを採用して耐久性を向上させています。

 コンピューター制御のオイルポンプ機構によりオイル消費量を大幅に低減し、アルミ製シングルコアラジエターは高い冷却効率を誇ります。

 燃費試験値は50km/h定地走行で41.0km/Lを達成し実用面でも優れたモデルと言えます。

 全国標準現金価格は55万9000円に設定されており、手の届きやすい価格帯で最先端を体験できる点も魅力と評価されました。

 1987年以降は「ホンダNSR250」シリーズとして改良が加えられ、ヤマハ「TZR250」やスズキ「RGV250」とともにレーサーレプリカブームを牽引しました。

 GP250で培ったファクトリーマシンの構造とイメージを市販車へほぼそのまま投入する設計思想はファンの支持を集め、「真のレーサーレプリカ」と称賛される存在です。

※ ※ ※

 ホンダ「NSR250R」はGP250直系の軽量高剛性アルミフレームと90度V型2気筒エンジンを組み合わせ、乾燥重量125kgで45PSを発揮した2ストスーパースポーツです。

 多彩な電子制御機構と高性能足回りを手頃な55万9000円で提供し、1987年以降のレーサーレプリカブームを加速させた功績は大きいものといえます。

 現在もその革新性は語り継がれる存在です。(Peacock Blue K.K.)

文:VAGUE Peacock Blue K.K.
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

どこまでも行こう! 長距離ツーリングでも快適で疲れ知らずの 国産「大型ツアラー」バイク3選
どこまでも行こう! 長距離ツーリングでも快適で疲れ知らずの 国産「大型ツアラー」バイク3選
VAGUE
米国で発見された「ナナハンキラー」 41年前の2スト・スポーツ メーター表示は2700キロの極上個体 ヤマハ「RZ350」の現在の価値とは
米国で発見された「ナナハンキラー」 41年前の2スト・スポーツ メーター表示は2700キロの極上個体 ヤマハ「RZ350」の現在の価値とは
VAGUE
ホンダの大人気クルーザー「レブル250」シリーズに新設定された“Eクラッチ”仕様の実力とは? 「クラッチ操作が不要」だから快適性が圧倒的
ホンダの大人気クルーザー「レブル250」シリーズに新設定された“Eクラッチ”仕様の実力とは? 「クラッチ操作が不要」だから快適性が圧倒的
VAGUE
【BMW G 310 GS試乗】普通自動二輪免許で乗れるリトルアドベンチャーGSの実力チェック!
【BMW G 310 GS試乗】普通自動二輪免許で乗れるリトルアドベンチャーGSの実力チェック!
モーサイ
サーキット走行も長距離ツーリングだってこなしちゃう!? 公道走行もツラくない ミドルクラス「スーパースポーツ」バイク3選
サーキット走行も長距離ツーリングだってこなしちゃう!? 公道走行もツラくない ミドルクラス「スーパースポーツ」バイク3選
VAGUE
【ホンダCB750F(1981)試乗】「バリバリ伝説」巨摩 郡の愛機CB-Fは新時代を予感させる空冷ナナハンだった
【ホンダCB750F(1981)試乗】「バリバリ伝説」巨摩 郡の愛機CB-Fは新時代を予感させる空冷ナナハンだった
モーサイ
「中古なら16万円からある!?」「便利すぎるスクーター」ホンダPCX/160(2020/2021)モデル比較試乗レビュー
「中古なら16万円からある!?」「便利すぎるスクーター」ホンダPCX/160(2020/2021)モデル比較試乗レビュー
WEBヤングマシン
新型トライアンフ「SPEED TWIN 900」日本登場から半年 現代的“クラシックバイクの進化形”に対する販売店に寄せられる反響とは
新型トライアンフ「SPEED TWIN 900」日本登場から半年 現代的“クラシックバイクの進化形”に対する販売店に寄せられる反響とは
VAGUE
これは楽しすぎるぞ! ヤマハPG-1、ライバル徹底比較試乗インプレ【オフロード編】
これは楽しすぎるぞ! ヤマハPG-1、ライバル徹底比較試乗インプレ【オフロード編】
WEBヤングマシン
「安くて手軽」だけじゃない! 高級感と快適な走りを両立する“オトナのための原付二種” 国内メーカー「125ccスクーター」3選
「安くて手軽」だけじゃない! 高級感と快適な走りを両立する“オトナのための原付二種” 国内メーカー「125ccスクーター」3選
VAGUE
長距離ツーリングも疲れにくい 街乗りだって扱いやすい 国内メーカーのミドルクラス「ネイキッドバイク」3選
長距離ツーリングも疲れにくい 街乗りだって扱いやすい 国内メーカーのミドルクラス「ネイキッドバイク」3選
VAGUE
1000万円超え! ホンダ「“和製スーパーカー” NSX」登場! 全長4.4mサイズにパカッと開く「リトラライト」×高性能V6ユニット&5速MT搭載! 伝説の“34年落ちモデル”が豪で落札
1000万円超え! ホンダ「“和製スーパーカー” NSX」登場! 全長4.4mサイズにパカッと開く「リトラライト」×高性能V6ユニット&5速MT搭載! 伝説の“34年落ちモデル”が豪で落札
くるまのニュース
4気筒250cc・スポーツ系の心臓を持った元気印ネイキッドたち[クォーターマルチ烈伝#03]
4気筒250cc・スポーツ系の心臓を持った元気印ネイキッドたち[クォーターマルチ烈伝#03]
WEBヤングマシン
普通二輪免許で乗れるトライアンフ 新型「スクランブラー400 XC」発表! チューブレススポークホイールやガード類を備えた本格派へ
普通二輪免許で乗れるトライアンフ 新型「スクランブラー400 XC」発表! チューブレススポークホイールやガード類を備えた本格派へ
WEBヤングマシン
「この音が聞きたかった」「やっぱ4発」ヤマハ「XJ400D」& ホンダ「CBX400F」動画つき試乗インプレッション
「この音が聞きたかった」「やっぱ4発」ヤマハ「XJ400D」& ホンダ「CBX400F」動画つき試乗インプレッション
WEBヤングマシン
“世界のHONDA”の原動力になった1台! ホンダでもっとも歴史ある半世紀超えの車名「シビック」 53年前に登場した初代ってどんなクルマ?【今日は何の日】
“世界のHONDA”の原動力になった1台! ホンダでもっとも歴史ある半世紀超えの車名「シビック」 53年前に登場した初代ってどんなクルマ?【今日は何の日】
VAGUE
635馬力の“史上最強”モデル「ディフェンダー・オクタ」舗装路と悪路での実力は? 2.5トン超のヘビー級ながら「走り味はまるでスポーツカー」
635馬力の“史上最強”モデル「ディフェンダー・オクタ」舗装路と悪路での実力は? 2.5トン超のヘビー級ながら「走り味はまるでスポーツカー」
VAGUE
GTRは日産だけじゃない! ブリヂストンのオートバイ【350GTR】(1967~1971)は、北米市場に向けた渾身の最終モデルだった
GTRは日産だけじゃない! ブリヂストンのオートバイ【350GTR】(1967~1971)は、北米市場に向けた渾身の最終モデルだった
モーサイ

みんなのコメント

52件
  • 新井実
    NSRは公道を走れないレース用のバイクみたいなレプリカではなく、レーサーに保安部品を付けて公道走行可能にして市販したバイクって思います。私も借りて乗りましたが、今までのレプリカとは確実に違いました。しかも乗り易い。こんなバイクが普通に市販された時代が凄かった。
  • kurosuke76
    巷で'88最強なんて言われて、確かに最高出力は高いかもしれないけど下がスカスカでピーキー
    おなじカタログ表記45馬力の'90は、最高出力は劣っても下からフラットにトルクフルで扱いやすく、フレーム剛性もバランス取れて旋回性能は明らかに上、トータルでは速いし、チャンバー替えれば'88にチャンバー替えたよりも明らかにパワーもありますが、やっぱ’88最強伝説は信じたい世代てんです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村