車いすユーザー自らがハンドルを握りドライブできる、Self-empowerment Driving Vehicle(セルフエンパワーメント ドライビング ビークル、以下SeDV)。マツダが初めてSeDV仕様を導入したのは2022年、クロスオーバーSUVの「MX-30」だった。そして2025年、より幅広い人たちに応えるべく、「CX-30」にも設定されることとなった。CX-30 SeDVは、頃合いのいいサイズ感と実用性、そして美しいスタイリングをバランスさせたクロスオーバーSUVで、その存在は先ごろのジャパンモビリティショー2025でも多くの注目を集めていた。
リング式アクセルとレバーブレーキがもたらす直感的な操作性 CX-30 SeDVの主役は、ステアリングの内側に配置されたリング式アクセルと、ハンドル左側に設置されたレバーブレーキである。運転操作は、リングを押し込むことで加速。押し込む量に応じて段差感を持たせ、速度の維持や細かな調整がしやすいよう配慮されている。そのため、交差点進入時や駐車時、立体駐車場のスロープなど、繊細なコントロールが求められる場面でも、スムーズで自然な挙動が得られるのが特徴だ。
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ステアリング内側に配置されたリングを押し込むことで加速を行う手動アクセル。押し込み量に段差感を持たせ、一定速度の維持や微妙な調整がしやすい。両手でハンドルを握ったまま自然なアクセル操作が可能で、安定したドライビングを実現する。 一方のレバーブレーキは、肘を支点として操作できるようブレーキサポートボードが装備されており、操作の安定性と疲労軽減を両立している。押し込むだけの操作で制動できるため、体幹が弱っている人でも、無理のない姿勢で確かな剛性感と自然な制動フィーリングが得られ、確実なブレーキ操作が行える。
手で押し込む動作で制動を行う押し込み式のレバーブレーキ。ステアリングから手を大きく離すことなく操作できる位置に配置され、少ない力でも確実なブレーキ操作が可能である。自然な操作軌道と高い剛性感により、安心感のある制動フィーリングをもたらす。レバーブレーキ操作時に肘を安定して支えるための補助装備。肘を支点とすることでブレーキ操作が安定し、長時間の運転でも疲れにくい。センターコンソールに固定する方式で、必要に応じて取り外しも可能である。 従来の福祉車両で一般的だった「ハンドルにノブを取り付け、片手でハンドル操作、もう片方でレバーによるアクセル&ブレーキ操作」というスタイルとは異なり、両手でハンドルを握ったまま自然に加速操作ができ、よりダイレクトかつ繊細な感覚でブレーキを扱える。このため、通常の運転に近い姿勢で走行でき、違和感の少ないドライビングが可能となる。長時間の運転でも疲れにくく、初めて手動運転装置に触れる人でも短時間で操作に慣れる完成度を備えている。
家族とのシェアができる「手動/通常運転」の簡単切り替え SeDVの大きな特徴は、手動運転と通常のペダル運転を簡単に切り替えられる点だ。これなら、家族や友人とのドライバー交代も容易である。手動運転モードでは、レバーブレーキを前方へ押し込んでロックし、その状態でイグニッションを入れることでアクセルペダルが無効化され、リング式アクセルによる加速が有効となる。反対に通常運転への切り替えは、フットブレーキを踏み込んだ状態でイグニッションを入れるだけでよく、特別な操作を必要としない。このシンプルな切り替え方式により、手動運転装置は「特定の人だけが使う特殊機能」ではなく、家族全員で共有できる「運転方法のひとつ」として成立している。
車いすは助手席側後席に 車いすは助手席側後席に載せる方式である。まず助手席の背もたれを前方へ倒し、続いて運転席の背もたれを後方へ倒す。この助手席前倒しレバー(オプション)は運転席側から操作できるよう配置されており、乗車位置を変えることなくシート調整が可能。車いすは折り畳んで引き上げ、ドライバーの身体の上を通す形で助手席側後席へ積載する。また、車いす利用者が助手席へ移乗し、他の人が運転する場合を想定し、シート調整レバーは通常どおり助手席側にも備えられている。移乗ボードも助手席側に設置することも可能だ。
車いす利用者の乗り降りをサポートする移乗用ボード。足元スペースを確保しながら身体を支えやすい形状で、ワンアクションで折り畳みが可能。サイドエアバッグの展開に影響を与えない配置とすることで、安全性にも配慮されている。2025年3月の商品改良以降、必要としないユーザーのためにオプション設定となる。※撮影車両には、車いすをルーフボックスに収納する特別装備が装着されている。
マツダが開発したからこその自然なドライバビリティ SeDVは、マツダの純正装備である点にも大きな意味がある。たとえば移乗時に使用するボードがサイドエアバッグに干渉しないよう設計されているほか、ステアリングのチルト&テレスコピック調整も通常車と同様に機能するなど、細部まで配慮された仕上がりとなっている。それはマツダが重視する「走る歓び」を損なわない設計思想を体現したものでもある。クルマとドライバーが一体となる感覚を得られる点は、同社ならではの美点であり、SeDVの大きな魅力であるといえる。
実際の使い勝手やインプレッションは、こちらの動画で!
Self-empowerment Driving Vehicle 装備品価格(消費税非課税) Self-empowerment Driving Vehicleは、ハイブリッド(e-SKYACTIV G)搭載車(252万円~310万円)に取付可能な装備であり、ディーゼルエンジン(SKYACTIV-D)搭載車は対象外となる。なお、新車架装のみ可能。リング式アクセル、レバーブレーキ、ブレーキサポートボードはワンパッケージとなっており、単体販売は行われない。
リング式アクセル/レバーブレーキ/ブレーキサポートボード(※消費税非課税)
本体価格 43万1200円
取付費 11万円
取付費込価格 54万1200円
移乗ボード(運転席用)
本体価格 11万4000円
取付費 1万9800円
取付費込価格 13万3800円
移乗ボード(助手席用)
本体価格 11万4000円
取付費 2万200円
取付費込価格 13万4200円
MAZDA CX-30 Self-empowerment Driving Vehicle:運転の「楽しさ」を実現した、マツダらしい福祉車両はBelieve - ビリーヴ ジャパンで公開された投稿です。
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