■「サンキューハザード」やる? やらない?
日本の道路でクルマを運転していると、車線変更や合流の際に道を譲ってもらった後、後続車に向けてハザードランプを2~3回点滅させる光景を頻繁に目にします。
【画像】「すげぇぇ!!」 これが新しい「お礼の方法」です!(24枚)
これは「サンキューハザード」と呼ばれ、ドライバー同士が感謝の意を伝えるためのコミュニケーションツールとして、すっかり定着しているローカルルールです。
しかし、多くのドライバーが当たり前のように行っているこの仕草ですが、法的な観点から見ると「正しい使い方」とは言えないのをご存知でしょうか。
ハザードランプの正式名称は「非常点滅表示灯」で、道路交通法において使用すべき状況は明確に定められています。
基本的には「夜間、幅が5.5メートル以上の道路に駐停車するとき」や、「通園通学バスが児童を乗降させているとき」などに使用するよう規定されています。
また、高速道路などで渋滞の最後尾についた際、後続車に追突の危険を知らせるための合図として使うことも一般的です。
つまり、法律上には「ありがとう」という感謝を伝えるためのハザードランプの使用方法は一切記載されていません。
本来の目的以外での使用となるため、極めて厳密に言えば法令違反に問われる可能性もゼロではありません。
とはいえ、現実的にはサンキューハザードを出したことだけで警察に取り締まられるケースはほぼなく、交通の円滑化に寄与する「慣習」として黙認されているのが実情です。
実は、このサンキューハザードを「やるべきか、やらないべきか」については、インターネット上やSNSでもドライバーの意見が真っ二つに分かれています。
積極的に「やる派」の意見としては、交通トラブルの回避や円滑なコミュニケーションを重視する声が目立ちます。
「譲ったのに何も挨拶がないと正直イラッとする!」「自分も譲ってもらった時は必ずハザードを出すようにしています」「サンキューハザードはお互いが気持ちよく運転するための潤滑油のようなもの」「挨拶をしないことで相手を不快にさせたら、あおり運転のターゲットにされるのが怖い」「ある意味“自衛”のためにやってる…」といった、マナーや防衛策としての側面が強いようです。
一方で、「やらない派」や「疑問派」からは、本来の用途と異なることへの戸惑いや危険性を指摘する声が上がっています。
「前方のクルマが突然ハザードを点けたので、急停車するのかと慌ててブレーキを踏んでヒヤッとした」「法律で定められていないローカルルールを押し付けられるのはおかしいでしょ」「合流直後とか忙しいタイミングでハザードスイッチを探すのは、むしろ前方不注意になりそうで危ない」など、安全運転に支障をきたすというもっともな意見が並びます。
では、ドライバーとしてどう振る舞うのが正解なのでしょうか。
法的に規定がない以上、「絶対にやらなければならない」というルールはありません。
ハザードランプの操作に気を取られてハンドル操作を誤ったり、前方の確認がおろそかになったりしては本末転倒です。
もし感謝の気持ちを伝えたいのであれば、ハザードランプに頼るだけでなく、ルームミラー越しに軽く会釈をしたり、窓を開けて軽く手を挙げたりするだけでも、相手には十分気持ちが伝わります。
大切なのは、お礼の合図を出すことよりも、安全に合流し、周囲の交通の流れを乱さないことです。
サンキューハザードはあくまで「余裕がある時の任意のコミュニケーション」と捉え、まずは基本の安全運転を最優先にするよう心がけましょう。(くるまのニュース編集部)
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