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予選2番手に悔しさ見せる宮田莉朋。まさかのMOTUL GT-RにARTA NSX…アタック直後に聞くドライバーの声【第4戦GT500予選】

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予選2番手に悔しさ見せる宮田莉朋。まさかのMOTUL GT-RにARTA NSX…アタック直後に聞くドライバーの声【第4戦GT500予選】

 2カ月ぶりに行われたスーパーGT、第4戦ツインリンクもてぎの予選は3メーカーにタイヤ4メーカーが上位に入り乱れて拮抗する、僅差の戦いとなった。久々のGTでの予選アタックに、実績の少ない7月の猛暑のもてぎでの走行と難しい条件が重なるなか、予選を終えて話を聞くことができたドライバーたちの声をまとめた。

 まずは予選2番手のフロントロウを獲得したWedsSport ADVAN GR Supraの宮田莉朋。宮田は前回の第2戦でGT500初ポールを獲得したばかりで、もう少しで2戦連続のポールも見えてた。

「予選のパフォーマンスを上げることが今年の課題でした」と山本尚貴【第4戦GT500予選会見】

「(ポールまで)あと一歩、足りなかったですね。ちょっとクルマがナーバスなところがあって、そのなかでもベストは尽くせました。2番手ですし、100分の5秒差ですのでヨコハマタイヤとGRスープラ、そしてチームとドライバー、そのすべての力が合わさってトップに近づいているので、みなさんに感謝したいですし、今後もこの成績を続けていきたいですね」

 前回はポールを獲得できたが、今回は惜しくも2番手。うれしさと悔しさ、どちらが大きかったのか。

「前回の富士はポールが獲れない可能性が高いなかでポールを獲れたので喜びが大きかったですけど、今回のもてぎはサーキットの相性ともいいですし、絶対にポールを獲るという気持ちで来ているので、悔しい気持ちの方が大きいですね。それでも、これまではポールを期待してGTに来ることなんてなかったので、こういった悔しさを味わえている時間は、ある意味幸せです」

 明日の決勝ではタイヤのライフが勝負どころになる。

「夏のもてぎでのロングランは未知数の部分が多いので、タイヤがどこまで保つのかわかりませんし、どんなレースになるのかわかりませんが、しっかり優勝を目指して頑張りたいと思います」

 続いては、今回GRスープラのブリヂストン装着車でもっともサクセスウエイト(SW/旧称ウエイトハンデ)が軽い38号車ZENT CERUMO GR Supra。このもてぎでは優勝候補の1台にも挙げられていたが、予選8番手でSWの重いGRスープラ勢にも遅れることになってしまった。Q2を担当した立川祐路が答える。

「今日の走り始めから思いのほかクルマがよくなくて、一番はアンダーステアが大きくて、自分のパートでは直しきれずに石浦(宏明)に引き継ぎました。予選は苦しい状況だなと覚悟していたのですが、クルマを見直した部分がいい方向にいってQ2に進むことができた。朝のことを考えればいい結果かなと思うのですけど、クルマはまだまだ満足できるレベルではありません」
 
 立川は自身が持つ最多ポールシッターの記録を更新するチャンスでもあったが、予選Q2では最下位となる8番手に終わってしまった。

「アタック自体はクルマが朝の状態から全然違っていたので、様子を見ながらになって思い切りアタックできるという状況ではなくて、アンダーもまだ残っていたし、ブレーキングでリヤのグリップも足りない状況でした。自分のアタックでも最後、最終コーナーで頑張って行きすぎてしまってロスしてしまって、それがなければ2台くらい前に行けたと思うので、もったいなかったなと思います。その部分は明日の決勝で自分で取り返すしかないと思っています」

 ZENT CERUMO GR Supraとしては、今年から担当エンジニアが変わり、昨年までのマシンから大きくコンセプトが変わることになった。今季はコロナの影響などで走行機会、テストが少なく、セットアップの理解や熟成が進められず、周囲のGRスープラ陣営に大きく水をあけられる結果になってしまっている。

「エンジニアが変わって、去年までのものがまったく変わって、今年リセットしたような状況なので、その部分は他のチームと比べて辛いところがありますね」と立川。ZENT CERUMO GR Supraの復活にはもう少し、時間が必要な気配だ。

 GRスープラでSWが重いなかでも好調さをみせているトムスの2台。ランキング3位のKeePer TOM’S GR Supraは予選5番手を獲得し、ランキングトップの14号車ENEOS X PRIME GR Supraが予選13番手、ランキング2位のAstemo NSX-GTが14番手を下位に沈んでしまっただけに、今回の決勝は大きなチャンスになる。KeePerの平川亮が話す。

「正直、朝の走行ではクルマが良くなくて、思い切って走れない状況でした。予選に向けてクルマを変えていって良くなりましたね。そこはもう、チームの力のおかげです。予選Q1は予想よりも速かったですね。明日の決勝は順位というよりもランキング上位の重いクルマが下の方になったので、シリーズランキングを考えるとチャンス。できるだけ前に行きたいなと思います」

 ホンダNSX、GRスープラが予選上位に入るなか、ニッサンGT-R陣営では3号車CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが孤軍奮闘してQ2進出を果たした。だが、ここで気になるのは同じミシュランタイヤを装着するニッサンのエース車両、MOTUL AUTECH GT-RがQ1で敗退してしまったことだ。Q1を担当した松田次生に聞く。

「この時期のもてぎの走行データがなくて、走り初めから苦労しました。予選でなんとかQ1通りたいなと思っていたのですが、アタックの1周目の5コーナーでちょっと行きすぎてミスをしてしまったのでアタックを止めて、次の周にもう1回アタックに行ってタイムは上げられたのですけど(Q1突破の8番手まで)コンマ2秒、足りませんでした。アタック自体はもう結構、いっぱいいっぱい行っているので、どうしてタイムが出ないのか、ちょっと悩んでいます。ポールのタイムはもう、完全に想定外のところですね」

 3号車との違いはどのような点にあるのだろう。

「3号車(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)とはクルマの仕様が違うので、タイヤも少し仕様が違います。今回は3号車の方のセットアップの方がよかったのかもしれませんが、これまで23号車と違う方向性で進んでいるので、すぐに真似はできない。明日の決勝も厳しいですけど、とにかくポイントを獲って凌いで、次の鈴鹿にいい流れで繋げたいですね」

 また、予選ポールポジションを獲得した1号車STANLEY NSX-GTよりサクセスウエイトが軽い8号車ARTA NEX-GTが予選9番手でQ1敗退となったのも大きなサプライズとなったが、どうやら1号車とはタイヤ選択が違ったとのこと。

 ARTAのドライバーたちは予選後はエンジニアとデータを見つめながら長いミーティングに入り、直接話を聞くことができなかったが、その後のチームリリースで「アタック自体は何のミスもなく、現在の車のポテンシャルは出し切れたと思っています。上位陣とは違うセットではありますが、Q1を突破出来なかったのが何が原因だったのかこれから調べますが、Q1は通りたかったな、というのが率直な気持ちです」と野尻智紀はコメントしている。

 昨年の11月のもてぎ戦ではホンダNSX陣営がトップ5を独占する圧倒的パフォーマンスを見せたが、今回の予選ではさまざまな要因が重なり、自動車メーカーとタイヤメーカーが上位で入り乱れるリザルトになった。今日の予選では気温33度、路面温度45度という酷暑だったが、明日の決勝はさらに気温が上がることが予想されている。暑さによるタイヤのライフやブレーキや冷却系のトラブルなど、サバイバルな要素も求められることになる決勝。今回の予選のように、決勝も予想が難しい展開になりそうだ。

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