6月8日、フランス・ル・マンのサルト・サーキットで『第93回ル・マン24時間レース』の公式テストが行われ、トヨタ・ガズー・レーシング(TGR)の8号車トヨタGR010ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)が全体の最速タイムをマークした。
姉妹車である7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)は14番手でル・マン恒例のテストデーを終えている。
午後は一転、赤旗3度の荒れ模様。8号車トヨタが0.5秒差の最速タイムでテストデーを締める
6月6日から7日にかけてル・マン市内で実施された公開車検と関連イベントを終え、トヨタチームは全長13.626kmのサルト・サーキットでの今季初走行に臨んだ。ル・マン24時間レースの本番前唯一の走行機会となる8日のテストデーは、15℃ほどと肌寒い気温のなか10時に最初のセッションがスタート。チームはすぐに包括的なプログラムを開始した。
このセッション1は開始1時間で40分間のセーフティカー(SC)訓練が入ったものの、TGRは建設的なスタートを切り、ソフトとミディアムタイヤを装着しての走行やサスペンションコンポーネントの変更、車両セッティングの比較を行うなど、忙しい一日となった。
15時30分から始まったセッション2開始時には、気温は20度まで上昇。レースカーの走行により路面が掃除されると同時にタイヤラバーが載ったことでラップタイムも1回目と比べて大きく向上した。
しかし、午後のセッションは計3回の赤旗で度々中断され、最後の赤旗により予定よりも数分早く終了することとなった。TGRは限られた時間を有効に活用し、メカニカルなセットアップ変更やタイヤの評価を実施。トヨタチームを襲った唯一のトラブルは8号車に起きたタイヤのパンクチャーだったが、当時ステアリングを握っていたブエミはスピードを落としながら走行し、クルマに大きなダメージを与えることなくピットに戻っている。
その8号車はハートレーのドライブで3分26秒246というタイムをマークし、この日の最速車に。まだテストデーの段階ではあるが、2番手につけた前年の覇者51号車フェラーリ499Pにコンマ5秒差をつけた。一方、1988年のル・マンに参戦したGT-One(TS020)のオマージュカラーで93回大会に臨む7号車は3分28秒385で総合14番手となっている。
トヨタGR010ハイブリッドの次の走行は11日のフリープラクティス1だ。2台のマシンは水曜日のプラクティスと予選に向け、この間にメカニックによってふたたび整備される。一方、エンジニアとドライバーはこのテストデーで得たデータの分析を行い、車両のハンドリングやバランス、タイヤの使用の最適化に向けた調整作業を進めていくこととなる。
■TGRドライバーコメント
●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)
「このコースに戻ってくることができ、嬉しい気持ちです。我々のクルマはル・マンを目指した作りで、他のコースを走るのとは違った印象があります。ル・マンはシーズンでのハイライトであり、ラップタイムにかかわらず、ここで走ることをいつも楽しんでいます。今日の2度のテスト走行はとても順調で、決勝レースへ向けた準備を進めることができました。まだいくつかやることや改善点はありますが、この時点では通常のことです。今のところ順調で楽しめています」
●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)
「ふたたびル・マンのコースに戻ってくることができて最高だ。昨年は走れなかったので、なおさら嬉しい。ここは高速で、楽しく、いくつもの良い思い出がある。ふたたびこのコースのリズムを掴み、ポジティブなスタートが切れたと思う。今日は多くのことを試したが、まだいくつかの点でやるべきことが残っている。クルマの感触はテストの最後には良くなったが、我々が100%望むレベルにはまだ達していないので、さらにプッシュを続けていく」
●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)
「とても大変な一日だった。クルマのバランスを適切に調整するために多くの作業が必要だったかね。週末に向けたクルマの改善点を見つけるため、今日行ったすべてのことを分析しなければならない。2回目のセッション終盤で赤旗による中断があったため、すべてのプログラムをこなせなかったことは少し残念だが、これは全チームに共通することだ。改善すべき点は明確なので、レースで力強く戦えるよう全力で取り組んでいく」
●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)
「このコースに戻ってくるのはいつも楽しみだし、ここでハイパーカーをドライブすることが本当に嬉しい。もちろんベストタイムをマークできたことは嬉しいが、速いライバルがたくさんいる。我々は多くの周回をこなし、いい変更もあれば、そうでないのもあったが、それもプロセスの一部だ。すべてを分析し、改善点を見つけていく。週末の気象条件が少し異なる可能性があるため、それに適応する準備も必要だ」
●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)
「GR010ハイブリッドでふたたびル・マンを走ることができて、とても嬉しい。今日は大きな問題もなく、成功裏に終わり、ポジティブな一日だったと思う。クルマの感触も良かったし、亮とセブも同じように感じていると思うよ。競争は明らかに激しく、ロングランでは我々が最速のクルマとは言えないが、戦える位置にはいると思う。週末に向けてさらにやるべきことがあるが、これからの数日間でしっかり睡眠を取り、充電して、大きな仕事へ向けて備えたい」
●平川亮(8号車ドライバー)
「これまでのところは順調で、満足しています。予想どおりとても忙しい一日でしたが、多くのテスト項目をこなし、スローゾーンやフルコースイエロー、赤旗といろいろ経験できました。今日の目標は達成できたので、良い一日だったと思います。この時点でのタイムは参考にはならないとはいえ、最速タイムをマークできるのはいつでも嬉しいことです。クルマの感触はとても良いですが、まだやるべきことや改善できる点が多く、さらに良い結果が期待できます。明日からの2日間でデータを分析し、週末に向けて最善の状態で臨めるよう準備します」
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