中高年、若者にも乗って欲しい「マニュアルミッション」 これから狙い目な”90’s国産スポーツ”
90年代といえば、女性にモテるクルマの代名詞「デートカー」の黄金期。 ソアラ、プレリュード、シルビア……、あれだけブレイクしたスペシャリティクーペが、いまやすべて絶版とは時代の流れなのでしょうか。 また、同時に本格派のスポーツカーもブレイク。代表格は、16年ぶりのGT-R復活となった「BNR32型スカイラインGT-R(1989~1994y)」。当時、400万以上の高値にもかかわらず約4.3万台を販売する大ヒット作に。トヨタは上級スポーツカー「スープラ」、マツダはロータリーエンジン搭載の「RX-7」、三菱にもフルタイム4WDの大排気量車「GTO」をラインアップするなど、90年代は過給器付きのハイパワースポーツも豊富でした。
あれから20年以上。いま、一部の90’sスポーツカーは異例の中古車価格に。 低走行/無事故のスカイラインGT-Rは、新車以上のプライスタグ。スープラやRX-7でも5MT/6MT(ミッション)車だと想像以上の高値がつくなど、”程度のいいタマ”は簡単に買えなくなってしまいました。
とはいえ、「遊べる」「クルマを操る」など、いまのスポーツカーにはない魅力があるのが90’s国産スポーツだと思うのです。今回は、まさに今が狙い目な「90年代 ユーズド・スポーツカー」5台をピックアップ。 もちろん、対象は”手コキのマニュアルミッション”、デス!
【MR2(SW20)】
1989年に登場した2代目のトヨタ「MR2」は、初代(AW11)から継承する生粋のスポーツカー。 ミッドシップにエンジンを配置した動きはピーキーと言われるが、マイナーチェンジでサスペンションが見直されて万人受けする味付けに。初期型は”いい意味”でミッドシップらしさが味わうことが可能で、独特なクイックなハンドリングを堪能することができます(いい意味で暴れん坊)。現在も「ミッドシップ×後輪駆動」は、ホンダNSXやS660が健在。とはいえ、いまでは廃止されたリトラクタブルのヘッドライトや、ヤマハの名機”3S”を搭載したエンジンなど、初代MR2や最新Kカースポーツよりも手頃に買えちゃうのは魅力ではないでしょうか。 □MR2(SW20)中古車相場:50~150万円(5MT)
【アルテッツァ】
高い衝突安全ボディに高回転まで回るツインカムエンジンを搭載して登場。 1998年にデビューしたトヨタ「アルテッツァ」のなかでも、直4ツインカムとアイシン製の6速MTを組み合わせた「RSグレード」がイチオシ。搭載する”3S-GE”エンジンは、絶対的なレスポンスやパワーというよりも、高回転まで回る”NA”ならではの気持ち良さが特徴。内装はオーソドックスですが、クロノグラフの腕時計を連想させるスピードメーターなど、スポーティな空間も魅力です。「手頃なボディサイズ」「セダン」「後輪駆動」「マニュアルミッション」「5人乗れる」。 まさに5拍子揃ったクルマが、100万円もあれば余裕で買えますよ。 □アルテッツァ中古車相場:25~130万円(6MT/RS)
【カローラレビン/スプリンタートレノ】
後輪駆動の”ハチロク”人気の影に隠れた存在となった、それ以降のFFモデル。 なかでも、ピンゾロやゾロ目と呼ばれた最終型の「AE111 レビンとトレノ」では、スポーツグレード「BZ系」へ黒ヘッド(20バルブ)となった名機4A-GEの改良版を搭載。当時のホンダ”テンロク”よりも出力は劣るものの、先代(AE101)よりも軽量化されたボディとの相性も良く、走りは上質かつスポーティ。衝突安全ボディ「GOA」の採用で車重は増えたものの、6速MTの採用や引き締まったルックスに生まれ変わった後期モデルも魅力です。この「ピンゾロ」、じつはトヨタがかなりこだわって作られたモデルと言われてます。ネガティブな意見もあったが、AE86の影に隠れた名作と言えるでしょう。 □カローラレビン/スプリンタートレノ(AM111)中古車相場:40~100万円(6MT)
【ソアラ(Z30系)】
トヨタのハイソな高級パーソナルカー「ソアラ」。歴代モデルには、当時の最先端技術が投入され、着々と進化を遂げていきました。 そんな中、1991年にフルモデルチェンジした3代目は、BMW8シリーズやメルセデスベンツSLへ対抗すべく、全車3ナンバーを採用。DOHCの4リッターエンジンやアクティブサスの搭載など、ハイソカーにふさわしい遺伝子が受け継がれたのですが、中古車市場では、高値の初代や2代目と比べて値ごろ感ありなのです。
ただし、これはAT車に限ったハナシ。 2.5Lツインターボの”1JZ-GTE”を搭載したMT車は、希少なために今後は価値が出てくる可能性もありそうです。 □ソアラ(Z30系)中古車相場:80~180万円(5MT)
【シルビア(S14)】
忘れてはならないのが日産の代表格、シルビア。 90年代には、S13~S15の3モデルが販売された年代で、過給器付きは”SR20DET”と基本設計は同じ。燃料ポンプやインジェクターの容量がアップしてパワーも出しやすく、ボディ剛性が高いS15を推したいものの、まだまだ高値維持。S13は多少なりともプレミア感が出て、年式の割に相場も高く古臭さも否めません。 というわけで、推しは価格的にもバランスに優れるS14型シルビア。ボディがデカくなったとか、デザインがイマイチと不評な声もあったが、ワイドトレッド化によるコントロール性の高さや、豊富なアフターパーツは魅力。 個人的には、「あの目がたまらんわ」のCMでおなじみの後期型よりもタレ目の前期型がオススメかと。 □シルビア(S14)中古車相場:60~160万円(5MT/ターボ)
マツダは初代ロードスターに、ホンダはビートに、日産はR32GT-Rへ純正部品の再販をスタート。 自動車メーカーが、古き良きモデルを残すために後押しとは、じつに素晴らしい試みですね。90年代スポーツには、純正部品の絶版や故障といった悩みは付き物かもしれません。でも、特別なスタイルや楽しみ、多少なりのトラブルも”90年代を飼う”醍醐味なのではないでしょうか。 当時モノしか味わえない感覚は、親父世代だけでなく、若者にも体験してほしいと思います。
(ちんサブ)
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