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【ゼロカーボン特集】2020年にカーボン・ニュートラルを実現したボッシュ、その取り組み内容とは…ボッシュ クラウス・メーダー代表取締役社長

昨今、カーボンニュートラルが叫ばれているが、具体的な取り組みに悩む企業も多い。そんな中、自動車サプライヤー最大手のボッシュは、自社事業所のCO2排出を実質的にゼロにするカーボンニュートラルを、2020年に達成した。

具体的にどのような取り組みを実施してきたのか。今回はボッシュのクラウス・メーダー代表取締役社長に話を聞いた。

◆半導体の一部をドイツで製造するなど、設計・製造の深さが強み

---:ボッシュとはどのような企業?

クラウス・メーダー氏:創業者のロバート・ボッシュは、若いころ米国で働いた経験があり、近代の電化の様子に感銘し、ドイツへ戻り電機の会社を興しました。1886年のことです。日本の松下幸之助と松下電器に似たところがあるかもしれません。ガソリンエンジン自動車を発明したカール・ベンツやゴットリープ・ダイムラーと同世代で、ボッシュの最初の製品である点火装置は、安定した性能と信頼性により利用されました。世界的な事業展開も早くからはじめています。

事業は主に4つの部門からなり、一つはモビリティです。ここにはクルマだけではなく、電動自転車や電動バイク、トラックなどの大型エンジン、そしてアフターサービスが含まれ、全体の約60%を占めます。このほかに、消費者が暮らしの中で使える調理道具や、ガーデニングなどの電動工具。その他工業製品。そしてエネルギー分野があります。

日本でのボッシュは1911年に創業し、今年で110周年を迎えました。その歴史の中では、3つの核となる出来事がありました。一つは代理店によるボッシュ製品の販売。次が事業提携を通じたエアバッグやABSの取り組み。そして、それらの事業の統合です。日本における事業の中心はモビリティで、約90%を占めます。

そのため、日本国内でも開発と製造の両方を行っています。たとえば埼玉県の東松山工場ではパワートレーン、栃木工場ではABSやESPを製造しています。技術開発については横浜が中心です。

---:ボッシュの強みについて。

メーダー:技術に根差した会社という自負があります。設計や製造の深さが他と違うと思います。たとえば電子制御では、独自設計であるだけでなく、半導体の一部をドイツで製造し、ドレスデンの工場も稼働したところです。回路設計も自ら行い、センサー類はスマートフォンの2/3で使われ、ほかにも皆さんがお使いのゲーム機やデジタルカメラにも内蔵されている可能性が高いです。

◆3つの部門に分けて、具体的な取り組みを進める

---:カーボン・ニュートラルへの戦略は?

メーダー:ボッシュの企業姿勢を示す「Invented for Life」は、人と社会に役立つ革新技術を生み出すことにより、ボッシュの製品やサービスを通じて消費者に喜びや幸福をもたらすことを目指します。人生や社会をよりよく、また環境もよりよくと、天然資源の使用をできるだけ少なくすることに取り組んでいます。

長期的な戦略として、事故を減らし安全に、また調理用具では電動化により使いやすくすることなども含みます。水やエネルギーの利用や廃棄物を減らすことにも取り組んできました。

地球環境問題は深刻化しており、京都議定書やパリ協定を受け、2020年にカーボン・ニュートラルを弊社は達成しています。同20年の売上高が715億ユーロ規模の世界企業として、カーボン・ニュートラルを実現した唯一の会社といえます。

---:具体的な取り組みとしては?

メーダー:弊社の取り組みは3つの部門に分かれます。スコープ1は、自ら直接的に事業で排出する二酸化炭素(CO2)を削減することで、社用車や事務所の空調などの取り組みです。具体的には、断熱などによる使用エネルギーの効率化、また工場の屋根に太陽光発電を設置し、インドではソーラーファームを設置して発電しています。

スコープ2は、間接的に利用するエネルギー、つまり他から購入する電力などで、たとえばどのように発電されているかも弊社の責任範囲ととらえています。もっとも効果的なのは、グリーンエネルギーの調達です。発電に取り組む企業の情報を確認し、メキシコではグリーンエネルギーの購入を行っています。

それらでも足りない分は、カーボンクレジットの利用も含めます。森林への投資など、確かな事業計画を選択しています。ドイツ国内で行われている珍しい取り組みとして、航空機の搭乗券を購入する際、カーボン・ニュートラルな飛行にする割増料金制度が実施されています。

---:製品におけるカーボン・ニュートラルは?

メーダー:ここが、スコープ3となります。川上と川下にそれぞれ関係し、川上は材料、部品、サービスの調達です。川下は、市場へ製品が出ていく際の輸送、リサイクル、そして使用段階でのC02削減です。

スコープ1とスコープ2は、弊社自らの取り組みですから比較的実行しやすいですが、スコープ3は難しい面があります。スコープ3に関しては、2030年に-15%を目指しています。なかでも使用段階におけるCO2の削減は難しく、製品の省エネルギー化に取り組んでいます。

たとえばボッシュの洗濯機は、ドイツで15~20年も使われることがあるので、永い年月での省エネルギーをどのように実現するかが重要です。空調関係では、ヒートポンプの活用や、燃料電池、あるいいは水素による発電などもこれからの分野となっていくでしょう。モビリティについては、化石燃料を使うエンジンから、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)への移行が進むと思います。

---:10年後はどのような社会になると思われますか。

メーダー:日本のソサエティ5.0は良い構想だと思います。仮想空間と現実社会を高度に融合させ、経済発展と社会問題を解決することで人間中心の社会を作っていくことです。製造業におけるインダストリー4.0は、工場でのことですが、現実と仮想との最適化が重要です。そこは10年以内に実現するでしょう。

ドイツのドレスデンに新設したウエハ工場は、ボッシュのすべての知見を組み込み、デジタルツイン化しています。仮想の工場や工程が存在し、実際のデータを理想のモデルと比較することができます。すべての工程に完全な透明性を持たせられる一方、データが膨大になるのでAI(人工知能)が必要になります。以上が、産業としての話です。

◆モビリティのトレンド、SPACE(スペース)への対応

---:自動車が大きく変化している。注力すべき分野とは。

メーダー:モビリティのトレンドとして、SPACE(スペース)というワードがあります。Sはソフトウェアとサービス、Pはパーソナライズ化、Aは自動化、Cはコネクティビティ=ネット接続、Eはエレクトリフィケーション=電動化の頭文字です。この先10年で、それらが大きく改善されていくでしょう。パワートレーンは、モーター駆動が進み、EVやFCVが増えるでしょう。自動運転も、段階的に増え、コネクティビティも同様です。

ドライビングエクスペリエンス(運転体験)の面でもパーソナライズ化が進み、車内での楽しみ方として、レンタカーを含め、個人の嗜好にあった対応を実現できるのではないかと思います。好きな音楽や動画、あるいはゲームを楽しめる時代が来るでしょう。そのために電装部分のアーキテクチャーも変えなければならず、ボッシュはそれを自動車メーカーへ提供していきます。それによって、消費者のみなさんも利益を得られます。

クルマはOTA(オーバー・ジ・エアー=インターネット経由の更新)により、スマートフォンと同じようにアップデートされどんどん新しくなっていくので、昔のようにカセットテープからCDにというような機器の交換をすることなく機能を新しくでき、古くなっていかないので、寿命が延びると思います。

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