2025年は2名の工業高校卒業生を採用!
アカデミーは、LVMHグループの先行投資
LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン株式会社は、2025年4月に「LVMH Watches & Jewelry ウォッチメイキング アカデミー」を開校した。1年目となる2025年は、未経験でありながら時計技術への情熱をもった2名の工業高校卒業生を採用。社内の研修プログラムを通じて世界に通用する次世代の時計修理技能士を育成する。
4月21日、「LVMH Watches & Jewelry ウォッチメイキング アカデミー」のオープニングセレモニーが東京・江東区にある「LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン カスタマーサービスセンター」で行われた。ここは、LVMHグループのウォッチ・ジュエリー部門のカスタマーサポートを行うセクションであり、ブルガリ、ウブロ、タグ・ホイヤー、ゼニスなどの顧客から依頼のあった腕時計の修理・メンテナンスを行う拠点だ。
余談だが、この「LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン カスタマーサービスセンター」が東京の江東区にオフィスを構えていたことはこの日集まった時計メディア、ジャーナリストにもほとんど知らされていなかった。オープンは、2016年。現在、約120名が就労している。今回のアカデミーは、そんなオフィス内の一角に「教室」を構えることになるが、まさか記者が生まれ育った下町にこんな施設があったとは?というのが正直な感想だ。
東陽町駅から徒歩で約10分、高層ビルにあるオフィスは全方位から自然光が差し込むレイアウト。快晴だったこの日は、アカデミー横にある大きな窓からは遠くに東京ゲートブリッジを、建物反対側で修理・メンテナンスを行うスタッフの背後にある窓からは東京スカイツリーをそれぞれ確認できる──スイスの工房を想起させる、時計修理の技能を学ぶには絶好のロケーションだ。
アカデミー、スクールと言えば、腕時計をメンテナンスする技術者になるためには、 専門的な学校でカリキュラムを修得し、その後、時計を扱う会社に就職し、メンテナンス部門へ配属され、技術を習得していくのが一般的だ。
「LVMH Watches & Jewelry ウォッチメイキング アカデミー」は、名称こそアカデミーと名乗っているが、学費が必要な学校の形態ではなく、LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン株式会社の社員として雇用しているのが特徴だ。
また専任の講師が生徒(社員ではあるが)の指導にあたるものの、「LVMH W&J Japanカスタマーサービスセンター」で働く、ブルガリ、ウブロ、タグ・ホイヤー、ゼニスの専門知識を持つ全スタッフが良き先輩であり、講師ということになる。まさに、実践的な学びのあるアカデミーなのである。
そんなスペシャルな現場で2年間、時計修理の技能を学び、厚生労働省管轄の国家資格「時計修理技能士」の検定に合格することを目指す特別なプログラムを学ぶことになるが、ここで1つの疑問が湧き上がる。
時計修理のスキルを身につけた優秀な人材を確保する、ということであれば、分解、組立、注油など、オーバーホールの技術を学んだ、たとえば、専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジの卒業生をリクルートすれば良い。実際に、「LVMH W&J Japanカスタマーサービスセンター」には同校を出自とするスタッフが少なくないのだ。
ではLVMHがアカデミーを開講する狙いはどこにあるのか?
セレモニーに出席したLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン・ジャパン合同会社 職務執行者社長のノルベール・ルレによると、「グループを牽引するような、次世代の時計部門のリーダーを育成」することも重要なミッションであり、日本人らしい正確で信頼性の高い技術と、繊細な感性をもつ卒業生から還元される新しいアイディアにも期待しているようだ。
この日、施設の案内をしてくれた講師によると、アカデミーでは「アフターサービスで働く技術者に必要なノウハウを学ぶことに特化する」方針だそうで、想像以上にハードなカリキュラムになると推測できる。さらに、時計技術者としてのスキルはもちろん、英語によるコミュニケーションを身につけるためのメニューも用意され、ビジネス、マーケティングのリアルに触れる機会も提供するという。
近年、時計専業メーカーではないブランドが作る腕時計が高く評価されているのはご存じの通り。ケースも含めたデザイン、そして、トレンドが続くカラー文字盤の表現力、そのクオリティは非専業メーカーに軍配が上がる場面が増えているが、専業・非専業ブランドで構成されるLVMHの時計部門は、業界の最新テクノロジーとトレンドを深く理解するには最高の環境と言っていいだろう。
前述のノルベール・ルレは「トレンドに触れることもできることがLVMHが母体となっているアカデミーのメリット」とも語っている。そう、このアカデミーは、グループとしての先行投資という意味合いが強いのである。
プログラム修得後は、実際に自社ブランドの時計の修理業務に携わっていくことになるという。ファッションの感性を持ち、ビジネス、マーケティングにも長けた、日本発の時計スペシャリストの誕生に大いに期待したい。
文と編集・神谷 晃 AKIRA KAMIYA(GQ)
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