通勤からサーキットまで1台で楽しむスポーツ仕様のプリウスPHV
フルモデルチェンジによりスタイリッシュに生まれ変わったトヨタ 60型「プリウス」を見て、「このクルマをスポーツカーとして楽しみたい」と考えた「プリウスPHV」のオーナー。通勤ではPHVならではの経済性を活かしながら、休日はサーキットを走る。そんな欲張りなカーライフを実現するため、トムスのエアロやブリッツの車高調、SSRのホイールなどを投入した。さらにラッピングやオーディオ、インテリアまで手を加え、日常の使い勝手と走りを両立させた見事な1台へと仕上げている。
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0-100km/h加速の速さに惹かれてサーキット走行を志す
新型プリウスのスタイルがフルモデルチェンジにより大きく変わり、スポーティな印象になったことに惹かれたオーナー。そこで思いついたのが、このクルマをスポーツカーとして楽しむことだった。
「プリウスのスタイルが変わって、すごくスポーティになったので、スポーツカーとして使いたいと思ったんです」
候補にはトヨタ「GR86」もあったという。しかし、ネットでさまざまな情報を調べていくなかで、0-100km/h加速の数値がGR86とプリウスPHVでほぼ同じという情報に目が留まった。
「0-100km/h加速がGR86とプリウスPHVでほぼ一緒だったので、『これならサーキットも走れるかな』と。それで、サーキット走行を前提にカスタムを始めました」
もちろん、0-100km/h加速が同等だからといって、サーキットでの速さや運動性能まで同じというわけではない。それでも、この数字が「プリウスPHVでもスポーツ走行を楽しめるのでは」という発想を後押ししたことは間違いない。
しかも、プリウスPHVには日常車としての大きなメリットがある。通勤時には電気を活用でき、ガソリンをほとんど使わずに済む。そこでオーナーが目指したのは、サーキット専用車を作ることではなく、普段は経済的な通勤車として使いながら、休日にはサーキットを楽しめるクルマだった。
こうして始まったのが、このプリウスPHVのカスタムだ。トヨタが公開したル・マン24時間レース100周年記念の「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」からも刺激を受け、スポーツカーとしての方向性を明確にしながら、足まわりやエアロ、ホイール、ラッピング、オーディオ、インテリアへと手を加えていった。
白×黒のボディに隠された、ラッピングのこだわり
このプリウスPHVを見てまず目を引くのが、白と黒で大胆にグラフィックを描いたボディだ。しかし、これは単純に白と黒を塗り分けたものではない。じつは、もともとのボディカラーは黒。そこから、ひと手間かけたラッピングによって現在のスタイルを作り上げている。
「ステッカーだけだと、剥がしたときにそこだけ元の色と差がついてしまうのが嫌だったんです」
そのため、ボディ全体は基本、白でラッピング。その白いボディをベースに、黒を注入している。つまり、現在黒く見えている部分も、もともとのボディカラーをそのまま生かしたものではなく、黒ボディの上から黒を施工したものなのだ。
こうすることで、将来的にラッピングを剥がしたときにも、ステッカーを貼っていた部分だけボディが日焼けせず、色の差が残ってしまうのを防げる。見た目のデザインだけでなく、ラッピングを剥がした後のことまで考えた施工方法なのである。
フロントまわりにも同じこだわりが見える。トムスのエアロパーツを装着しているが、もともと黒いパーツの上から、あえて黒のラッピングを施工。ボディとエアロの黒を同じラッピングでまとめることで、車体全体に統一感のあるグラフィックを作り出している。
また、ルーフ部分はブラックアウトしているように見えるが、ここはガラス製の固定式サンルーフ。ラッピングによる黒とは異なるガラスの質感が、ボディのグラフィックにもうひとつのアクセントを加えている。
さらに、ラッピング施工には機能面での工夫も必要だった。ボディをラッピングすると障害物センサーが反応しなくなってしまうため、センサー部分だけは丸くくり抜いて対応。デザインだけを優先するのではなく、純正の機能を維持するための細かな処理まで施されている。
サーキット走行を見据えてブリッツの車高調を投入する
スポーツカーとして楽しむなら、やはり走りにも手を入れたい。足まわりにはブリッツの「ZZ-R」を投入した。車高を落とすだけでなく、室内からダンパーの減衰力を調整できるコントローラー(スペックDSCプラス)も装着している。
車高はフロントを約20mm、リアを約10mmダウンさせた。サーキット走行を意識しながらも、普段は通勤車として使うため、極端に車高を下げるのではなく、日常性を残したセットアップとしている。
ホイールにはSSRフォーミュラを選択した。サイズはフロントが18×8J、リアが18×8.5Jで、前後異径ではなく、同じ18インチのなかでリム幅を変えている。
タイヤはハンコックの「Ventus S1 evo3」で、フロントに225/45、リアに235/45を組み合わせる。スポーツ走行を意識した足元でありながら、ストリートでの使いやすさも十分に考えた構成だ。
走る楽しさだけでなく通勤を快適にするオーディオを構築する
サーキットを走ることを前提にカスタムを進めながらも、オーナーがこのクルマで大切にしているのは、日常生活での快適性だ。
その象徴ともいえるのがオーディオである。フロントとダッシュボードにはソニックデザインのスピーカーを投入し、リアはフロントと同じソニックデザインのスピーカーを入荷待ちの状態で、代わりに別のメーカーのものを装着している。さらにラゲッジルームにはカロッツェリアのサブウーファー「TS-WX1220」も追加している。
そしてアンプにはビートソニックのDSP(TOON X)を組み合わせ、音質を細かく調整した。休日のサーキットでは走りを楽しみ、平日の通勤では高音質の音楽を楽しむという、このプリウスPHVならではの贅沢な使い方を実現している。
内装のラッピングや機器の配置も自分自身の手で仕上げる
インテリアにもしっかりと手が入る。ドア内張りにはアルカンターラを貼り込み、パネル類には3Mのラッピングシートを施工した。
対象となるのはセンターコンソールやパワーウインドウまわり、サイドパネルなどだ。市販の社外パネルも存在するが、あえて自分でラッピングすることで、自分が納得できる仕上がりを狙ったという。
さらに、ブリッツの減衰力調整コントローラーは手の届きやすい位置に設置し、サブウーファーのスイッチもその下に配置されている。
つまり、このプリウスPHVは単にパーツを装着して完成させたクルマではない。サーキットでの走り、通勤時の使い勝手、オーディオ、そして自分自身で手を加えるDIYの楽しさまで含めて、オーナーのカーライフに合わせて徹底的に作り込まれている。
エコとスポーツを両立させるプリウスPHVならではの面白さを味わう
スポーツカーとしての走りを求めるなら、GR86のような専用モデルを選ぶのが王道だろう。それでもオーナーがプリウスPHVを選んだのは、スポーツカーとしての楽しさだけを求めたからではない。
通勤ではPHVとして電気を効率よく使い、休日にはサーキットへ向かう。そして帰り道には、こだわったオーディオで音楽を楽しむ。一見すると相反する「エコ」と「スポーツ」を、1台のプリウスで見事に両立させている。
新型プリウスが持つスポーティーなスタイリングをきっかけに始まったカスタムは、エアロ、足まわり、ホイール、ラッピング、オーディオ、インテリアへと広がり、気がつけば“自分だけのスポーツPHV”へと進化していた。
サーキット専用車でもなければ、単なる通勤車でもない。毎日の移動から休日のサーキットまで、すべてを1台で味わい尽くす。それこそが、このプリウスPHVが放つ最大の個性なのだ。
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みんなのコメント
FFでリヤタイヤを太くするとか何を目指すセットアップなのかも聞いて欲しいかな。