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【足を引っ張る非力さ】キア・シード・スポーツワゴン1.6 GDi PHEVへ英国試乗

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【足を引っ張る非力さ】キア・シード・スポーツワゴン1.6 GDi PHEVへ英国試乗

英国では人気モデルのキア・シード

textSimon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】シードと比較 ステーションワゴン 全104枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


モデルバリエーションの拡大が続く、キアのシード。前回はPHEV版のクロスシードをご紹介したが、今回はステーションワゴンのシード・スポーツワゴンだ。追って通常のハッチバック版にも、PHEVが追加予定となっている。

シード・スポーツワゴンが採用するPHEVシステムは、基本的にニロPHEVと同じもの。自然吸気の1.6L 4気筒エンジンと電気モーターが組み合わされ、前輪を駆動する。

8.9kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し、56kmまでの距離なら電気の力だけでも走行できる。3kWの容量の充電器を用いれば、3時間弱で充電が可能だ。

英国に導入されるシード・スポーツワゴンのグレードは、「3」 の一択。英国価格は2万9995ポンド(401万円)となる。試乗車は左ハンドルだったが、英国でも人気のモデルには違いない。

標準装備には、ナビゲーションにヒーター付きのシート、デュアルゾーン・エアコン、17インチのアルミホイールなどが含まれる。キア最新のインフォテインメント・システムと、安全運転支援システムも搭載される。

UVOと呼ばれるコネクテッド・システムで、eSIMを通じて充電器や駐車場の空き具合などを確かめることも可能。装備は充実しているから、購入の際に選ぶことといえば、ボディ色くらいかもしれない。

キア・シード・スポーツワゴンのPHEV版は、角が取れ、熟成された印象を受ける。一方で、一部はそうでもない。

一般的に好まれる乗り心地や操縦性

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式で、リアがマルチリンク式。垂直方向の姿勢制御に優れ、路面の隆起などに対する処理も良好。高速道路も郊外の田舎道でも、市街地でも、足まわりはしっかり対処してくれる。

フロントタイヤの反応も良く、グリップは日常的な走行なら必要以上。操縦性も充分に良い。切り込んでいくと人工的な重さを感じる場面もあるが、基本的には正確性も高い。

速度を上げていくと、コーナリング時のボディロールが大きく感じられる。それでも、不安定さが顔を出すことはないようだ。

フォード・フォーカスのような、活発さや身のこなしは得ていない。しかし一般的なドライバーには、好まれる味付けだと思う。

車内は、いってしまえば典型的なキア。見た目も触感も、作りも良く、扱いやすいデザインに仕上がっている。しかし、華やかさというか、どこかセンスに欠ける。

運転席とステアリングコラムの調整は電動。可動範囲も大きい。ドライビングポジションは快適だし、リアシートの空間も広々としている。

荷室容量も、PHEVとして考えればかなり大きい。通常のシード・スポーツワゴンは625Lの容量がある。PHEV版はバッテリーが空間を侵食し、437Lに減っている。

パワートレインは、最大56kmのEVモードでの走行は評価できるが、それ以外は目立った特長がない。電気モーター自体のパワーは弱く、交通の流れに合わせて運転するには、アクセルペダルを深めに踏み込む必要がある。

ほかのモデルを推したくなる

電気モーター主体から、エンジン主体へ切り替わるマナーはスムーズ。しかし、エンジンが始動しても、正直、シード・スポーツワゴンは遅い。

右足に力を込めれば充分な加速力を引き出せるものの、1.6Lのガソリンエンジンは高負荷時に不快なサウンドを放ってしまう。クルージング時は、静かではあるけれど。

カタログ燃費の66.7km/Lに近づくには、EVモードでの走行を最大限活用し、こまめな充電を繰り返す必要がある。自宅でも確実に充電しておかないと、燃費はみるみる落ちてしまう。もっとも、これはどのPHEVでも同じではある。

プラグイン・ハイブリッドのステーションワゴンを探しているなら、英国ならスコダ・スパーブiVというモデルがある。はるかに実用性に優れ快適で、ハイブリッド・システムはパワフルで知的だ。

価格は数千ポンド(数十万円)高いけれど、キア・シード・スポーツワゴンよりボディサイズも一回り大きい。辛口ではあるが、冷静に考えれば、どちらを選ぶべきかは明らかだと思う。

キア・シード・スポーツワゴン1.6 GDi PHEV 3(欧州仕様)のスペック

価格:3万695ポンド(411万円)
全長:4600mm
全幅:1800mm
全高:1465mm
最高速度:170km/h
0-100km/h加速:10.5秒
燃費:66.7km/L
CO2排出量:22g/km
乾燥重量:1614kg
パワートレイン:直列4気筒1580cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:141ps/4000rpm(システム総合)
最大トルク:27.0kg-m/4000rpm(システム総合)
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック

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