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マクラーレンF1みたいに真ん中で運転するフロント3座! 車体のカタチはピラミッドってこれぞシトロエンな「カリン」って何モノだ?

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マクラーレンF1みたいに真ん中で運転するフロント3座! 車体のカタチはピラミッドってこれぞシトロエンな「カリン」って何モノだ?

 この記事をまとめると

■シトロエンは1980年に「カリン」というコンセプトカーを発表した

「ブリキの缶詰」なんて揶揄されても農民に愛された! こうもり傘に4つのタイヤをつけたクルマ「シトロエン2CV」は偉大なり!!

■ピラミッド型の形状が特徴的でトレバー・フィオーレがデザインした

■エンジンは未搭載で走れないが装備は当時において最先端のものが採用されていた

 シトロエンらしさ全開! 衝撃デザインのぶっ飛びマシン

 このコンセプトカーを見て、ピラミッドパワーを思い出した方は昭和40年代生まれに違いありません。なんとも奇妙なスタイルは、シトロエンが1980年に作り上げた「カリン」で、まさしく走るピラミッド。当時のシトロエンらしくアバンギャルドな見た目ながら、じつは合理性もあわせもったプレゼンテーションとなっています。いまでも新鮮な驚きに満ちたカリンを振り返ってみましょう。

 1970年代後半から、シトロエンは積極的に新しいクルマの概念を発信しはじめました。一見すると未来とかSFチックな印象を受けがちですが、そこはフランス人を相手にアピールするだけあって実用性や合理性も盛り込まれているのです。たとえば、傑作と名高いGSの2ドアクーペや、ミニバンの祖先かのようなブレイク・モノコープスなど、量産こそされていないものの、目の付け所はじつに鋭かったかと。そんな気もちでガルウィングドアのピラミッドカーを見れば、なるほど使い道がありそうだ! となるかもしれません。

 カリンは全長×全幅×全高が3700×1900×1075mmと、幅と高さのバランスに特徴がもたされました。ピラミッドの頂点となったルーフは低く、そしてA3サイズほどの面積しかないので、「とてもじゃないが快適性はゼロ」に見えます。

 が、ここにひと工夫が加えられ、ドライバーシートは車体のセンターに配置、着座高をかなり下げたポジションとされました。おなじみ、マクラーレンF1のセンタードライブに先駆けたアイディアにほかなりません。そして、車幅の広さを利用して、ドライバーの左右、少し後ろに助手席をセットするのもマクラーレンF1が参考にしたポイントでしょう。フランスメディアは「ドライバーの左右に妻と愛人を乗せられる」とセンスとウィットに富んだ使い道を提案しています。

 当時のチーフスタイリスト、トレバー・フィオーレによるデザインで、彼はイタリアとフランスの融合文化を推していたのだとか。ちょっと日本人には理解しがたいニュアンスながら、フィオーレは1978年にマルチェロ・ガンディーニが仕上げた「ベルトーネ・シビロ」に影響を受けたと公言しており、カリンのフロントマスクは「シトロエンSM」、リヤホイールのスパッツは「シトロエンDS」へのオマージュとして伊仏マリアージュとしたのではないでしょうか。

 もっとも、融合文化コンセプトはそのあとの発展はなく、フィオーレは失意のうちにシトロエンを去ったとのこと。デ・トマソ・ヴァレルンガやアルピーヌA310をデザインした優秀なデザイナーだったのに、残念なことです。

 そして、ピラミッドなスタイルから想像するとおり、インテリア、とくにダッシュボードのデザインもとがったもの。ステアリングコラムが非常に長く、ドライバーはわりとラクなスタイルで握ることが可能。さらに、ハンドルから手を放すことなく各種の操作ができるのは、のちのクルマでも取り入れられたアイディア。しかも、当時としては最高級装備だった自動車電話も採用され、センターパッドにプッシュボタンというレトロフューチャーそのものです。なお、メーター表示にはブラウン管、つまりテレビ式に投影する方式で、これまた当時としては新鮮なアイディアだったに違いありません。

 ともあれ、カリンはピラミッドスタイルとか、未来のコクピットといったトピックはあるものの、当のシトロエンは「さして見せるべきものがない」などとコメントしており、見るものを困惑させています。

 エンジンレスの張りぼてではあるものの、これにドライバーと妻と愛人が乗って走っていたとしたら、それこそ「いい見せ物」だと思うのですが、昭和40年代男の皆さんはどうお考えになるのでしょう(笑)。

文:WEB CARTOP 石橋 寛
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