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フェラーリ プロサングエが京都でデビューした理由【九島辰也】

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フェラーリ プロサングエが京都でデビューした理由【九島辰也】

輸入車 [2022.11.11 UP]


フェラーリ プロサングエが京都でデビューした理由【九島辰也】
文●九島辰也 写真●フェラーリ

【フェラーリ 296GTS】これぞイタリアンマジック!【九島辰也】

 9月のワールドプレミアからおよそ2ヶ月、フェラーリプロサングエが日本でお披露目となった。場所は京都。仁和寺の境内にステージを作るというかなり大掛かりな演出でのローンチだ。次世代スーパーカーとも言える最新のフェラーリと歴史的建造物の見事なコラボレーションである。


 クルマの詳細はすでにこの連載で触れているのでここでは省くが、いわゆる一般的なSUVとして扱うのはフェラーリとしてはNGのようだ。彼ら曰く、「新しいカタチのスポーツカー」となる。プロサングエはイタリア語でサラブレッドのことを意味するが、それは同時にピュアブラッド、“純血”を指しているらしい。つまり、背が高くなり、ドアが4枚になり、リアに2座が用意されたとしても、フェラーリのスポーツカーであることは変わらないということを言い表している。


 それでは、仁和寺でフェラーリジャパン代表のフェデリコ・パストレッリ氏にインタビューしたので、その内容をお伝えしよう。自動車メディアを中心に多くの質問が飛び交った。


 まず、なぜ京都でお披露目になったかだが、それには京都とフェラーリに共通点があるという。それは歴史を大切にするという観点だ。確かに、フェラーリというブランドは、スクーデリアフェラーリの時代からレースを背景に積み上げてきた足跡を大事にしている。クラシックフェラーリに鑑定書を出すのもそうだし、かつてのネーミングを新型車に取り入れたりしている。それにF1を背景にしたクルマつくりという一貫したスタイルもそうだろう。ブレない姿勢もまた伝統を重んじる証かもしれない。

 イタリア現地時間9月13日にワールドプレミアされたプロサングエはフェラーリオーナーを中心に世界中で大きな反響を生んだ。フェデリコ・パストレッリ氏は「フィードバック」という言葉を使ったが、それは同時に多くのオーダーを得たことに間違いない。ただ、実際販売台数に関する問いには、「数字は一切公表できない」という返答だった。それでも、今回のような京都での大掛かりなイベントを行った理由は、多くのフェラーリオーナー、またはフェラーリの購入を希望している人々と直接会えるチャンスだからだそうだ。確かにそれはフェラーリ流と言えるだろう。実際の購入にはディーラーを介するが、マラネロとカスタマーの間でダイレクトマーケティングされるのがフェラーリの得意とするワザだ。その意味でも、今回のような日本中からフェラーリオーナーを呼んだ発表会はかなり意味あるものといえる。


 では、プロサングエはそんな既存のフェラーリオーナーに向けて計画されたものなのか。そんな問いにフェデリコ・パストレッリ氏は、「ターゲットはフェラーリオーナーでもあるし、新規ユーザーでもあります」と口にした。既存のフェラーリオーナーからは「家族で乗れるフェラーリをつくって欲しい」という声が前々からあったそうだ。また、フェラーリカリフォルニアがそうであったように、新規顧客も期待していると語った。4ドア4シーターのハイパフォーマンスカーだから欲しいという人も受け入れたいという考えだ。ちなみに、カリフォルニアは新規顧客獲得に成功したモデルとしてフェラーリ社内で称賛されている。登場時、母数が一気に倍になるくらいのヒットとなった。


 こんな質問もあった。それはプロサングエは自然吸気V12エンジンで登場したが、今後V8ターボやプラグインハイブリッドなども追加されるのか?というものだ。それに関してはシンプルに「ノー!」となる。プロサングエに合うのはこの12気筒ユニットで、それ以外の計画はないというものだ。きっとSF90ストラダーレや296GTB/GTSのように、プラグインハイブリッドモデルはそれはそれで専用設計になるのであろう。

 それじゃプロサングエの組み立てラインは新しく用意されたものなのかと問うと、他の12気筒エンジンモデルと混在だと言う。ボディの高さ、ドアの枚数、リアシートの有無など特異性はあるものの、これまでのスポーツカーと同じラインで生産されるそうだ。そしてそれがこのクルマもフェラーリである証拠とも付け加えていた。


 以上が、一連のインタビューの流れである。その後仁和寺境内のメインステージに場所を移し、夜空の下フェデリコ・パストレッリ氏はフェラーリオーナー達を目前にこのクルマの魅力を熱く語り続けた。「まったく妥協のない仕上がり」。それがプロサングエの出来栄えを物語っている。

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