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【ヤマハ YZF-R9 試乗】価格以上のオーバースペック具合に舌を巻いた…鈴木大五郎

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【ヤマハ YZF-R9 試乗】価格以上のオーバースペック具合に舌を巻いた…鈴木大五郎

◆『XSR900 GP』の現代版、ではない
ヤマハの人気スポーツネイキッドモデル。『MT-09』をプラットフォームとしたマシンは現在複数ラインナップされている。ヘリテージモデルである『XSR900』や、懐かしのレーシングマシンを彷彿させる『XSR900 GP』、そしてスポーツツーリングマシンの『トレーサー9GT』等。そのファミリーにあらたなマシンが加わった。

いや、これはある意味ファミリーでもあり、ファミリーではないともいえる?

【詳細画像】ヤマハ YZF-R9

搭載されるエンジンは共通であるが、フレームや足回りがまるっきり専用設計とされている。つまり、レトロなカウルを身に纏ったXSR900 GPに対し、現代的フェアリングをまとったR9、というわけではないのである。

スタイリングはYZFシリーズ共通の、ヤマハのレーシングマシンのDNAを強く感じさせるもの。また、2025年のワールドスーパースポーツ選手権にデビューし、いきなりタイトルを獲得したことからも、それが本気モードで作られていると想像される。

そんなマシンを前にすると、公道におけるそのポテンシャルが気になるが、その走りやいかに。

◆スタイリングからの予想に反して、意外なフィット感
跨ってみればやや下がり気味のハンドルのタレ角や、ちょっと脇を絞るようになる上半身のポジション、膝回りはスリムで燃料タンクにピタリとフィットする感触等、ここでもヤマハらしさが感じられる。前傾の強めなスポーティなポジションではあるが、スタイリングからの予想に反して、意外なフィット感の良さを覚える。

MT-09と共通となるエンジンではあるが、走り出したR9はそれよりも断然スムーズに感じられる。2気筒と4気筒の良いとこ取りなどと評されることも多い並列3気筒エンジンであるが、鼓動感は抑え気味で、どちらかというと4気筒寄りのフィーリングである。

ファイナルレシオの変更で、より高速向きに設定されているということもあるが、よりレスポンスの良さを感じさせるMT-09とはちょっと趣が異なり、もっとジェントルでスムーズな印象。また、前後サスペンションの動きもそのエンジン特性にバランスよくマッチング。荷重設定は高めながら、しなやかさを感じさせる。

◆いまや120馬力という数字に驚きは少ないが
トルクフルなエンジン特性により、高回転まで回さなくともほとんどのシーンでこと足りる。スポーツマシンのDNAを感じさせながらも、十分一般道を流す走りにもアジャストしていると感じられた。

しかし活を入れると、マシンはワープするかのごとくマシンを前に押し進める。さらなるハイパワーモデルが世の中には数多く存在することもあり、120馬力という数字に驚きを覚えることは少なくなっているが、実際のパワーは侮れない。一般道ではなかなかフルスロットル出来るシチュエーションはないと思われるパワー感である。

しかしそれは、たとえばこれまでワールドスーパースポーツ選手権で活躍してきた『YZF-R6』などと比較すると、あきらかに実用的かつ現実的なものであった。ワイドなパワーバンドはそのままワイドなライディングシーンに溶け込むものである。

◆ハンドリングのヤマハを継承
「ヤマハハンドリング」という言葉がある。それを説明せよ。と言われるとなかなか難しいのであるが、接すれば「これこれ!」と思わせる確かな何かがある。操作に対する応答性の間であるとか、わかりやすさ。マシンをリーンさせていく際の舵角の付き方なんかがそうであろう。

しかし昨今のスーパースポーツマシンでは、それを感じることが少なくなってきている。サーキットでの走りを突き詰めていくと、車体全体が高荷重となっていく。ハードに攻め立てた領域ではきっとどこかで感じられるのであろう。しかし一般道ではその領域まで到達することが出来ず、ヤマハハンドリングの味わいは薄口となる。

極限を突き詰めればパワー同様、ハンドリングもピンポイントなものになり、万人向けとは言い難いものとなってしまう。しかし、R9ではもっと低いスピード域からこのヤマハハンドリングを味わうことが出来る。

一見華奢にも見える、いっぽうで非常に凝った造形をみせるフレームはMTと比較してかなりの剛性アップが図られているとのことだが、ガチガチに感じられないのは優れた剛性バランスが備わっている証明だろう。

◆価格以上のオーバースペック具合
様々な電子制御が備わっているのもR9の魅力だ。MT-09から引き継いだものもあれば、それをさらに高性能化したものまで、そのスペックはフラッグシップモデルと遜色ないレベルである。今回は一般道での短い時間でのテストだったので全ての機能をテストすることは叶わなかったが、シチュエーションを広げていくなかで大きな安心と満足感を与えてくれることは間違いない。

スーパーバイク選手権でのタイトルを狙うリッタークラスのマシンと異なり、ミドルクラス(といって良いのかは排気量的に微妙ではあるが)のマシンは絶対性能のみに焦点を当てるわけにはいかない。もちろん販売価格も含めて様々な要求に応える必要がある。

149万円という価格から、かなりの妥協を強いられたのではと予想していたのであるが、非常にオールラウンド性が高いうえでしっかりと高性能。コストパフォーマンスが非常に優れた満足感の高いマシンとなっていたのである。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★
扱いやすさ:★★★★
快適性:★★★
オススメ度:★★★★

鈴木大五郎|モーターサイクルジャーナリスト
AMAスーパーバイクや鈴鹿8耐参戦など、レース畑のバックボーンをもつモーターサイクルジャーナリスト。1998年よりテスター業を開始し、これまで数百台に渡るマシンをテスト。現在はBMWモトラッドの公認インストラクターをはじめ、様々なメーカーやイベントでスクールを行なう。スポーツライディングの基礎の習得を目指すBKライディングスクール、ダートトラックの技術をベースにスキルアップを目指すBKスライディングスクールを主宰。

文:レスポンス 鈴木大五郎
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みんなのコメント

5件
  • s14********
    完売だから買いたくても乗れんのでは
  • *****
    このマフラー好かんのよ。
    かと言って最近のアフター品はクッソ高ぇ〜しどうなってんだかの世の中....
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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