発売前の新型車情報は、信頼できる情報筋からのリークであったり、やや怪しい筋からの不確かな情報をより合わせて伝えたり、さまざまなパターンがある。そのなかでも時折、メーカー自身が正式発売決定とその発表時期をはっきり明言している新車情報もある。
今回の「新型シビックタイプR」がそのひとつ。現行型シビックハッチバックの世界初披露時(2021年6月)、「2022年に新型シビックタイプRを出す」と公言している。本稿ではそんな新型シビックタイプRの現時点での公開情報と、それを元に取材を進めた内容を整理してお伝えしたい。
売却価格は「1ポンド」。ホンダF1からブラウン・グランプリへ、そしてメルセデスに至るという皮肉
文/ベストカーWeb編集部
写真/ベストカー編集部(予想CG)、佐藤正勝、HONDA
[gallink]
■ベース車の開発当初から「タイプR」を意識
1997年の初代(EK9型)登場以来、新型で実に6代目となるシビックタイプRが、2022年夏頃にデビューする。現行型となる11代目新型シビックハッチバックのボディにハイパワーターボを搭載した、純ガソリン仕様の世界最高峰FFスポーツとなる。
「世界最速のFFスポーツ」の座を奪還すべく、シビックタイプRは登場する(画像はベストカー編集部制作の予想CG)。ホンダ製スポーツカー最後の純ガソリン仕様となる可能性が濃厚だ
ホンダの三部敏宏社長は2021年4月の就任会見で、「日本国内では、2030年にハイブリッドを含めて新車販売を100%電動車とする。」と明言。モデルサイクルを考えると、これが最後の純ガソリン仕様スポーツカーとなる可能性が高い。それだけに、ホンダのこれまでのガソリンエンジン&スポーツカーの集大成となるだろう。
次期型タイプRは(一時期ハイブリッド化も検討されたものの)2L、直4VTECターボを継続採用するのが最新情報だ。つまり、正常進化型モデルチェンジとなる。
エンジンスペックは320ps/40.8kgmと従来型同様ながら、細部の改良によりトルク特性をチューニング。コーナー立ち上がりのレスポンスに優れたエンジンに進化しているという。予想サイズは全長4560mm×全幅1875mm×全高1415mm。搭載されるトランスミッションはもちろん6MTのみ。
ベースとなる現行型シビックは当初からタイプRの存在を念頭に置いて開発が進められており、ハイレベルのパワー、コーナリングスピード、超高速域での安定性を確保するためのボディ剛性が確保されているうえに、タイプRではさらなる強度アップのための専用の補強が施される。この強靭なボディが圧倒的な走りを生む。
デザインは新型シビックを最新のエアロで武装したものとなるが、エアロだけにとどまらず、全幅を拡大してトレッドを広げるなど大幅に手を加えたものとなる。これもタイプRを念頭においた開発としたことによって、理想のスペックを追求できているというわけだ。
従来型の最終仕様は多くのプロドライバーを唸らせる走りを実現していただけに、その進化版となれば否が応でも期待は高まる。間違いなく「ニュルブルクリンクFF市販車最速」の称号を掲げての登場となるだろう。
正式デビューは、現時点では2022年5月との情報だが、半導体不足の影響などもあり、数カ月ほど先送りされる可能性もある。価格は従来型の最終限定車「リミテッド」の550万円を超える580万円程度が予想されるが、500万円前後のレースベース仕様が用意される可能性もある。
■先代シビックタイプRリミテッドと新型のライバルは
従来型シビックタイプRの最後に加わった限定車「リミテッドエディション」の評価はすこぶる高いものだった。軽量化のほか足回りも細かく改良してベース車を上回る走りを実現。百戦錬磨のプロドライバーたちに絶賛されていたのが記憶に新しい。限定200台があっという間に完売した。
当然、新型にはその開発ノウハウがすべて注入されている。従来型でも「究極のタイプR」と称されたものだが、新型は「究極を超えた究極」となるのだろう。期待は膨らむばかりだ。
新型シビックタイプRが2022年に登場したとして(登場するのだが)、そのときのライバルは従来型同様、ルノーメガーヌR.S.となる。特にMTを設定する、よりスポーティな仕様の「トロフィー」がガチンコの相手。両車のガソリンターボ同士の対決はおそらくこれが最後となるだろう。ニュルのラップタイムはもちろん、普段使いの楽しさでも優劣を競う。
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みんなのコメント
タイプR作れないのかね
シビックのこの価格帯では買える人が少な過ぎる