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GT-R フィット タントが生まれた10年! 2000年代の金字塔モデル 7選

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GT-R フィット タントが生まれた10年! 2000年代の金字塔モデル 7選

 1990年代、2000年代、2010年代と、日本のクルマの歴史を10年一区切りで回顧し、節目に現れた「金字塔」なるクルマたちを選出する本企画。今回は2000年代(2000~2009年)に現れた傑作車たちを振り返る。

 2001年、日本のプロ野球からアメリカ・大リーグへと渡った、1人の日本人がいた。ご存知イチロー選手だ。

コロナ禍時代 触れずに操作できるクルマのジェスチャー機能はどこまで進む?

 野球ファンのみならずおそらくは日本中の誰もが彼の新天地での一挙手一投足に注目するそんななか、9月11日に世界は暗転した。後にアメリカ同時多発テロと呼ばれたその事件は、まさにその後の世界を変えた。

 国内経済ととも混迷を極める世相の中で、スポーツは一筋の光となった部分が少なくないわけだが、国内メーカーもがんばった。

 ヴィッツやフィットが人々の生活の足となり、タントが軽の新しい時代を切り開き、GT-Rやランエボ、iMiEVなどの傑作車たち、「金字塔」が生まれた。

 そんな2000年代最初の10年の「金字塔」たちを回顧。「全般的に、金字塔を打ち立てた3車種」を選出し、ほか「技術的にエポックメイキングだったクルマ」「デザイン」「実用度」「走り(走行性能)」「個性」「世界に影響を与えたモデル」と、それぞれ分野ごとに自動車ジャーナリストの皆さんに選出していただいた。

●車の価値も大転換!? 怒涛の1990年代に誕生した金字塔的名車 8選

※本稿は2021年1月のものです
文/国沢光宏、渡辺陽一郎、片岡英明、清水草一 写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2021年2月10日号

【画像ギャラリー】混迷の時代に産み落とされた7台…2000年台国産車の「金字塔」たちをギャラリーでチェック!!!

■2000年代を象徴する金字塔車 3選

 コンパクトカーの革命児がセンタータンクレイアウトを採用し、広々としたキャビンと使い勝手のいいラゲッジスペースを実現したホンダのフィットだ。

 初代モデルは群を抜く機能性を備えたパッケージングと多彩なシートアレンジによって兄貴分のシビックの存在感を薄いものにした。

 スポーティな味わいの走りも魅力だったから、ベストセラーの座を引き寄せている。

ホンダ 初代フィット…革命的技術、センタータンクレイアウトを採用した初代フィット

 スポーツモデルでは2007年秋にベールを脱いだ日産 GT-Rがすごかった。

 世界を舞台に活躍するためにプラットフォームやパワーユニットを新設計し、レーシングライクな走りを存分に楽しむことができる。

 年次改良を絶え間なく続け、今もスーパースポーツの世界で一級の実力を持ち続けているのは、驚くべきことだ。日本の至宝!

日産 GT-R(R35型)…480ps/60.0kgmという3.8L V6ツインターボエンジンを搭載して登場したGT-R。現在は570ps/64.5kgmに!

 軽スーパーハイトワゴンのジャンルを切り開き、ブームを巻き起こしたダイハツのタントも高く評価したい。

 あの広さは常識破りだった。

(選定:片岡英明)

■技術的エポックメイクな金字塔車

 バブル崩壊の痛手によってルノー傘下となった日産だが、皮肉なことにその後に面白いクルマが続々登場する。

 その最大のスターは、やはりR35GT-Rだろう。

日産 GT-R(R35型)…モータースポーツ由来の技術を多用したR35 GT-R

 歴代GT-Rとは一線を画し、スーパーカーの領域に踏み込んだR35GT-Rは、技術的にもバブル期以来の凝ったメカニズムがてんこ盛りだ。

 とりわけ、溶射ボア加工によるライナーレスアルミブロックや、リアアクスル側にミッションを配置したトランスアクスルレイアウト、肉薄アルミ鋳造パーツを多用したボディ構造など、これまで日本車ではほとんど例のなかった技術を数多く投入。モータースポーツに由来する技術もたくさん使われている。

 ご存知のとおり、R35GT-Rはベストカー本誌でもお馴染みの水野和敏さんの手によるものだが、こういう野心的なクルマの企画で、当時社長だったカルロス・ゴーンにOKと言わせた交渉力がすごい。

 水野さんのようにアグレッシヴな開発リーダーがいなければ、R35GT-Rは実現しなかっただろう。

 その他、フィットはホンダ独自のセンタータンクレイアウトの元祖。i-MiEVは「世界初の量産EV」というパイオニア精神に敬意を表してノミネート。とりわけ、i-MiEVのチャレンジは、もっと評価されるべきと思う。

ホンダ 初代フィット…1.3L直4 SOHCのL13Aエンジン(86ps)を搭載

三菱 i-MiEV…世界初の量産型EVであるi-MiEV

(選定:鈴木直也)

■デザインの金字塔車

 思えば2000年代は、国産車デザインの低迷期。

 これといった傑作が出ていない。そんななか日産は、ゴーン改革の初期、いいデザインをいくつか出している。

 2代目キューブは、成功した和風自動車デザインとして、金字塔にふさわしかろう!

 ワゴンRはユニバーサルデザインだったけど、キューブは明らかに和風。ほのかに、かつ明確に和を感じさせる、あの和箪笥のようなやさしい、角が丸みを帯びた立方体。今見ても傑作だ。

 次点として三菱iを挙げておきとうございます。故・前澤義雄さんも高く評価されていました。

(選定:清水草一)

日産 キューブ…日産キューブがデザインの金字塔車に! 空力的には厳しいデザインをよく採用した

■実用度の金字塔車

 2001年に登場した初代フィットは、コンパクトカーのなかでも特に実用的だった。

 燃料タンクは現行型と同じく前席の下に搭載する。全長は3830mm、全高も立体駐車場を使える1525mm(2WD)に抑えながら後席と荷室は広い。家族で快適に使えた。

 ツインプラグの1.3Lエンジンは、12.1kgmの最大トルクを実用域の2800回転で発生させて運転しやすい。

 燃費も優れ、価格は売れ筋グレードの「A」が114万5000円と安かった。2002年には国内販売の総合1位になり、ヴィッツなど当時のコンパクトカーは、価格を一斉に改定してフィットに対抗した。

(選定:渡辺陽一郎)

ホンダ 初代フィット…2002年には1.5Lの直4SOHCのVTECエンジンモデルも追加された(110ps/14.6kgm)

■走りの金字塔車

 インプレッサWRXとGT-Rを含め大いに迷ったけれど、ここは駆動力制御を思い切り取り入れてきたという点でランエボを選びたい。

三菱 ランサーエボリューションX…ランサーエボリューションファイナルエディションは313ps/43.7kgmの2Lターボを搭載

 なんせ前後の駆動力配分の電子制御化をはじめ、左右の駆動力配分まで取り入れてきた。本来なら曲がりにくいフロントヘビーの4WDなのに、ランエボときたらパワーオンでグイグイ曲がって行く!

 世界中の自動車メーカーが「市販車にこんな制御を取り入れられるのか!」と思った。

 インプレッサWRXもGT-Rも駆動力制御は行っているものの、ランエボと比べたらワンランク下がります。WRCでも大暴れしましたね。

(選定:国沢光宏)

■個性派の金字塔車

 21世紀は環境保全を全面的に打ち出しているが、究極のエコカーを目指して開発され、2003年に登場したのがスズキのツインだ。

 開発コンセプトは屋根のついたスクーターで、愛らしいルックスの2人乗りシティコミューターに仕立てている。軽自動車よりコンパクトだが、2人乗りだから窮屈な感じはしない。

 ワゴンRなどに積まれているK6A型3気筒DOHCエンジンに加え、アシストをモーターで行うパラレル式ハイブリッドを用意していた。

 驚かされたのは、フロア下にバイク用と同じ12ボルト鉛バッテリーを敷き詰めていたことだ。個性は際立っていた。

(選定:片岡英明)

スズキ ツイン…このサイズでハイブリッド車もあるのだから、個性の塊と言わざるえない

■世界に影響を与えた金字塔車

 ここはGT-Rとしておく。というのもニュルで一番速く走れる市販車を作ると最初から宣言! 当初「やれるならやってみろ」と構えていたポルシェだったが、すぐ真剣に取り組まざるを得なくなった。

 それ以上に刺激されたのは、高性能モデルを作っている世界中のメーカーです。やがて世界規模でニュルのベストラップを狙いに行く。

 初代NSXのニュルアタックは中途半端な記録だったため盛り上がらなかったが、GT-Rの場合、No.1を狙った点が世界を刺激したんだと思う。

 今やGT-Rを超えるクルマも当たり前のように出てきた。もう勝てないです。

(選定:国沢光宏)

日産 GT-R…ニュルには行かなくても思わず欲しくなる「ニュル最速車」という謳い文句

【画像ギャラリー】混迷の時代に産み落とされた7台…2000年台国産車の「金字塔」たちをギャラリーでチェック!!!

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