2025年9月に全日本ラリー選手権第6戦「ラリー北海道」で優勝したばかりの新井大輝選手。あっという間に第7戦「久万高原ラリー」がやってきた! ただ、今回も試練が新井選手に降りかかる……。それでも、ただでは転ばぬ新井選手とシュコダ丸が伊予・久万高原を疾走する!!
文/写真:新井大輝
【画像ギャラリー】全日本ラリーもますます佳境へ!? 病み上がりでも新井大輝選手とシュコダ丸が四国を全開アタック!!(11枚)
まさかのラリー前に風邪をうつされる?!
遅くなってしまい申し訳ございません! 当日病み上がりという情けない体調管理も相まって更新ができずにいました。幸いラリー中は熱が下がっていたので良かったです。苦笑
久万高原ラリーの数日前に39度近く熱(風邪)が出て、感染経路としては先ずは娘が熱を出して保育園を早退し、その翌日に妻が感染し、「あぁ~そろそろ俺も感染するなぁ」と思ったらその翌々日にしっかり感染し家族全員に風邪がうつりました。
幸いラリーは大丈夫だったので良かったですが子供の看病をしていると逃れることは出来ない試練です。
天候の全く読めない久万高原
さて本題に戻します。今回の久万高原は天候が全く読めない難しいコンディションでのラリーとなりました。毎日天気予報が変化し、雨が降るのか降らないのか、晴れ予報も出たり出なかったりとタイヤ選択がいつも以上に難しく、ギャンブル性に富んでいました。
実際に雨予報でも雨が降らなかったりと、完全に山の天気に翻弄された2日間になりました。 特に今回はタイヤ戦略とペース戦略に加えて、土曜のステージを日曜では逆走で使うということを考慮しないといけない特殊なラリーです。
最終的には土曜日に横転していたラリー車の撒き散らしたオイルにやられるのですが、それはおいおい語っていきましょう。
day1はタイヤ選択が明暗を分ける結果に??
土曜日は予報通りの雨。普通に考えたらウェットしか選択肢に無いはずなのですが、ヘイキ選手だけドライの選択、「もう選手権で後がないからドライでギャンブルする」と言っていました。しかしこれが1セクション目から明暗を分けることになります。
JN-1クラスではヘイキ選手以外は全員ウェット、普通に考えたらドライを選ばないのですが(特にドライは雨の場合は最悪30秒以上遅れる危険性があるので)、ヘイキ選手の失敗を恐れない選択が見事にギャンブルを成功させます。
通常の路面なら間違いなくハズレの選択肢ですが、久万高原の路面は普通の舗装路よりも荒く路面攻撃性が高いので、雨の中でも作動していました。完全にギャンブル成功です。
SS1で既に崖っぷち…… 強制的に背水の陣へ
結果的にSS1の段階で10秒以上負けてしまったので、続くSS2からはペースを一気に上げて、気持ちを切り替えて応戦しました。全日本ラリーは距離が短いので10秒以上広げられると追いつけなくなるので、“10秒差”というラインがバトルを戻せるギリギリのラインになります。
ということはSS1の終了段階で既に崖っぷちでした。
続くSS2は既にタイヤで不利な状況であることは明確だったので、タイムは失うけれど最小限に留めるドライビングに専念します。予測に反してステージベストを刻むことが出来たのは良かったですが、それでもまだ8秒負けていることには変わりありません。
しかしこの段階で最悪の状況からは少し脱した感じがしました。
SS2が終わってからはマシンのセットアップやタイヤを交換できるサービスがあります。早速サービスに到着し、午後セクションの作戦を練ることに。
戦略の練り直しと渾身のステージベストで2秒差へ!!
タイヤは2日間を通して最大使用限度は10本と決まっているので、ドライを使用するにしても日曜日の天候のことも考えないといけません。既に4本ウェットを余分に使用している段階で対ヘイキ戦略としては不利な状況に変わりはありません。
なので、2セクション目は戦略的不利とステージタイムの影響を最小限に留めるためにフロントのみドライを2本投入して対応することにしました。
リアはそのままウェットですが、現状で打てる最善策を打ちました。ベストでは無いにしろ戦略がハマり最小限のタイムロス、尚且つSS4で6秒タイム差を巻き返し、首位に2秒差まで詰めることに成功しました。
追いつかれる側は心理的にも10秒以上あったタイム差を2秒まで詰められるとキツいので、順位以上に打撃を与えることが出来たかもしれません。2日目も鮮烈な戦いが続くことになります! 後編をお楽しみに!
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