2025年6月13日、 F1第10戦カナダGPがモントリオール セント・ローレンス川にある人工島に作られたジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで開幕する。モナコほど特殊なコースではないが、パーマネントサーキットとは異なる半公道サーキットは、変わりやすい天候と気温がドライバーを悩ませる。またオーバーテイクは可能であるものの滑りやすく、しばしば派手なアクシデントが発生する。
今季9戦で7勝をあげているマクラーレンが優勝候補!?
マシンの総合力が問われると言われる前戦スペインGPで、マクラーレンはフリー走行から決勝レースまで他を圧倒。予選、決勝とも1-2フィニッシュという完璧なグランプリウイークを満喫し、あらためてマクラーレンの今季の速さを印象づけた。
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マクラーレンは今季9戦で7勝をあげているが、中でもオスカー・ピアストリは早くも5勝目をあげて、ドライバーズランキングでトップに立っている。
こうなると今週末のカナダGPでも当然マクラーレンが優勝候補の筆頭となるが、ピアストリとノリス、マクラーレンのチームメイト同士の戦いとなるのかというと、そうとも言い切れないだろう。
カナダGPは毎年のように、天候や気温の変化、アクシデントによりセーフティカーが導入される波乱の展開となっており、ライバルチームとしてはそこを突破口にして逆転できる可能性も大いにある。
注目はやはりレッドブルのマックス・フェルスタッペン。前戦スペインGPでソフトタイヤを駆使した3ストップマルチストップ戦略を敢行、セーフティカー導入で失敗に終わったものの、マクラーレンを慌てさせた。フェルスタッペンがカナダGPでどんな作戦を繰り出すのか、フェルスタッペンをフォローする角田裕毅にも注目が集まる。
2025年F1ドライバーズランキング(第9戦終了時)
1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン) 186
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)176
3位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)137
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)111
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)94
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)71
7位 12 K.アントネリ(メルセデス)48
8位 23 A.アルボン(ウイリアムズ)42
───────────
15位 22 角田裕毅(レッドブル)10
2025年F1コンストラクターズランキング(第9戦終了時)
1位 マクラーレン 362
2位 フェラーリ 165
3位 メルセデス 159
4位 レッドブル 144
5位 ウイリアムズ 54
6位 レーシングブルズ 28
7位 ハース 26
3つのDRSゾーンの設定でオーバーテイクは十分に可能
カナダGPの舞台となるのはジル・ヴィルヌーヴ・サーキット。1967年のモントリオール万博の会場跡地を利用して作られたコースで、ふだんは公園およびローラースケートやウォーキングなどのコースとして使われているため、金曜日は路面が滑りやすくグレイニングが見られる。走行を重ねると徐々にラバーが乗ってくるため、ラップタイムは急速に縮まってくる。
コースレイアウトは長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせが特徴。ストレートからのブレーキングでオーバーテイクのチャンスはあるが、ブレーキへの負荷は大きく、トラクションの良さやエンジンパワーなど複数の要素がからみあうためコースの攻略は簡単ではない。
一方でオーバーテイクは3つのDRSゾーンのおかげで十分に可能で、とくにストレートエンドの最終の13-14コーナーは絶好のポイントとなる。ただしオーバースピードで縁石に乗ってアウト側のコンクリートウォールに激突するアクシデントが多く、1999年に3人の世界チャンピオン、デイモン・ヒル、ミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴがここでレースを終えたことにちなんで「チャンピオンの壁=Wall of the Champions」と呼ばれている。
問題はこの時期の変わりやすい天候。雨の心配だけでなく、天候の変化により路面温度が40度に達することもあるなど気温の変化も課題となる。タイヤへの負荷は大きくないのでタイヤ戦略は1ストップが主流になると思われるが、このコースはピットストップロスが小さくオーバーテイクが可能なこともあり、2ストップが有利となる可能性もある。
昨年、サーキットは全面的に舗装し直されたが、摩耗が少なく滑らかでグリップが小さいという、このサーキットの特徴はそのまま維持されている。
ピレリは「セーフティカーの導入、天候や気温の変化がポイント」と分析
昨年2024年のカナダGPは雨模様となり、路面状況によって最速のドライバーとマシンが入れ替わる大混戦となった。
まず完全ウェットの序盤に速かったのは、メルセデスのジョージ・ラッセル。しかし、路面が渇き始めるとメルセデスのペースが落ち、3番手で追っていたランド・ノリス(マクラーレン)が追い上げて一気に首位に躍り出る。ところが25周目に出たセーフティカーでまた潮目が変わり、ステイアウトとしたノリスに対して、ピットインして新品のインターミディエイトタイヤを交換したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が今度は首位に。
フェルスタッペン、ラッセル、ノリスの戦いは、路面が渇き、全車がドライタイヤへ交換したレース後半も続行。その戦いは、54周目のクラッシュで出た2度目のセーフティカーが退去した59周目のフェルスタッペンのスパートで決着がついた。ノリスはこれについていけず、ラッセルはセーフティカー中にもう一度タイヤ交換したのが失敗に終わり3位となった。
【参考】2024年F1第9戦カナダGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)70周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+3.879s
3位 63 G.ラッセル(メルセデス) +4.317s
4位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+4.915s
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+10.199s
6位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)+17.510s
7位 18 L.ストロール(アストンマーティン)+23.825s
8位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT))+28.872s
9位 10 P.ガスリー (アルピーヌ・ルノー)+30.021s
10位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+30.313s
──────
14位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT) +50.694s
リタイア 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(メルセデス)
タイヤを供給するピレリは「このトラックの路面は非常に滑らかで、摩耗も少なく、タイヤにかかる縦方向の力はやや強めですが、横方向の力は中程度から低めで、タイヤにとって過酷なコースではありません。ただグランプリウィークエンド以外ではレースには使用されないためグリップが低い状態ではグレイニングに注意が必要です。タイヤはもっとも柔らかいセット、ハード=C4、ミディアム=C5、ソフト=C6のコンパウンドを供給します。昨年はウエットから路面状況が変化する波乱のレースになりましたが、今年もセーフティカーの導入、天候や気温の変化がポイントになるでしょう」と分析している。
さて2025年のカナダGPはどんなレースとなるのか。第10戦カナダGPは6月13日13時30分(日本時間14日2時30分)から始まるフリー走行で開幕、決勝は6月15日14時(日本時間16日3時)にスタートする。
2025年F1第10戦カナダGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:6月13日13時30分~14時30分(日本時間14日02時30分~03時30分)
フリー走行2回目:6月13日17時~18時(日本時間14日06時~07時)
フリー走行3回目:6月14日12時30分~13時30分(日本時間15日01時30分~02時30分)
予選:6月14日16時~17時(日本時間15日05時~06時)
決勝(70周):6月15日14時~(日本時間16日03時~)
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