5月4日、フランス南部のル・カステレ村に位置するポール・リカールでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第2戦『ル・カステレ4時間レース』が行われ、IDECスポールの18号車オレカ07・ギブソンをドライブしたジェイミー・チャドウィック/マティス・ジョベール/ダニエル・ジュンカデラ組がわずか1.8秒差で2番手のニールセン・レーシングを下し、総合優勝を果たした。
18号車の3名は4月のシリーズ開幕戦バルセロナ4時間レースにおいて、最終ラップで勝利を逃していたが、その雪辱を果たした形となる。また今回の勝利により、チャドウィックはシリーズ初の女性総合優勝者となった。
マクラーレン2年目の佐藤万璃音。ハイパーカーでのWEC参戦は「もちろん希望。交渉していくつもり」
レースはスタート直後から路面コンディションが悪化し、最終的にはドライコンディションとなるという、戦略判断が難しい状況となったが、LMP2クラスにエントリーしたIDECの18号車はこれらをものともせず、ニールセンの27号車オレカ(アンソニー・ウェルズ/セルジオ・セッテ・カマラ、ジェームス・アレン)を下した。
チャドウィックは、オープニングラップの最初のコーナー出口でホイールスピンを喫し、多くのドライバーとともにコースアウトした。しかし、アレクサンダー・マリキンがCLXピュア・レクシングの37号車オレカをシーニュでクラッシュさせたことにより、セーフティカーが導入。これにより、IDEC18号車は戦線に復帰することができた。
そしてレースは残り67分、IDECの2台目のエントリーである28号車のヨブ・バン・ウィタート(ターン1でのスピンから挽回を図っていた)とルカ・ギオット駆るインター・ユーロポル・コンペティション34号車がターン6で接触。ギオットがタイヤバリアに挟まれたため、再びセーフティカーが導入された。
これは、ライバルよりも早くスリックタイヤに交換してタイムを稼いでいた、かつてトップを走っていたニールセン・レーシングの24号車オレカ、そしてベクター・スポーツの10号車オレカにとっては、特にタイミングの悪いものとなった。この2台はレース再開後すぐにピットインを余儀なくされ、IDEC18号車のジョベールをトップに押し上げることとなった。
LMP2プロ/アマエントリーの27号車アレンは終盤ジョベールに迫ったが、歯が立たなかった。総合2位、そしてプロ/アマカテゴリーでの優勝は、順位が上下に揺れ動いていたチームにとって、それでもなお驚くべき結果となった。スタート時にウエットタイヤを選択したことが功を奏し、ウェルズは開始1時間で一時2位を走っていたのだ。
27号車セッテ・カマラは、激しい雨の中、プロ/アマカテゴリーのライバルであるルネ・ビンダー(プロトン・コンペティション77号車)とクレメント・ノバラック(TDSレーシング29号車)に敗れたが、アレンはノバラックから代わったマティアス・ベシェと接戦を繰り広げ、ビンダーのチームメイトであるベント・フィスカールがコースから外れた後も、クラス首位争いが繰り広げられた。
ビンダーはノバラックとの争いの中、コース序盤の数コーナー直進した後もリードを譲らず、ドライブスルーペナルティでフィスカールにトップの座を明け渡さなかったことで、持続的なアドバンテージを獲得したと思われた。
アレンは残り38分で最終コーナーで29号車のベシェを奇襲し、そのままポジションを譲らなかった。
総合表彰台の最後の一角には、ルイ・デレトラズ/デイン・キャメロン/PJ・ハイエットのAO by TF99号車オレカが立った。デレトラズは終盤の猛追により、ベシェをかわしていた。
ベシェは、最終的にLMP2プロ部門の2位となったインター・ユーロポール・コンペティションの43号車オレカにも敗れた。ポールポジションからスタートした43号車のレースは、最初のセーフティカー導入と、ヤコブ・スミエコウスキーがウエットタイヤを選択したことで序盤に優位に立ったものの、直後のピットインによって後退していた。
しかし43号車は、代わったニック・イェロリーがリカバリーを開始。さらにトム・ディルマンが最終スティントを担当し、ベシェをパスして総合4位を獲得している。
佐藤万璃音のドライブするユナイテッド・オートスポーツ21号車オレカは、総合7位(LMP2プロ/アマ5位)でレースを終えた。
LMGT3クラスでは、リシャール・ミル・AFコルセの50号車フェラーリ296 GT3(クストディオ・トレド/リル・ワドゥ/リカルド・アゴスチーニ)が最終ピットストップを短縮し、最終スティントでワドゥが力強いディフェンスを見せ、アイアン・リンクスの63号車メルセデスAMG GT3をわずか0.305秒差で抑えて勝利を遂げた。
クラス3位にはGRレーシングの86号車フェラーリが入った。日本勢では木村武史のケッセル・レーシング57号車フェラーリがクラス9位、小泉洋史のTFスポーツ82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rは95周を走破したが完走扱いとはならなかった。
リジェ、デュケーヌ、ジネッタの各社のニューマシンと、トヨタベースのオレカ製3.5リッターV6ツインターボエンジンというパッケージで争われるLMP3クラスでは、CLXモータースポーツの17号車リジェJS P325・トヨタ(アドリアン・クロスメニル/ポール・ランシェール/テオドール・イェンセン)の3人が、バルセロナでの開幕戦に続いて勝利を収めている。
ELMSの第3戦は7月6日、イタリアのイモラ・サーキットにて行われる。このインターバルの間には、いくつかのELMS出場チームも参戦するWEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースが、フランスのサルト・サーキットで開催される。
添付ファイル: 03_Classification_Race
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[オートスポーツweb 2025年05月05日]
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みんなのコメント
富士と被ってて、セパン(GT)の翌週にイモラ
鈴鹿も被っててシルバーストンの翌週にSUGO(GT)
そしてAPも被ってる
そりゃGT辞退するわ。日本とヨーロッパも毎週のように往復するのは現実的じゃない
何年後でもいいからまたスーパーGT戻ってきて欲しいな。