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ポルシェ初、963カスタマーが表彰台獲得。プロトンにとって「メガリザルト」/IMSAプチ・ル・マン

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ポルシェ初、963カスタマーが表彰台獲得。プロトンにとって「メガリザルト」/IMSAプチ・ル・マン

 ハリー・ティンクネルは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2023年シーズン最終戦として開催された『モチュール・プチ・ル・マン』で、プロトン・コンペティションが3位に入ったことを「メガリザルト」と表現した。

 ティンクネル、ニール・ジャニ、ジャンマリア・ブルーニの3名がドライブした59号車ポルシェ963は、土曜日にアメリカ・ジョージア州のミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタで行われた10時間レースにおいて、ワークス部隊であるポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)を破り、“有終の美を飾った”メイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-06、2位のチップ・ガナッシ・レーシングの01号車キャデラックVシリーズ.Rに次ぐ総合3位表彰台を獲得した。

タイトル争うアキュラとキャデラックが接触。大荒れの最終戦でAXRがGTP初代王者に。優勝はMSR/IMSA

 IMSAとWEC世界耐久選手権の両トップカテゴリーでポルシェ963のカスタマーカーを走らせているプロトン・コンペティションにとって、LMDhカーでの5回目のレースで達成したポディウム・フィニッシュは両シリーズを通じて最高のリザルトだ。

 59号車のクルーは、最初のプラクティスでさまざまな問題やセットアップの調整を行ったが、ナイトプラクティスではホイールが外れて大幅に時間を失うなど、プチ・ル・マンへのビルドアップには混乱が生じていた。

「チームにとって、とてもハッピーな結果だ」とレース後Sportscar365に語ったティンクネル。

「僕たちが(このクルマでレースを)始めたところから半年の間……テストもほとんどしていない。週末もあまり走れないところから始まった。ジミー(ジャンマリア・ブルーニの愛称)と僕はレース前に20周走っただけだった」

「3輪でのセットアップを試したけど、まったくうまくいかなかったね!(笑)」

「メガリザルトだ。カスタマー963初の表彰台に登れたし、(PPMの)ファクトリーカーよりも速かった。素晴らしいよ。ちょっと危ない場面もあったけど、運にうまく乗れたと思う」

「僕たちはこの一日で、集団の中に入っていってペースアップできることを証明できた。もちろん、(アクシデントが連続し、イエローコーション下でのチェッカーとなった)最終盤はすべてのことがうまくいかなかった。でもラッキーなポジションにつけたし幸運に恵まれていたと思う」

 ティンクネルは2.540マイル(4.088km)のロード・アトランタでの車両セットアップに関して、彼とブルーニ、ジャニは「自分たちがどのレベルにいるのかわからない」状態でレースに臨んだと付け加えた。

 さらに、ジャニは10台で争われるGTDクラスの最後尾からのスタートを余儀なくされたが、これはプロトンが予選中にタイヤの空気圧を調整したためだった。

■WEC最終戦に向け、表彰台獲得が後押しに

 ウェザーテックカラーをまとった59号車は、決勝レースの4時間目にティンクネルがフィリップ・エング(25号車BMW MハイブリッドV8)、ティメン・バン・デル・ヘルム(5号車キャデラックVシリーズ.R)、リッキー・テイラー(10号車アキュラARX-06)を次々にオーバーテイクしてトップ3に浮上する。

 プロトンのマシンはその後、ブルーニとジャニのスティントでもリードラップをキープし、残り1時間半を切ったところでティンクネルがコックピットに戻った。フィリペ・アルバカーキ(10号車アキュラ)のアクシデント後に訪れたピットラウンドでプロトンが彼を呼び戻さなかったため、イギリス人ドライバーは5つポジションを上げた。

「彼は燃料をセーブしていたので、チームはピットインせずに待機させることにした」とブルーニはSportscar365に語った。

「それは正しい判断だった。燃料は充分にあったのでギャンブルでもなかった」

 プロトンのドライバーたちは、プチ・ル・マンでの表彰台がチームの新しいトップレベル・プロトタイプ・プログラムにとって、厳しい戦いが続いたあとの追い風になると考えている。

 北米でのフィナーレイベントを終えたプロトン・コンペティションだが、チームはもう1台のポルシェ963でWECのシーズン終盤戦であるバーレーン8時間レースを戦う予定だ。

「プロトン、クリス(クリスチャン・リード/チームオーナー)、そして彼の兄弟にとって、彼らの投資やすべてに対するいい報酬だと思う」とジャニは振り返った。

 ティンクネルはこれに「すべてのボーイズ・アンド・ガールズたちにとってもね」と付け加えた。「彼らはファクトリーだけでなくサーキットでも徹夜を繰り返してきた。彼らの満面の笑みを見ることができて、クルマから降りたときは本当にうれしかったよ」

「重要なのは、この勢いをバーレーンに持ち込み2024年に向けてテストを行うことだ」

 プロトンの表彰台は、同じくポルシェLMDhユーザーであるJDCミラー・モータースポーツが、GTPシーズンの初めにザ・グレン6時間レースとカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク(モスポート)で獲得した2戦連続4位という、カスタマー・ポルシェ963のこれまでの最高成績を更新した。

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