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ただのセダンに見えるが……フェラーリのV8搭載だと!? ランチア・テーマ8.32という衝撃の爆速セダン

掲載 39
ただのセダンに見えるが……フェラーリのV8搭載だと!? ランチア・テーマ8.32という衝撃の爆速セダン

 この記事をまとめると

■ランチアにはかつてテーマというセダンが存在した

昭和のオッサンはかつて「ストラトス」や「デルタ」の名前に狂喜した! いまの姿が信じられないほどWRCで無双した「ランチア」の活躍っぷり

■「プロジェクト4」の一環のなかで作られたモデルだ

■のちにフェラーリのV型8気筒エンジンを搭載する「8.32」が登場し大きな話題となった

「プロジェクト4」のなかで誕生したイタリアンセダン

 現在では、スーパースポーツ並みのパフォーマンスをセールスポイントとするサルーンは多くあるが、デビューから40年以上を経過してもなお、記憶のなかから忘れ去ることのできないモデルがある。イタリアのランチアが1986年にフラッグシップサルーンのテーマに追加設定した「テーマ8.32」がそれだ。

 ちなみにテーマは、それまでのベータやガンマの後継車として1984年に発売されたモデルで、基本設計はサーブ(9000)、アルファロメオ(164)、フィアット(クロマ)、とともに行われた。これは当時「プロジェクト4」と呼ばれ、アッパークラスサルーンの市場で大きな脅威になるのではないかとの噂も高かったのだ。

 この4車のなかでも、当時のイタルデザイン・ジウジアーロがデザインを担当したランチア・テーマは、その重厚で落ち着きのあるエレガントなスタイルで、ランチアというブランドがもつ高級感とスポーティなイメージを見事に表現してみせた。

 こちらも優雅な雰囲気にまとめられたインテリアは、ランチアのチェントロ・スティーレ(デザイン・センター)の手によるもの。テーマはデビュー時から確かに圧倒的な人気を得ることに成功したのだ。

 心臓部にはデチューンされた跳ね馬のエンジン

 そのテーマに、ここでの主題である「8.32」が1986年に追加設定されたのは、前でも触れたとおりだ。デビューは同年のトリノショー。これまでのラインアップの、さらに上級に位置する高性能なモデルというだけでは、トリノからさほど大きな話題は放たれなかったのかもしれないが、最大の注目点は、フロントに搭載されるエンジンにこそあった。

 エンジンカバーの上に赤くペイントされた帯には、なんと「LANCIA by FERRARI」の文字があった。そう、ランチアのサルーンがフェラーリ出自のV型8気筒エンジンを搭載するに至ったのである。

 ちなみに8.32という数字は、V型8気筒のDOHC32バルブを意味するものであり、排気量は3リッターとフェラーリの308クワトロバルボーレ系のそれと等しい。さらに大きく異なるのは、フェラーリが180度クランクを使用していたのに対して、ランチアはより高い快適性を考慮して90度クランクを選択したこと。燃料供給もボッシュ製のKE3ジェトロニックに改められている。最高出力は215馬力にまで若干低下してしまったが、284Nmの最大トルクは大柄なテーマのボディをストレスなく加速するには十分なものだった。

 また、ランチアは1991年にはこのエンジンスペックを200馬力&263Nmに引き下げるが、それでもテーマ8.32は最高速で240km/h、0-100km/h加速では6.8秒というパフォーマンスを発揮することに成功した。

 テーマ8.32に採用されたメカニズムでもうひとつの見どころは、トランクリッド上に収納される可変式のリヤスポイラーだろう。これは、ドライバーが必要時に任意で使用や収納が可能なもので、収納時にもなおトランクリッドには十分なラゲッジスペースが確保されていた。

 エンジンカバーの演出のみならず、前後のホイールやフロントグリル、あるいはさらに高級な本革やローズウッドを使用したインテリアを採用するなど、至るところでフェラーリのデザインや雰囲気を感じさせたテーマ8.32。それは現在では貴重なコレクターズアイテムとなっていることは、間違いのないところだろう。

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みんなのコメント

39件
  • drs********
    所有していたが涼しい時にしか乗れなかった。
    エンジンルームに隙間がないほどのV8エンジンが積み込まれていて、
    直ぐにオーバーヒート気味になる。
    そうなるとアイドリングでエンストしたり、暑いのを我慢してエアコン切ってヒーターの様にしてエンジン内の熱を車内に。
    冬以外、渋滞にはまれば熱中症になる。

    あとは内装。
    家具としてはいい革だったとは思うが、熱で縮じみ浮いてくる。
    こうなれば高級感は0。

    今から購入するのだったら、
    渋滞のない場所に住んでいる、
    早朝、夜にしか乗らない。
    最低限この二つの条件がそろわなければだめ。


    今ならラジエターの性能があがって対策は出来るのだろうか?
  • tal********
    (昔の)フェラーリ ランチアという、信頼性のしの字もないメーカー同士のコラボ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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