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プロトン サトリア ネオは「ハンドリング byロータス」のテンロクホットハッチだった【10年ひと昔の新車】

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プロトン サトリア ネオは「ハンドリング byロータス」のテンロクホットハッチだった【10年ひと昔の新車】

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、プロトン サトリア ネオだ。

プロトン サトリア ネオ(2011年)
マレーシアの自動車メーカー、プロトンの1.6L 3ドアハッチバック モデル「サトリア ネオ」が、間もなく日本でも正規輸入販売される。販売元は、「CUSCO(クスコ)」ブレンドでおなじみのキャロッセ。「気軽にモータースポーツの醍醐味を楽しむ」ことができる、お手頃&ファンなホットハッチの登場だ。

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キャロッセは、クスコ ブランドでさまざまなアフターパーツをリリースするメーカーだ。そうしたパーツメーカーがインポーターとなって、海外の新車販売を手がけるというのは異例なこと。その狙いを代表である長瀬 努 氏に聞いたところ、「モータースポーツの底辺拡大。そして我々業界の市場が活性化することを願っています」と語ってくれた。

「今(編集部註:2011年当時)、日本国内に1.6Lクラスのモータースポーツ向けのクルマがありません。あっても1.5Lで、しかも上級グレード。つまり高いんです。モータースポーツに必要ない、いいシートやアルミホイールが付いています。もっと安くてポテンシャルの高いクルマが欲しいんですよ。そうしたとき、プロトンのサトリア ネオはちょうど良いんです。EURO 4にも対応していて、日本でも型式を取ることができます。型式がないとJAFの公式戦には出られませんからね。グループNの車両が300万円くらいで作れそうです。グラベルなら、ポンと出て全日本ラリーでも戦えると考えています」

その言葉どおり、現在(編集部註:2011年)、キャロッセは型式認定を申請中でインポーターとしての認可を得るための用意をしている。そして「可能な限り安く!」と150~160万円で、この7月の販売を目指すという。またサトリア ネオのラリーカーでアジア・パシフィック ラリーと全日本ラリーに参戦。アジア全域でのプロモーションにより、クスコのパーツが海外で販売されることも期待している。

コーナリングがコントローラブルで楽しい!
試乗に用意されたのは丸和のダートトライアル コースの脇にある小さなジムカーナ コース。サトリア ネオはモータースポーツのベース車を主眼に販売されるため、一般道ではなくクローズドコースでの限界走行をアピールしたいという狙いだそうだ。

サトリア ネオのサイズは、全長3905×全幅1710×全高1420mm。トヨタ ヴィッツや日産マーチなどの国産コンパクトカーと大差ないサイズだが、全高だけは10cmほど低い。しかも、こちらは3ドア。スポーティ度は高い。

エンジンはプロトンが独自に開発したツインカム4気筒。113馬力という最高出力は、国産1.5Lのヴィッツやフィット、デミオと近い数値。サスペンションはフロントがストラットなのは一般的だが、リアにマルチリンクを採用しているのが美点。なんと、ロータスがチューニングしたという。エンジンは軽々とレッドゾーンの6500rpmまで回り、そのトルク感はフラットなもの。油圧パワステのフィールは、オーソドックスで好印象。5速のマニュアルミッションも使いやすい。

そして肝心のコーナリング。フロントに荷重を残したままターンインすると、リアがきれいに振り出される。ひっかかりもなく、一定な動きでコントローラブル。恐怖心は感じさせない。これには驚いた。ボディや足まわりの剛性が高くて、接地性も良いのだろう。外から見ても内側後輪が浮き上がって3本足走行になることもない。これは面白い。

さんざんにタイヤを滑らせ、自由自在にクルマの向きを変えることを楽しんだ。それでも、さすがは南国生まれのクルマだ。延々と全開走行を続けても水温計の針は微動だにしない。聞けば2日間の試乗会で、タイヤは数セット使い切ったがオーバーヒートの気配は一切なかったという。

サトリア ネオは驚くほど速いクルマではない。しかし、驚くほど扱いやすかった。ドライバーを裏切らないクルマだ。これなら、モータースポーツ初心者にとっても信頼できる愛車になることは間違いないだろう。(編集部註:サトリア ネオは2012年からキャロッセによって正規輸入販売されました)

■プロトン サトリア ネオ 主要諸元
●全長×全幅×全高:3905×1710×1420mm
●ホイールベース:2440mm
●車両重量:1160kg
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:83kW<113ps>/6000rpm
●最大トルク:148Nm<15.1kgm>/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:横置きFF
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤ:195/55R15
●当時の車両価格(税別):152万円

[ アルバム : プロトン サトリア ネオ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

2件
  • ホットハッチではなく、あくまでもモータースポーツ用のベース車。素体。ナンバーを取って普段使いしていた人はどれだけいたのかなぁ。

    けして速いエンジンではなく、一台のスポーツカーとしては至らない部分も多いが、それをどう自分なりにカスタマイズするか?という想像が止まらなくなってニヤニヤしてしまうタイプの車、と評されていた。

    この車の輸入は、我々にはこういう車が必要なんです!というモータースポーツ界からのメッセージでもあったと思う。それだけに、全国で気軽に買えるだけの販売/サービスネットワークが構築できなかったか、できていても衆知されなかったのが残念。
  • まあCAミラージュだからね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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