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予選の不調から脱したノリス/レッドブルがついに見つけた新たなスター【独自選出:F1第8戦ベスト5ドライバー】

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予選の不調から脱したノリス/レッドブルがついに見つけた新たなスター【独自選出:F1第8戦ベスト5ドライバー】

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は第8戦モナコGPの戦いを振り返った。

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■自信を取り戻したノリスが堂々のポール・トゥ・ウイン

ランド・ノリス(マクラーレン):予選1番手/決勝1位

 メルボルンで優勝してから7戦目にして、ランド・ノリスは今季2勝目を挙げた。再び自信と勢いを取り戻し、予選の最初からレース終了までモナコGPを支配したのだ。

 グランプリ終了時に彼自身が行った指摘は正しい。彼の成功の鍵は、予選でのパフォーマンスにおいて突破口を見つけたことにあった。ここ数戦のノリスは、土曜日に自分自身を失望させ、その結果として日曜日には多くの課題を背負ってスタートする羽目になっていた。しかしモナコでは、彼自身の言葉によれば、「よりうまく運転したわけではないが、より賢く運転した」ことで勝利をつかんだ。

 決勝スタート直後にはミスがあった。サン・デボーテへのブレーキングで両方のフロントタイヤをロックさせたのだ。しかしなんとかミディアムタイヤを守り切ったノリスは、その後は、シャルル・ルクレールを大きく引き離さない程度の速さで走り続けた。

 最後の20周でマックス・フェルスタッペンにブロックされて、ルクレールに追いつかれたが、フェルスタッペンがピットインして前がクリアになった最終ラップでは、ノリスはルクレールよりも3秒も速いタイムで周回し、彼がどれほどの速さを秘めていたかを示し、レース中の最速ラップを記録した。


■ホームGPでさらなるステップアップをしたルクレール

シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選2番手/決勝2位

 シャルル・ルクレールの中には、ナイジェル・マンセル的な一面がある。それは、ホームグランプリで走るたびに、常にもう一段階上のギアを見つけ出したような走りを見せるという点だ。

 今シーズン、フェラーリは予選で大いに苦戦しているが、地元のヒーローであるルクレールはポールポジションにあと一歩というところまで近づいた。ポールをつかめなかったことに非常に落胆していた様子を見ると、彼がどれほどの努力をそこに注いでいたかが分かる。

 フリー走行1回目が始まった時点から、ルクレールは絶好調だった。ミラボーでオーバーランし、その後ヘアピンでランス・ストロールと接触するというふたつの小さなインシデントがあったにもかかわらず、それらは彼の勢いをほんのわずかたりとも削ぐことはなかった。

 予選Q3での最終アタックは、見ていて喜びを感じさせるものだった。予選でルクレールはマクラーレン2台の間に割って入ることに成功したが、ノリスを上回ることができなかったことを非常に悔しがった。

 日曜のレースも同じ展開だった。ルクレールは、オスカー・ピアストリから脅かされることはほとんどなく、ノリスの後ろを走行。フェルスタッペンが実際のトップ3のすぐ前を走り続けた時には、ルクレールはノリスにひやりとする瞬間を経験させた。

 2位という結果は、ルクレールが望んでいたものではなかったが、彼は週末を通して素晴らしい走りを見せ、グリッド上で最速クラスのドライバーのひとりであることを改めて証明した。


■強い印象を残したルーキーのハジャー

アイザック・ハジャー(レーシングブルズ):予選6番手/決勝6位

 レッドブルはついに新たなスターを発掘したのかもしれない。今年はアンドレア・キミ・アントネッリ、オリバー・ベアマン、ガブリエル・ボルトレートという素晴らしいルーキーたちが登場したが、アイザック・ハジャーはそのなかで最も印象的な存在として急速に頭角を現している。

 モナコでは、週末の出だしこそ不安定であったものの、ハジャーはより経験豊富なリアム・ローソンを脇役に追いやった。金曜日のふたつの不要なインシデントによって、ハジャーは貴重な周回を失ったが、FP3を活用して自信を築き上げ、予選になると、明らかにローソンよりも速く、6番手という驚くべき結果を出した。そして、ルイス・ハミルトンのペナルティにより、ハジャーは決勝を5番グリッドからスタートすることになった。

 レースでは、ローソンが後続を抑えることになっていたため、ハジャーは最初の20周で全力を尽くして大きなギャップを構築。その結果、2回のピットストップ義務を果たした後も、ポジションを落とすことなくコースに復帰することができた。

 より速いマシンに乗るハミルトンにはオーバーカットされたが、ハジャーは6位という価値ある結果を自身とチームにもたらした。後半の30周は、エステバン・オコンのプレッシャーに晒されながらも、一切ミスを犯さずに耐えきった。非常に印象的なパフォーマンスだったといえよう。


■本来の力を発揮したオコン

エステバン・オコン(ハース):予選8番手/決勝7位

 オコンは、逆境に立たされたときこそ力を発揮するようだ。モナコでは、すべてのエネルギーを正しい優先事項に注いだときに、どれだけのことができるのかを示した。

 オコンは、チーム内で自分はベアマンほど高く評価されていないと感じ、ネガティブな悪循環に陥っていた。しかしモナコではうまく立て直し、チームに貴重な6ポイントをもたらした。

 ベアマンが初日にペナルティを言い渡されたことで、決勝はオコンの方が前からスタートすることが確定した。プレッシャーから解放されたオコンは、予選で見事な走りを見せてQ3に進出し、グリッド8番手に食い込んだ。

 決勝ではその順位を守り続けた後、フェルナンド・アロンソのリタイアによってひとつ順位を上げた。後半の30周では、ハジャーにミスをさせようとプレッシャーをかけ続けた結果、その努力は実を結ばなかったが、オコンは最大限の結果を出したいっていい。


■Q2では3番手。ライバルたちを驚かせたアルボン

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ):予選10番手/決勝9位

 アレクサンダー・アルボンは、新たなチームメイトであるカルロス・サインツがどれほど総合的に完成されたドライバーであるかを理解して以来、明らかにもう一段階上のギアを見つけたようだ。

 この数戦、アルボンはミッドフィールドの上位で戦っているが、モナコの予選Q2で3番手タイムを出したことに、ライバルたちは驚いた。しかし最後のソフトタイヤでのアタックの時には、理想的な準備ラップを走れなかったために、予選10番手にとどまった。

 決勝でアルボンは、アロンソのリタイアの恩恵を受け、カルロス・サインツがチームプレーに徹したことにより、ポジションを落とすことなくタイヤ交換を行うことができた。その後は、チームメイトへの恩返しでアルボンが後方集団を抑え込み、サインツの10位入賞のために貢献した。

 速く、信頼性が高く、率直なアルボンは、ウイリアムズに完全に馴染み、リードドライバーとして戦っている。アルボンは現在、ドライバーズ選手権8位に位置し、7位のアントネッリとはわずか6点差、9位のオコンの2倍以上のポイントを稼いでいる。

[オートスポーツweb 2025年05月29日]

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