商用車市場の覇権争い
これまで営業車の主力として広く採用されてきたトヨタ・カローラフィールダーと日産・ADバンの生産・販売が相次いで終了すると報じられた。これにより、商用バン市場ではトヨタ・プロボックスの一強体制が確立される可能性が高まっている。
【画像】「すげぇぇぇぇ!」これぞ究極のバン! トヨタ「プロボックス」を画像で見る(23枚)
営業活動で使われる商用バンに求められるのは、耐久性や燃費、積載性といった性能だ。こうした要素でバランスの取れたプロボックスが、今後の商用車市場をけん引することになりそうだ。
本稿では、プロボックスの魅力を改めて掘り下げるとともに、商用車の枠を超え、ファミリーカーなど多様なニーズに対応できるのか、その可能性を探る。
営業車の新たなベンチマーク
プロボックスの基本性能は、商用車市場で長年にわたって高く評価されている。特に支持されているのは手頃な価格だ。エントリーモデルのGグレード(1.3Lガソリン車)は、税込152万9000円とコストパフォーマンスに優れ、企業や個人事業主にとって導入しやすい価格帯となっている。
営業車として頻繁に使用されるため、耐久性の高さも重要なポイントだ。エンジンや足回りが頑丈で、過走行にも耐えられると評価されている。さらに、雪道や悪路でも安定した走行性能を発揮し、日本各地のさまざまな営業用途で信頼されている。
意外にも加速性能が高く、ワンメイクレースなどでサーキット走行を楽しむユーザーもいる。車両重量は軽自動車と同等の約1000kgでありながら、エンジン排気量は軽自動車の2倍以上。ノーマル仕様でも十分な加速力を備えている。ユーザーからは、
「車高が低く、立体駐車場を利用しやすい」
「低重心で高速道路の長距離走行でも安定する」
「フラットな低床設計で、荷物の積み下ろし時の腰への負担が少ない」
「引き出し式のインパネテーブルがあり、デスクワークや食事がしやすい」
といった評価が寄せられている。
プロボックスはトヨタとダイハツが共同開発し、車両生産はダイハツが担当している。軽商用車市場で強みを持つダイハツのノウハウが生かされ、商用車としての実用性がより洗練されたモデルとなっている。
都市部営業車の新基準
では、プロボックス一強時代は本当に到来するのか。他にも軽商用バンやワンボックスカーといった選択肢があり、それらと比較したプロボックスの優位性を検証する。
まず、プロボックスが軽商用車より優れる点として、
・積載量
・荷室の広さ
・高速走行時の安定性
・長距離走行時の快適性
が挙げられる。燃費差はWLTCモードでリッター当たり1km程度と軽微だが、プロボックスの燃費性能はハイゼットカーゴを上回る。
車両価格を比較すると、ダイハツ・ハイゼットカーゴやスズキ・エブリイのベースモデルは税込110万円からで、プロボックスとは約40万円の差がある。この価格差をどう捉えるかは、ユーザーの用途や価値観によって意見が分かれるだろう。
次に、ワンボックスカーと比較すると、プロボックスの方が小回りが利き、都市部での取り回しがしやすい。燃費性能も優れ、コストパフォーマンスの面でも優位性がある。例えば、トヨタ・タウンエースのベースモデル(DX・AT・1.5Lガソリン)は190万円からで、プロボックスより40万円ほど高い。この価格差を考慮すると、プロボックスのコストパフォーマンスの高さは魅力的だ。
これらの点を踏まえると、特に都市部での外回り営業などの用途では、プロボックスが今後も支持を受ける可能性が高い。
アウトドア需要で変貌
営業車の主流である商用バンは、セダンをベースに設計され、ルーフを後方へ長く伸ばし、後部座席の後ろに荷室を備えている。かつては、こうした商用バンをファミリーカーとして使う個人事業主が多かったようだが、現在はビジネスとパーソナルユースを兼用するニーズは減少傾向にある。
しかし、近年は商用バンのシンプルなデザインや高い実用性が再評価されている。特に、キャンプなどのアウトドアブームの影響でプロボックスのカスタム需要が増え、単なる営業車としてだけでなく、趣味と実用を両立できる可能性を秘めている。
2025年1月に幕張メッセで開催された「東京オートサロン2025」では、カスタムショップのライドテックがプロボックスの「GR仕様」を出展し、多くの注目を集めた。トヨタのピックアップトラック「ハイラックス・GRスポーツ」のような黒い台形グリルに「TOYOTAロゴ」と「GRバッジ」を装着し、スポーティな仕上がりとなっている。ファミリーユースの可能性も感じさせるモデルであり、カスタムの幅が広がることで、新たな需要を開拓する余地がある。
ファミリーカー需要の新たな可能性
カローラフィールダーとADバンの生産終了により、プロボックスは商用バン市場において競争相手が少ない状況となりつつある。優れた走行性能とコストパフォーマンスを兼ね備えたプロボックスに対抗できる商用車を他の自動車メーカーが生み出すのは簡単ではなく、今後その存在感が高まっていく可能性がある。
さらに、カスタム市場の拡大やアウトドア需要の増加、そしてワンメークレースなどのサーキット走行にも対応できるプロボックスは、従来の商用バンの枠を超えたニーズにも応える可能性がある。今後、ファミリーカーとしての側面も見直されることが考えられ、プロボックスの販売動向に注目が集まるだろう。
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ADバンはウイングロードと共通車体でどっちつかずになっ たことも敗因のひとつに思える。