厳しさを増す欧州の「規制」
ホンダは、2026年に欧州市場向けの『シビック・タイプR』の販売を終了する。その28年間にわたる歴史を締めくくる特別仕様車として、新たに『アルティメット・エディション(Ultimate Edition)』を設定した。
【画像】さらば欧州! 現行世代最後の「タイプR」が登場【ホンダ・シビック・タイプRアルティメット・エディションを詳しく見る】 全5枚
欧州向けのラインナップからタイプRを外す理由について、ホンダは「業界の変化に伴い、当社のモデルラインナップも欧州の規制に合わせて進化しなければならない」と述べている。
ホンダの言う「規制」とは何か、具体的には示されなかったが、ドライバーの注意力を監視する装置や速度制限警告ブザーなどの装備を義務付けるEUの「一般安全規則2(GSR2)」のプレッシャーを受けた可能性が高い。
GSR2には、年間販売台数が1500台未満であれば、非適合車も2026年7月まで販売を継続できるという規定がある。これは、シビック・タイプRの欧州での販売終了時期と一致している。
同じ規制が理由で、トヨタGR86やアルピーヌA110も販売終了が決まった。
また、欧州ではCO2排出規制が厳しさを増している。標準モデルのシビックのCO2排出量が114g/kmであるのに対し、シビック・タイプRは189g/kmと特に多く、ラインナップの中でも大きな負担になっていたと思われる。
限定40台の最終モデル
今回設定されたアルティメット・エディションは、28年前に初登場したシビック・タイプRの欧州での歴史を祝うモデルだ。
シグネチャーカラーであるチャンピオンシップホワイトのボディに、伝統的な内装色を連想させるレッドのレーシングストライプが施される。
インテリアには、ドアのスキッドプレートやセンターコンソール周辺など、カーボンファイバーのディテールがふんだんに採用されている。
価格はまだ発表されていないが、従来のシビック・タイプRの4万8900ポンド(約950万円)よりも大幅に高くなる見込みだ。
生産台数は40台のみで、そのうち10台は英国向けに販売される。ホンダによると、販売は先着順となるそうだ。
英国および欧州では最近、ホットハッチの生産終了が相次いでいる。先日もフォード・フォーカスSTの販売中止(11月に生産終了)が報じられ、昨年にはヒョンデi30 Nが廃止となっている。
ガソリンエンジンを搭載する前輪駆動のホットハッチは、定番のフォルクスワーゲン・ゴルフGTI、小型のフォルクスワーゲン・ポロGTI、ミニ・クーパーS、そしてミニ・ジョンクーパーワークスなど、その数は決して多くない。
四輪駆動のハッチバックは、フォルクスワーゲン・ゴルフR、トヨタGRヤリス、メルセデスAMG A 45 Sといったモデルが比較的堅調だが、排出ガス規制やEVへの移行により、その先行きは不透明だ。
6世代にわたって愛されたホットハッチ
シビック・タイプRは英国で28年、6世代にわたって販売されたが、最初のモデル(1997年後半発売)はホンダの現地法人によって正式に販売されたものではなく、日本からの並行輸入車だった。
第2世代モデルは2001年に登場し、2.0Lの自然吸気4気筒エンジンで最高出力200psを発生した。英国スウィンドンで生産され、1997年から2001年まで英国で販売されていたインテグラ・タイプRの後継車となった。
的確なシャシー設定、優れた高回転型エンジン、そして比較的低価格だったことも相まって、発売直後から大ヒットとなり、今でも手頃なホットハッチの1つとして親しまれている。
UFOのような外観の第3世代は2007年に発売された。欧州では、日本市場で設定されていたセダンボディではなく、クーペのような斬新なシルエットを持つ、まったく別のモデルが販売された。
高性能の2.0Lエンジンは変わらなかったが、134kgの重量増と洗練性に欠けるリアサスペンションによって、やや期待外れのモデルとなった。特に軽量でパワフルな日本仕様車と比較すると、その差は明らかであった。
2015年に発売された第4世代モデルは、ターボチャージャーを採用しながらも、疾走感ある本来の姿を取り戻した。
第5世代と第6世代ではさらに改良が重ねられ、現代最高のドライバーズカーの1つと広く評価されている。
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みんなのコメント
あちらじゃ本来の姿かもしれんが、日本じゃこのあたりからシビックじゃないと言われ出した。
不評だった小さくて安っぽいのが日本人の持つシビックのイメージか