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ひと皮剥けた自信。角田裕毅「この2戦で感情を抑えられて嬉しかった」春開催の鈴鹿F1に向けて手応え十分

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ひと皮剥けた自信。角田裕毅「この2戦で感情を抑えられて嬉しかった」春開催の鈴鹿F1に向けて手応え十分

 F1第4戦日本GPを前に、角田裕毅(RB)が日本の複数のメディアを対象とした会見に応じ、自身3度目となる母国グランプリへ向けた抱負を語った。その会見での角田の様子を見ていると、今年の日本GPは過去の2回と少し異なっているように感じた。

 一番の違いは、落ち着いていることだ。

角田裕毅7位「日本のファンに希望を持ってもらえる結果を出せた。このマシンで鈴鹿初入賞を目指す」/F1第3戦

「2022年はF1ドライバーとして走るのが初めてで、F4とかジュニアカテゴリー時代に観客として見ていたF1の舞台にF1ドライバーとして戻ってきたということもあって、特別な思いがありました」

 しかし、F1ドライバーとして初めての鈴鹿でのF1は、日曜日が雨となり、13位でフィニッシュした。

「自分のすべての力を出して、予選でQ3、レースでポイント獲得」を目標にして臨んだ2023年は、負傷したチームメイトのダニエル・リカルドの代役を務めたリアム・ローソンとの激しいチーム内バトルにより、悔しい12位に終わった。

 母国グランプリともなれば、思い入れが一層強くなるのは当然のこと。しかし、今年の角田は泰然自若としている。

「今年も去年と同じような感じで、何か大きく変わったとは思っていませんが、日本GPだからといってプレッシャーを感じるとかそういうことはなくて、いまは楽しみのほうが大きいです。日本GPだからといって、ほかのグランプリ以上に興奮しているかといわれれば、決してそんなことはなく、ほかのレースと同じように、24レースのうちのひとつのレースとして、リラックスした気持ちでいて、ドライバーとしてはいい状態で臨むことができると思います」

 ただし、鈴鹿を愛する気持ちを失ったわけではない。

「鈴鹿というコースが僕は好きだし、ドライバーとしてはいつもと同じようにワクワクしています。特に予選でQ1、Q2、Q3へ進んでいくときに、観客のみなさんの声援を受けながらアタックするのはとても特別なことです。日本人ドライバーとして、日本のファンのみなさんの前で走ることはこのグランプリでないと味わえないので、すごく楽しみにしています。昨年と一昨年に鈴鹿で贈っていただいた声援はすごく光栄なことでしたし、味わったさまざまな思い出は忘れることができません。そのみなさんの前で、今年こそはトップ10に入って、決勝レースのリザルトで応えたいと思います」

 角田が過去2年の日本GPよりも自然体でいるように見えるのは、ここまでの結果から来る自信だろう。角田は前戦オーストラリアGPで今シーズン初ポイントを獲得。日本GP直前のレースで角田が入賞したのは今年が初めてだった。

「ここまでの3戦は、チームとして、どのサーキットでも安定してクルマが持っているパフォーマンスを発揮できたことはすごくポジティブに感じています。昨年はコースによって、合っていたり、合わなかったりと苦労して、安定してポイントを獲得できる状況には正直ありませんでした。その点、今年はここまで3戦とも常にトップ10を争うレベルでクルマを準備してもらっているので、ドライバーとしてもいつも以上に集中して予選とレースを戦うことができていると思います」

 アルファタウリからRBに変わったチームは今年、チーム代表がフランツ・トストからローラン・メキースに変わるなど、大きく変貌した。その変化を角田はこう評価する。

「新しくチーム代表になったローランは、まずは開幕2戦は昨年までと同じ形でレースを行い、チームが前進するためにはどこが足りていないのかをいろいろと見極めていたと思います。そしてオーストラリアGPではスタッフの担当する領域を少し見直し、スムーズになったと思います。ただ、オーストラリアGPで結果が出た大きな要因としては、スタートポジョンがよく、常にトップ10内でレースができたこと。そのため戦略はシンプルで常にクリアにレースできたことが大きかったと思います」

 チームの成長と共に、角田自身もこの3戦でステップアップした。

「無線であまり叫ばなくなりましたね(笑)。叫んで集中力が落ちるとは思っていなかったんですが、今年のバーレーンGPで少しやりすぎたなという反省があって、そこから意識して、プロフェッショナルなドライバーとして成長しているところを見せないといけないと思うようになりました。僕はこれからもっと成長してトップドライバーになって、チャンピオンを目指したいので、そういうことも意識して無線のボタンを押すようになりました」

「過去2戦では、無線のボタンを押さなくても、自然と感情を抑えられることも経験したし、感情を抑えられた自分にもうれしかった。感情を抑えることで、クールダウンも早くなったし、集中力もキープできるようになりました。無線の使い方はパフォーマンスに影響しないと思っていたんですが、結構影響していることがわかりました」

 今年、春開催となった日本GPに、角田は新しいヘルメットで臨む。その角田がいま心配していることは、空模様だ。

「いつもと違う日本グランプリが見られると思いますが、天候があまりよくないという予報が出ているので、それが心配です」

 今年の日本GPで角田がポイントを獲得するには、もはや幸運は必要ない。不運さえなければ、鈴鹿のファンの前で角田がポイントフィニッシュすることは間違いないだろう。日本人ドライバーが日本GPで入賞するのは2012年の小林可夢偉(3位)以来12年ぶりのこととなる。その走りをスタンドでぜひ、見届けほしい。

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