モビリティリゾートもてぎで行なわれた2023年のスーパーGT第8戦。3度のスーパーGT王者である立川祐路のラストレースは、11位という結果に終わった。
1996年のデビュー以降、20年以上にわたってGT500の第一線で戦い続けた立川。近年は優勝19回、ポールポジション24回という記録を上積みすることは叶わずにいたが、7月の引退発表後のレースでは誰よりも多くの声援を受けていた。
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ラストレースとなった第8戦もてぎで、立川と石浦宏明が駆る38号車ZENT CERUMO GR Supraは12番グリッドからスタート。石浦が前半スティント、立川が後半スティントを担当し、長らく入賞圏内を走行していたが、雨の降った終盤にポジションを落とし、惜しくもポイント獲得とはならなかった。
濡らされたのはサーキットの路面だけではなかった。チェッカーを受けた立川の頬には涙がつたったという。
「チェッカーを受けてここまで戻ってくるまでの間、コースサイドのお客さんから拍手をもらったり手を振ってもらえたりしたので、あまり自分のことで涙を流したりしないのですが……今回ちょっと……泣けましたね」
立川はそう振り返る。
「これで車両保管のところに戻れば本当に終わりだと思うと……少しでもゆっくり帰りたいと思い、時間をかけて戻りました」
スーパーGTという国内最高峰の舞台で戦っているからには、立川の両肩には相当なプレッシャーがのしかかっていたはずだ。そんなプレッシャーから解放された安堵よりも、もうレースができないという寂しさの方が勝るのか? そう尋ねると、立川はもてぎに乗り込んだ後で心境の変化があったと明かした。
「正直、今まで(安堵と寂しさが)半々くらいでした。『あと1戦頑張れば』という気持ちもこれまでは当然ありました。プレッシャーの中やってきましたから」
「ただもてぎに入ってから、今まで以上にみんなが応援してくれて、セレモニーではライバルのドライバーも集まってくれて。そういうのをこなしている間にどんどん寂しさの方が強くなりましたね」
20年以上のキャリアを通して、酸いも甘いも経験してきたであろう立川だが、引退発表からの数ヵ月がレース人生で最も幸せだったと総括した。
「本当に長い間、一緒に戦ってきてくれた仲間に感謝です。多くの声援を送ってくださったファンの方々がいたからこそ頑張ってこれたし、感謝しています」
「引退発表してからの数ヵ月が、今までのレース人生の中で一番幸せだったと思います。こんなに多くの声援をもらえるとは、レースを始めた時には考えてもいませんでした」
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