負傷の治療のため、MotoGP日本GP以後の終盤3戦の欠場を決めている中上貴晶(LCRホンダ)。彼は日本GP初日を終えた段階で、身体のコンディションが厳しく、レース出場も危ぶまれる状態だと、現状を明かした。
中上はMotoGP2年目の今シーズン前半、トップ10やシングルフィニッシュをコンスタントに記録してきた。しかし第8戦オランダGPでバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と接触して高速でクラッシュを喫すると、足を負傷してしまった。
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中上はその際に肩も痛めていたが、徐々に悪化していったという。そして、現在はこれまででも最も厳しい状態だという。
「FP1を走り出して、すぐに肩の状態が悪化してしまいました。(もてぎは)レイアウト的に厳しいことを予想していましたが、非常に厳しいです」
「3周ほどしか(身体が)持たなくて、自分の中でレースをするべきかというところまで悩んでいます」と、中上は予想以上の難コンデションだと説明。
日本GPは土曜日が雨予報となっており、決勝日は一転して晴れが予想されている。初日は幸いにもドライセッションとなったため、中上も決勝に向けて良いセッションにしようと考えていたようだが、FP1最初の出走の時点で既に肩の状況が酷かったと明かした。
「周りもこのドライセッションで走って(決勝に向けた)見極めをやっていたと思います。自分も(ドライセッションは)チャンスだなと思っていたんですが、とてもそこまでのレベルでは無かったです」
「(FP1の)第1スティントで、“これはヤバイな”という状態になっていて、肩に痺れも出てしまっている状況でした。バイクも支えられていないですし、セッティング云々よりもパフォーマンスが非常に悪いというのが一番のところですね」
「歯を食いしばって乗っているので、攻めて走るというところまで行けていないのが現状です」
ツインリンクもてぎはストップ・アンド・ゴーと言えるレイアウトだが、中上はその中でも特にヘアピンと90度コーナーが最も厳しいと語った。
「5コーナーまではなんとか乗り切れるんですけど、ヘアピンと90度でトドメを刺されます。(ダウンヒルストレートでは)200m近くフルブレーキングしなければいけないので、厳しいです」
「痛み止めは飲んでいます。FP1は痛み止め無しでやりましたが、とても乗り切れるとは思えなかったです。そしてFP2では薬を飲んだんですが……『効果なし』という感じです」
満身創痍、といった中上。実際、レプソル・ホンダのチームマネージャーであるアルベルト・プーチからは第13戦サンマリノGPの時点で手術するように話があったというのだ。
「HRCも常に気にかけてくれています。プーチさんからはミサノあたりで手術しろ、とも言われました。ただ自分の体のことなので、1戦1戦(手術を)伸ばしていきました」
「レースパフォーマンスでどうするかを決めようと思っていたので、(直近2戦の)10位はポジティブに捉えたいと思っています」そう答える中上は、取材を受ける間に明るい表情を見せることはなく、その状況の厳しさが伝わってくるようだった。
明日19日(土)は前述の通りウエットコンディションも予想されるが、中上はその走行を踏まえて、今後の最終的な決断をする心づもりだと話した。
なお中上は日本GP終了から約1週間後に手術を日本で行い、その後リハビリを数ヵ月かけて行っていく予定だという。
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