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【ミニバン王者の失墜】アルファードに惨敗の日産エルグランド なぜ大きな差? 進むべき道は

かつての「キングオブミニバン」も今は

text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)

【画像】エルグランド vs アルファード/ヴェルファイア【比べる】 全79枚

一時はメーカー自ら「キングオブミニバン」と称し、その名に恥じない人気ぶりを見せていた日産エルグランド。

しかし最近ではトヨタのアルファード/ヴェルファイアに大きく水をあけられ、全盛期の見る影もない状態が続いている。

1997年に登場した初代エルグランドは、当時の3列シート車はどちらかというと人員輸送車というキャラクターが強く、ワンボックス車から派生した乗用モデルというものが一般的だった。

フロント部にエンジンを搭載したセミキャブオーバータイプとし、洗練された内外装を持った乗用専用モデルとして瞬く間に人気車種となった。

デビュー翌年の98年には広大な室内スペースを4人乗りとしたVIP仕様の「ロイヤルライン」がオーテックジャパンよりリリースされており、先見の明があったことは明らかと言えるだろう。

また、スポーティなスタイルを持った「ハイウェイスター」や、オーテック扱いのドレスアップモデルの「ライダー」も設定され、カスタマイズを楽しみたいユーザーからも支持を集めており、エルグランドが一躍人気車種になったのもうなずけるというもの。

そして2002年には2代目となるエルグランドが登場。そこにライバル車として登場したのが、トヨタ・アルファードだったのである。

アルファードの登場とエルグランドの低迷

トヨタもエルグランドのデビューからずっと指をくわえてみていたわけではない。

先行して95年にデビューしていたグランビアに改良を加え、エルグランドに対抗していたのだが、やはり基本設計の違いは如何ともしがたく、エルグランドの後塵を拝していた。

そして満を持して2002年に登場したのが、アルファードというわけだ。エルグランドを徹底的に研究して生まれたアルファードは、室内空間をより有効に活用できるように前輪駆動レイアウトとしたほか、エルグランドには存在しなかった4気筒2.4Lエンジンも設定して価格を抑えるなど、多くのアドバンテージを持っていたのだ。

一方のエルグランドは、先代に引き続きFRレイアウトを採用し、エンジンもV6 3.5Lのみの設定。

ハンドリングに優れ、前後重量配分的にも有利なFRレイアウトを採用したことで、走りにもこだわりを持つユーザーには高い評価を受けたものの、室内空間や価格に重きを置く一般のファミリー層からは敬遠される結果となってしまう。

その後アルファードはエルグランドよりも早い2008年に2代目へフルモデルチェンジ。兄弟車のヴェルファイアを加え、ますます勢いに乗る。

一方のエルグランドは2010年に遅ればせながら前輪駆動レイアウトになるが、その差は広がる一方で、2015年にアルファード/ヴェルファイアが3代目となった段階で決定的となってしまった。

これからエルグランドが向かう先は?

そもそもエルグランドが人気を集めていたのは他にないコンセプトが受けたからだ。

2002年に対抗馬としてアルファードが登場したが、正直トヨタとガチンコ勝負をしたところで勝てる見込みは薄いというのが正直なところ。

それではエルグランドはどこに向かうのがベストだったのだろうか? その答えこそが、昨年、今年と2年連続で東京オートサロンに展示されているエルグランドのコンセプトカーなのではないか。

昨年のオートサロンに展示されたエルグランドは「エルグランド・ザ・スポーツプレミアムコンセプト」と名付けられ、GT-Rのホイールやブレーキを装着したスポーツテイスト溢れるもの。

そして今年のオートサロンに展示が予定されているのが、プレミアムスポーツブランドのAUTECHの名を冠した「エルグランドAUTECHコンセプト」だ。

どちらもプレミアム感を持ちながら、スポーツ性を感じさせるものであり、アルファードに足りない部分といえばまさにそこに尽きると言えるのではないだろうか。

もちろんアルファードを上回るほどの売上は期待できないかもしれないが、今のような惨憺たる状況は回避できたかもしれない。

もし3代目がスカイラインやフーガが採用するFR-Lプラットフォームを使い、FRレイアウトで登場していたら、今ごろプロパイロット2.0を搭載した最先端のミニバンになっていた可能性もあったのだろうか。

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