現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クルマの走行距離の限界は? 90万キロ超のクルマも実在!? 自動車の寿命っていったいいつ?

ここから本文です

クルマの走行距離の限界は? 90万キロ超のクルマも実在!? 自動車の寿命っていったいいつ?

掲載 更新 17
クルマの走行距離の限界は? 90万キロ超のクルマも実在!? 自動車の寿命っていったいいつ?

■走行距離10万キロは、まだまだ現役選手?

 クルマを新車で購入して、1年間1万キロ、10年間で10万キロを走行したら次のモデルに買い換えるというふうに、日本では走行距離でクルマの寿命を判断することが一般的でした。

【写真】衝撃! 2万kmオイル交換せず破損したエンジン内部

 クルマも機械である以上、適切なメンテナンスと部品交換をおこなえば走り続けることが可能です。では、走行距離で判断することのできない「クルマの本当の寿命」は、いったいどれくらいなのでしょうか。

 過走行のクルマの整備を多数手掛ける、ある自動車工場のスタッフは、クルマの寿命について以下のように話しています。

「一般的には、10万キロや15万キロも走ると『もう寿命かな』と買い替えを考える人が多いと思いますが、商用車では20万キロや30万キロの走行距離は珍しくありません。

 商用車はほぼ毎日使いますから、走行距離は伸びていきます。でもその分しっかりメンテナンスをしているので、週末にしか動かさない乗用車よりも、機械としての状態がいいクルマも少なくないのです。

 もちろんトラックやダンプカーのように重たい荷物を長時間運ぶクルマだと、エンジンや車体がダメになることはありますが、毎日乗って、しっかりメンテナンスしているクルマの方が、乗らないままにしておくクルマよりもずっと調子が良いです」

 この自動車工場で整備している個人タクシーには、走行距離が40万kmに達するトヨタ「クラウン」もあるそうです。

 そうしたクルマは、日時や天候に関係なく走行するため、サスペンションの部品である「ブッシュ」や、フロントガラスの「ワイパー」といった消耗品の交換が多いといいます。

 しかし、それほどの走行距離を走っていてもエンジンは壊れないのでしょうか。茨城県で中古車の販売を営んでいる男性は、以下のように話しています。

「適切なサイクルでエンジンオイルを交換していれば、エンジンが壊れることはまずありません。ただ、エンジンオイルは人間にとっての血液のようなものですので、交換を怠ると致命的なトラブルにつながることもあります。

 エンジンオイルをマメに交換してあげれば、少なくとも国産車のエンジンは壊れることはありません。私の知り合いは、1980年代に新車で購入したクラウンを未だに乗り続けていますが、走行距離は50万キロで一度もエンジンを交換していません。

 ただ、部品交換となっても新品の部品が購入できないため、『壊れたら最後』でもあります。そういう意味では、クルマの寿命とは『部品が出なくなったとき』なのかもしれないです」

 クルマは、自動車メーカーが販売しているものの、ひとつひとつの部品は国内外の自動車部品メーカーが製造しています。

 マークラインズ株式会社の調査によれば、2018年度のサプライヤー(自動車部品メーカー)の売上高ランキングにおいて、上位5社はドイツ「ボッシュ」「コンチネンタル」「ZF」、日本の「デンソー」、カナダ「マグナ」となっています。

 日本には、多くの自動車メーカーと自動車部品メーカーが存在しますが、走行距離の多いクルマに乗り続けられるのは、クルマを作り、部品を供給し、そして修理できる、「自動車産業の強さ」があるのかもしれません。

※ ※ ※

 中古車サイトでは、走行距離91万キロのトヨタ「ハイエース」も販売されているほどです。商用車などの働くクルマにとって、走行距離10万キロは「折返し」ではなく、「まだまだこれから」だといえます。

■走れなくなったクルマは寿命を迎え廃車になる?

 商用車では、10万キロや20万キロは「通過点」ともいえる走行距離ですが、修理不能になってしまったクルマや部品が供給されなくなったクルマは、「寿命を迎えた」とみなされるのでしょうか。

 修理不能なクルマや、解体されるクルマは「使用済自動車」と呼ばれ区別されます。使用済自動車は「自動車リサイクル法」によって、フロンの回収、解体、破砕などの処理を経て再資源化されることが定められていため、「使用済自動車」となることが、「寿命を迎えた」といえるのかもしれません。

 しかし、ボディが腐ってしまったり、事故を起こしてしまったクルマでも、活躍している例もあります。国内で自動車中古部品を扱う企業のスタッフは、以下のように話しています。

「ハイエースなどの実用車は海外で人気があります。そのため、国内では車検に受からなくなってしまったクルマや、修理が必要なクルマでも、海外ではまだまだ活躍できることがあります。

 例えば錆でボディに穴が開いてしまったクルマでも、海外では穴を溶接して塞いで使うことがあります。バンタイプのクルマに座席を増やして、コミューターとして活用することもあると聞いたことがあります。

 国内を走っている乗用車は、あくまで舗装路面を走ることを前提に考えて作られていると思いますが、発展途上国では砂利道も少なくありません。そのため、そうした場所でも壊れにくい商用車は、根強い人気があるのだと思います」

※ ※ ※

 ひとえに走行距離といっても、乗用車と商用車では、その意味が大きく変わってきます。乗用車はプライベートで使われることが多いため、走行距離が大きく伸びることがありません。

 しかし、毎日仕事で使われることを前提とした商用車は、常に走っているため、走行距離はあっという間に多くなります。そのため頻繁なメンテナンスが必要となりますが、それがクルマを維持することに繋がっているともいえます。

 商用車にとって走行距離は、あくまで「どれくらい走ったか」「どれくらい使われているか」という目安に過ぎないのかもしれません。

こんな記事も読まれています

運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
運転免許証「12桁の数字」どんな意味? 個人情報はドコまで分かる?最後の“1桁“に隠れているコトとは
くるまのニュース
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法とは
バイクのニュース
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
レスポンス
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
東京ディズニーの新ホテル、1泊34万円超の豪華客室も[新聞ウォッチ]
レスポンス
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
遂に試乗!原点回帰のランクル新型「250シリーズ」。「300」、「70(ナナマル)」、先代もイッキ乗り!!
月刊自家用車WEB
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
フェラーリが大型スポンサー契約締結! 米テクノロジー大手とのタッグでチーム名も『スクーデリア・フェラーリ HP』に
motorsport.com 日本版
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
あの「ハチハチ」を再現!! ホンダ「NSR250R」が1/12スケール完成品モデルで新登場
バイクのニュース
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
渋滞40kmも!? 関越道「イライラGW渋滞」今年はいつが酷いのか 「穴場の時間帯」知ればストレス全然違う!? 鬼門の「高坂SA」の状況は
くるまのニュース
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
アストンマーティン『DBX』に改良新型、内装一新…707馬力仕様に一本化
レスポンス
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
スバル、レガシィセダンの生産を2025年春に終了 セダンはWRXのみのラインアップへ
日刊自動車新聞
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
三菱ふそう、キャリアカー仕様のeキャンター新型など展示予定…ジャパントラックショー2024
レスポンス
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
フェイスリフトされた新型「アウディ A3」をテスト&徹底チェック!第4世代A3の性能と評価は?
AutoBild Japan
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
いすゞとUDトラックス、ジャパントラックショー2024に共同で出展へ
レスポンス
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
新型ヴェゼルがビッグマイナー! 新グレードも!
グーネット
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
やっぱりダイハツ不正の影響は大きい! 2023年度の新車販売台数ランキング「盤石のクルマ」と「急落したクルマ」
WEB CARTOP
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
レッドブルF1、注目集まる2025年ドライバーラインアップ決定は”シーズン終盤”に「我々は今のペアで満足」
motorsport.com 日本版
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
ダイハツの「軽バン」は何に使える? 「車中泊好き」オジサンにピッタリ!? フラットフロアできる「アトレー」とは
くるまのニュース
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
最高に便利なアイデア! 大事なギアを保護して、スッキリ収納にも役立つ b/c 「CRUMM CR」【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

17件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村